僕が設計する住宅には、いろいろな場面で丸い天井が登場します。
それはリビングであったり廊下であったり書斎であったり。そしてこの写真は「透かし庭の家」の和室です。
木を活かしたインテリアが印象的なリビングの隣に、ぐっとトーンの抑えられた色調の空間があり、その天井が丸くなっています。
丸い天井は、図面で描くのは簡単で、施工はタイヘンな代表格のようなものですが、きれいにカーブが描かれるように、工事監督さんと大工さんとで材料を種々試してくれて実現しました。
カーブを描く天井は、古今東西でいろいろなかたちで建築空間に採り入れられてきました。
ですからけっして珍しいものではありませんが、その高さや寸法や色味などによって、その雰囲気は千差万別です。
どんな場合であっても、「ここにしかないもの」をつくりあげたいと思います。
この部屋の窓は南に面していて、その先には小さな庭が広がります。
ほの暗くて、そして明るい。
不思議な、ここにしかない窓辺の空間ができあがりました。