バーバパパの家

2020-06-06 22:47:08 | 桜坂の家


家の設計を考えるときは、その土地でどうしたら落ち着きと安心感が得られるだろう、というようなことを考えるところからスタートします。
特に住宅街では、道行く人の視線や、隣家との関係がありますから、窓ばかり開けると逆に落ち着かなくなってしまいます。

壁に護られた家。
そんなキーワードを、いつしか考えるようになりました。
土地の形と状況に応じて、変幻自在の壁の位置を操り、安心感のある家の内部をつくります。
そして、ここぞ!というところに窓を開ける。
ここに窓を開けたら、どんな雰囲気で「外」と出会うのだろう?
そんなことをイメージしながら壁と窓をデザインしていくのは楽しいものです。

普通の窓ではなくて、特別な光と風景が入ってくる窓。
そんな雰囲気に満ちた家は、変化に富んでいて飽きることがありません。



状況に応じてどんな風にも変幻自在な家づくり。
子どもの絵本を見ていて、あれ、これだ!!と思ったのは、ご存じバーバパパ。
ピンク色の体が、どんなかたちにも変幻自在。
こんなところに源泉があったとは!
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朝、出かける時。

2019-11-01 22:45:36 | 桜坂の家


日々の暮らしのなかのあたりまえのことを、楽しむ。そんな感覚が芽生えたら素敵だなと思います。
朝、出掛ける時に靴を履きながら過ごすちょっとした時間。
玄関の地窓から緑が見えて、朝日に照らされた樹影が室内の壁に映り込んで、ゆらめいている。
心のなかに少しの癒しをもたらしてくれるような、そんな雰囲気が、家のあちらこちらに散りばめられていたら素敵だと思います。

台風による大きな災害があって、あたりまえの暮らしを過ごすことが、いかにかけがえのないことかを気付かされます。
都市計画レベルでの対策も必要だし、猛威を振るう環境に耐えるタフな家づくりに向けて、議論も活発になっていくことと思います。
同時に家づくりがスペックばかりで評価されるのではなく、あたりまえの暮らしを楽しむものに向かっていくことを大事にしたいと思います。
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丸い扉

2019-10-06 23:18:13 | 桜坂の家


家を訪問した際に、印象に残るシーンは何かしらあるものだと思いますが、「桜坂の家」では、不思議なことに多くの方に言われるのが「丸い扉」のこと。
リビングに白い大きな壁があって、その中に突然、その「丸い扉」はあります。
黒い和紙が貼ってあって、ちょっと高さの低い扉。
丸い扉と言われたり、アーチの入口と言われたり、あるいは、茶室だよね、と言われたり。

実際には、扉の奥は和室になっていて、茶室ではないですが、すこし独立した雰囲気の部屋になっています。
扉の奥に、なにか謎が秘められた感じ。
外の緑が鮮烈だからこそ、逆に黒い扉のもつ「謎」感がつよまります。
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壁のこと

2019-05-19 22:22:49 | 桜坂の家


 僕が設計する家は、壁が多くて、窓が少なく見える、という特徴があるようです。実際には窓が少なかったり小さかったりするわけではないのですが、道路からなど、外から人目につきやすいところには窓をあまりつけない、ということが結果的にそのような印象につながるようです。
 プライバシーを考慮してそのようにしているということもありますが、壁が街並みのなかでゆったりとある姿は、ずっと古い時代の建物が持っていたような静謐な雰囲気であったり、秘めやかな雰囲気を宿すように思います。そしてその多くは、石造であったり土壁であったり、自然から生まれた材料そのものを使っているから、必然的にアースカラーの外壁になることが多いのです。

 上の写真は「桜坂の家」の外観。コンクリートの腰壁の上に、大きなアースカラーの壁面があり、中庭に面して緑に覆われている。ただそれだけの簡素な外観です。イメージのもとには、ジョルジョ・モランディの風景画にあるような、素形としての建物の佇まいでした。

 敷地の環境に合わせて壁でゆったりと囲み、暮らしに合わせて窓を開ける。たったそれだけの単純な操作でできあがる佇まいと空間が、時代を経ても変わらない居心地の良さをもたらしてくれると信じています。

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キッチンの小窓

2017-06-07 22:04:36 | 桜坂の家


「桜坂の家」のキッチン。油はねにも無敵(?)の黒タイルの壁に、小さな小窓がひとつ。
まわりの壁が黒いから、額縁のようになって緑が映えます。
たったこれだけのことで、ほっと息が抜けますね。
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