印西の一日

2008-09-26 19:19:23 | 印西爽居

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水曜日に「印西爽居」の写真撮影がありました。空は綺麗な秋晴れで絶好の撮影日和!撮影は写真家の垂見孔士さんです。数々の住宅作品の写真を撮ってきた垂見さんに撮ってもらえるのは、設計者冥利につきます(笑)。撮影の合間、いろいろな話をしてくださいました。それが僕にとってはとても嬉しくて。

今日はゆっくりしていってください、という施主の言葉に甘え(甘えすぎ?)夜までしっかりと印西爽居の空間を楽しませていただきました。そしてなんとバーベキューを企画していただき、ビールも入りつつすっかり夢見心地の時間を過ごすことができました。

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この住宅はアウトドア・リビングについて積極的に考えて設計をしました。リビングと一体となったデッキコーナー。そこには大きな庇がかかり、モミジの木陰がデッキに落ちる空間。そこからさらにバーベキューコートへと空間がつながっていきます。コンクリートでコンロ台や水場を設え、テーブルセットとうまい関係になるように、プランニングを工夫しました。それぞれの場所の雰囲気に特色を与えつつも、それらがゆったりとつながっていく雰囲気は、戸建て住宅の醍醐味とも言えます。

夜、黒い壁は闇に溶けこみ、照明の光に誘われて白い天井のカタチが溢れだす。そこにはモミジの樹影が映り込み、それが風にゆらゆらと揺れています。その雰囲気は、ガラスのランマを通して室内からも外からも感じとることができます。ライトアップされたモミジの緑も、黒い格子戸を通して室内からも美しく垣間見えます。きっと晩秋には、この緑が美しい赤になるんだろうなあ。

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あるべきものをひとつひとつ吟味してデザインし、配置した結果、それは時として「得も言われぬ」美しい雰囲気を創り出します。う~ん、コルビュジエが言っていた「得も言われぬ空間」とはこのことか。それをすべて意図してできたらすごいなあ。それは巨匠か。・・・100年早いわ、とまた天国のボスから怒られそうですが、この住宅は見てもらいたかったですよ、村田さん。

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鉄骨工事進行中!

2008-09-22 21:24:46 | 庭師と画家の家

西荻窪で建設中の「庭師と画家の家」。荒天続きの間隙をぬって、遂に鉄骨工事が始まりました。住宅密集地の幅4メートルの細い敷地、作業はより慎重さが求められます。

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階段を登って3階に上がると、細長い空間が南北につながります。鉄骨の骨組みの段階で、その様子はとてもよくわかります。敷地の南側半分は第一種低層住居専用地域。つまり高い建物はありません。3階には明るい日差しと、抜けるような景色が楽しめそうです。

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ふたつのコンペの本

2008-09-11 18:16:20 | 

今年にはいって応募したふたつのコンペについて掲載された本がふたつ、偶然にも同じ日に送られてきました。

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ひとつは、年明けに応募したデザイン・コンペ「住宅セレクションVOL.2 家の風景 風景の家」のもの。これは、海辺の分譲リゾート地にこれからできあがる街に対して、既往の風景イメージを覆す新たな風景イメージの提案を求めるコンペでした。コンペは通常、入賞すると主催者側から賞金が出たりするのですが、このコンペは、賞金の代わりに入賞作品展を大々的に企画したり、最後にこうして編集し出版までするという、一風変わった取り組みをしてくれました。今回出版された本は、「セカンドハウス」をキーワードにして建設業界内外からコメントやレポートを織り交ぜた内容になっており、その一環としてコンペ入選案も紹介されています。おかげで、専門家向けに特化した内容ではなく、一般の方々も気軽に手にとって読める内容になっています。コンペに応募してから半年の間に、新宿での展覧会、今回の出版と、楽しいことが続きました。関係者の方々に感謝ですね。エクスナレッジムックから「建築家と考えるセカンドハウス」として最近発刊されました。オノ・デザインのコンペ入選作品も紹介されていますので、もしよろしければ閲覧いただければ幸いです(笑)

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そしてもうひとつ。これは初夏に応募したコンペ「九州温泉旅館客室コンペティション2008in大川」に関するもの。嬉しくも優秀賞を受賞することができました。このコンペは九州のある温泉旅館を舞台にして、福岡県大川市の地場産業である木工家具を活かした客室デザインを求めるもの。オノ・デザインの案は、内と外の生活がつながるアウトドア・リビングをテーマにデザインしました。こちらも、大川市で開かれた家具の見本市に合わせて授賞式が行われ、その様子のレポートを含めて、秋の見本市にあわせた案内ブックに編集されました。小振りなこの冊子は装丁デザインも綺麗です。地場産業を多方面から盛り上げていこうとする活動は、この冊子からもとてもよく伝わってきます。このコンペを通じて知り合った方々と、少しずつでも協力しながら良いモノを創り出していけるようになっていけたら、本当にシアワセですね。

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タルコフスキー・ポラロイド

2008-09-05 17:14:18 | 写真

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映画監督アンドレイ・タルコフスキーによる写真集「Instant Light」を手に入れました。

この写真集は1979年~84年の間に、彼がポラロイドカメラでロシア・イタリアで撮りためた写真を編集したもの。映画「ノスタルジア」の準備のためだったとも言われています。初版当時はすぐに売り切れ、長らく絶版になっていたそうです。再版されたこの本は、大きさも手頃で、原寸大のポラロイド写真が程よい余白をともなってレイアウトされています。いつでも傍らに置いておきたくなるような一冊。なんか、そういう本とかモノって、ありますよね。

ピントもぼやけ、輪郭もぼやけた写真の数々。焦点も定まらない日常のスナップ。ですが、不思議な光の中に浮かび上がる光景や、人や、犬や、事物を見ていると、何か不思議な感覚にとらわれてきます。何らかのイメージが、ゆっくりゆっくりと、頭のなかをめぐりはじめる、ような。

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タルコフスキーは「一日で起きた出来事を、ひとつずつ思い出して映画にしたら、それはとても神秘的なものになるでしょう」と語ったことがありました。そして、我々の日常生活は、スクリーンの上につくられるものよりもずっと神秘的だ、とも。

今、目の前にある写真に映し出された日常のシーンの数々。日常の神秘的なイメージだけを、一瞬の光で切り取って表現したのが、これらの写真なのかもしれません。

日常は、神秘に満ちている。

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