守られる空間

2022-08-11 22:24:51 | 大磯の家


住宅の居心地の良さって、なんでしょうか。
簡単なようでいて意外に難しい問いかけなのですが、ぼくにとってそれは「安堵感」ということと密接につながっているように思います。
この家で過ごしていて、安堵感があるかどうか。設計するときはいつも図面を描きながらそんなことを考えます。

先日、雑誌の取材で訪れた「大磯の平屋」。
主張の強いデザインがあるわけではありませんが、安堵感をもたらしてくれるようなスペースを丁寧につくっていきました。
安堵感をもたらすためには、何か「守られている」ようなコーナーをつくっていく、というイメージに近いように思います。

一番上の写真はソファコーナー。庭が見える気持ちよいスペースですが、あえてソファの横と背後はシンプルな壁で守られるように。
ついでに天井もぐぐっと高さを抑えて、ソファに座っている時に落ち着く高さに。



次の写真は和室ですが、窓の高さを低く抑えることで、室内の重心が低くなり自ずと座りたくなる気分になります。
心地よい陰影と、坪庭の鮮やかな緑に守られるような空間で、風鈴の音が気持ちよく響きます。
ここは眠くなる場所ですね(笑)



最後の写真は、外部のテラス。大きな庇が日除けになり、盛夏の緑に柔らかく包まれるようなスペースです。
チェアの脇が大きな壁面になっているのもポイントで、これがコーナー感といいますか、守られる感覚をもたらしてくれます。
午後になるとこのグレージュ色の左官塗りの壁には、樹影がいっぱいに広がりゆらめきます。

こうして写真を並べると、どれもこれも派手さのカケラもないのですが、それがきっと安堵感、そして居心地の良さにつながっているのであれば、それでよし!と思うようにしています(笑)
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夏の大磯

2022-08-01 22:57:23 | 大磯の家


雑誌の撮影で「大磯の平屋」を訪問しました。
家ができあがって約1年半。建物と庭とが一体となるようにデザインした家ですから、緑あふれる盛夏はその魅力が満開になります。
平屋の建物を覆うように雑木の庭木が繁茂し、屋根越しには大磯の山が見通せます。
緑の合間に、グレージュの色合いの左官塗りの外壁と、木で造作された玄関ドアまわりが見えます。
建材製品の寄せ集めではなく、現場で手作りされた家ならではの質感が滲み出ていました。

緩やかにせりあがっていく石組の階段アプローチは造園家の労作。
建築家がアプローチをデザインすると、タイルなど規格サイズが定まったものを選んでしまい、カタい印象になりがちです。
造園家と協働することでいろいろな提案をしてもらい、家と庭とのつながりに柔らかさが生まれ、一体的な雰囲気が強調されました。



庭にはコーヒースペースやバーベキューコーナーもつくり、アウトドアリビングを楽しめるようにデザインしました。
大きな庇がかかり木陰になった空間は、居心地が良さそう!



大きな窓辺を室内から見るとこんな感じに。
大きな窓だけれども大きすぎるわけでもなく、だからこそ窓いっぱいに緑が広がります。
その窓辺に寄り添うようなダイニングテーブルは、まさにコージーコーナーとなっています。
庭の緑の鮮やかさが映え、緑陰を帯びた光が室内に広がります。

暑い日にこの感じ。いやあ、癒されます。




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