丸い天井

2023-06-30 21:53:54 | 透かし庭の家


僕が設計する住宅には、いろいろな場面で丸い天井が登場します。
それはリビングであったり廊下であったり書斎であったり。そしてこの写真は「透かし庭の家」の和室です。

木を活かしたインテリアが印象的なリビングの隣に、ぐっとトーンの抑えられた色調の空間があり、その天井が丸くなっています。
丸い天井は、図面で描くのは簡単で、施工はタイヘンな代表格のようなものですが、きれいにカーブが描かれるように、工事監督さんと大工さんとで材料を種々試してくれて実現しました。

カーブを描く天井は、古今東西でいろいろなかたちで建築空間に採り入れられてきました。
ですからけっして珍しいものではありませんが、その高さや寸法や色味などによって、その雰囲気は千差万別です。

どんな場合であっても、「ここにしかないもの」をつくりあげたいと思います。
この部屋の窓は南に面していて、その先には小さな庭が広がります。

ほの暗くて、そして明るい。

不思議な、ここにしかない窓辺の空間ができあがりました。



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緑のある玄関

2023-06-20 22:26:13 | 自由が丘の家


夏も近づき、日に日に庭の緑も濃くなります。
アトリエの玄関前には古いモミジの木があって、玄関前に覆いかぶさるようになりました。
モミジの木の方が建物より古いですから、むしろ建物がモミジの木に寄り添っているというほうが正しいかもしれませんね。

道路から外観としてみると、主役はモミジの木で、なかば隠れるようにして玄関ドアが見えます。
木製の玄関ドアは濃色で着色され、ドアハンドルは真鍮製なのですっかり風合いが出ています。
こんなふうに古びた雰囲気は素敵だなと思います。

以前にフィレンツェを旅行した時に、左官塗りの壁と、古びた木の窓枠、摩耗した石の床、それらに緑の影が映り込んで揺らめいている光景をよく目にしました。
その旅行の直後に設計したこのアトリエには、そんな風情の記憶が色濃く影響しているのかもしれません。



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古風な花

2023-06-14 22:30:33 | 日々


雨模様の日が続きます。
庭の紫陽花の色もきれいに色づいてきました。
ひっそりとしながらも華やかで。
紫陽花は不思議な花だなと思います。

母が庭の紫陽花を採って花瓶に活けました。
玄関にある古びたキャビネットの上にある、古風な花瓶。

天窓からの光が、花瓶の紫陽花に優雅さを添えます。


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