感動!!フェンシング金メダル

2021-07-30 23:58:40 | 日々


東京オリンピック フェンシング エペ団体戦で、日本チームが金メダル!
フェンシングには3種目があって、エペという種目は「先に血を流した方が負け」という西欧中世の決闘が発端となった競技なので、全身どこでもいいから先に突けばよいという、単純明快なルールです。
構えたときに手首や足先が一番狙いやすいのですが、そこに駆け引きが生じます。

僕は高校時代にフェンシング部に所属し、フルーレとエペをやっていました。
腰を落として中腰で数分間 細かく動き続けるのがいかにキツいか、軽く見える剣が案外と重いことや、金属の剣をしならせて突くのにいかに筋力がいるのか、というようなことを思い起こしながらテレビで試合を観ていました。
卒業して30年近く経ちますが、フェンシングをやっていたという人はおろか、知り合いがフェンシングをやっていたという人にすら出会ったことがありません。
当時、大きな本屋さんで関連書を探すも皆無。大学生になってフランス旅行で本屋さんに行っても、あれ、無いな・・・ 世界的にもやはりマイナー競技なのだと思います。
ですから、太田雄貴さんの活躍でフェンシングが脚光を浴びたときには本当に嬉しかった(笑)

写真は高校時代に愛用していた道具です。
マスクも世界で数社しか製造していなくて、強い人はこのメーカーのものを使う、という棲み分けがありました。
僕は当然ながら(?)そうではないメーカーのものを。
体育館でマスクとあの白ユニフォームを着て練習しますから、強い人ほど色が白いのです(笑)
真夏の体育館の練習では、暑さで酸欠になりそうになりながら一生懸命練習した頃を思い出します。今は冷房完備のところが多いからいいですね。

それにしても、日本チームが、フランスにも勝ち、金メダルをとる時が来るとは。
そして、その金メダルの観戦プラチナチケットに当選していたのに!! すんごく楽しみだったのに!!

ああ無情・・・。

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隙間のギャラリー

2021-07-24 22:08:04 | M's ark


川口市に建つ複合建築「M's ark」に撮影で久々に訪問。
この建物は住宅にギャラリーやアトリエ、そして茶室が併設されています。
川口駅にほど近く利便性はありますが、準工業地域のちょっと退廃的な喧噪のなかに建っています。
敷地はとても奥に細長く、都会の隙間に建つような感じ。

道路からずっと路地が引き込まれるようになっていて、その奥に中庭があります。
乾いた界隈のなかで、ほっと息が抜けるような場所。
その中庭に面して小さなギャラリーをつくりました。

新しく建物を建てると、どうもきれいになり過ぎる、と思うことがあります。
そこでここでは、あえて無造作な雰囲気でコンクリート壁を仕上げました。
実際にはコンクリートの調合や鉄筋など入念な確認のもとで造られているのですが(笑)



ギャラリーでは、無造作コンクリートと、節のある無垢の木の床材が、展示物と不思議な呼応をしてくれます。
窓から遠くに見えるのは錆びた鉄骨階段や剥がれた壁など、ちょっとハードな街の裏方の光景。
でもこうして中庭に緑が植えられ、自然光が柔らかく入ってくると、守られたような安心感であったり、不思議な居心地の良さがあります。
そして、置かれた聖母像の素朴な深淵さに促されるように、静けさに誘われます。

都会の真ん中に、廻りの環境と切り離して、静かで奥行きのある居心地よい場所をつくりたいと考えながら設計していました。
私淑する建築家ルイス・バラガンが、メキシコの街なかに埋め込むようにしてつくった自邸を脳裏によぎらせつつ。
そんなイメージがどこか去来するような空間になってくれました。
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夏の光

2021-07-17 18:54:07 | 東山の家


梅雨があけたら、いきなり真夏の空が広がりました。
太陽の光に重さを感じるというのか、とにかく夏の日差しは圧力がものすごいですね。
まだ夏の明るさに慣れていないのか、屋外にいるととても眩しく、明るいところと暗いところの明暗のコントラストが極端に感じます。

写真は夏真っ盛りの「東山の家」。
コンクリート造を活かして小さな坪庭ルーフテラスが造ってあります。
眩いばかりに照らされる坪庭と対照的に、室内には仄暗く安寧な雰囲気が漂います。



坪庭はトイレにも面していて、意外にも贅沢な空間です(笑)
風鈴の音も聞こえて。

夏の風情を楽しむというのは、なんだか眠くなるような安心感と、どこかつながっているようにも思います。



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怖い空間とは。

2021-07-11 22:28:12 | アート・デザイン・建築
ぼくの子どもは小学校の特別支援学級に通っていて、日常的に子どもと一緒に登校しています。
そうすると子どもたちや先生方や近隣の方々とも少しずつ顔なじみになっていって、自然とあいさつをするようになって、とても気持ちがよいものです。
普段から学校にお世話になっている感謝も込めて、今年は思いきってPTAの役員をやってみています。

コロナ禍のなかでは低活動状態にならざるを得ないけれど、あいさつ運動や交通安全などに注力して実践すると、多くの方とあいさつもできて気持ちよいものです。
やって大変というより、やってみると気持ちよさと楽しさがあるもんだなあと思います。

ほとんどのイベントが中止になるなか、「夜の学校探検」という企画のリーダーを任されました。
つまりは、真っ暗な学校での肝だめし大会ですね。
ぼくが仕事で設計事務所をやっていることがなんとなく知られているのか、なにかおもしろいアイデアを考えてみてくださ~い、と気軽にふられました。
空間づくりとあらば当然お引き受けするわけですが、さて、怖い空間、こわい空間・・・とは。ん?んん~?
心地よい空間、落ち着く空間、楽しい空間など、いろいろな雰囲気を求めてきたけれど、これまで怖い空間をつくることについては考えたことがなかったし、オーダーを受けたこともない。
まあ、当然ですよね(笑)

人数制限として、6年生だけの参加とのこと。なので、ちょっとだけ大人向け(?)の空間演出を考えました。
でも準備期間も限られているから、なるべく最小限の操作で、最大限の効果を。そんなことをもくろみながらシナリオを描き、皆さんとともに準備しました。

そうしたら! 
緊急事態宣言で、延期に・・・。
せっかく準備したから、延期してでもいつか実現できるといいなと思います。
それにしても、6年生の参加希望は脅威の95パーセント越え!とのこと。ほとんど全員参加じゃないですか。楽しみにしてれているんですね。



怖い空間とはすこし違うけれども、恐怖を喚起させる空間について。
以前に、ベルリンの「ユダヤ史博物館」を訪れたときに、ホロコーストについて記述するコーナーの一環で、必ず通らなければいけない空間がありました。
お化け屋敷みたいに暗かったり脅かされたりするわけではなく、むしろ明るい空間で、なにも変化は起きないのだけれども。



井戸の底のようなヴォイドで虚無な空間。足元に敷き詰められる人面の鉄片と、その上を歩く不安定さ。歩を進めるたびに鳴り響く不気味な音。
映画やバーチャルリアリティーなどの方が、直接的に何かを感じさせるものはつくりやすいでしょうし、現実の空間というのは不自由なものですが、それでも、身体を通してしか感得できないものもあるでしょう。
PTAのイベントで気軽にやるつもりが、意外にも?いろいろと考えさせられました。





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古木と。

2021-07-04 22:52:43 | 阿佐ヶ谷 古木と暮らす家


雨の間隙をぬって、杉並の現場では上棟式が行われました。
古い街並みのなかにある土地での、建て替えの計画です。
昔から残る庭の古木を、残せるものはなんとか残しました。
土留め壁のやりかえや解体などの関係で、当初に思い描いたほどは木々を残すことはできなかったけれども、造園家の尽力で、主要な古木は残したり、一部植え替えたりしながら、これからも守り神のようにして土地に残りました。

設計は、古木といかに寄り添うか、ということをテーマに進めていたように思います。
もとからある木を避けるようにして建物を配置しています。
窓から古木が見える風景は、どこか守られるような安心感があります。

建て替えのときにはいつもそのようなことを考えているように思いますし、何も残らないまっさらな土地のときには、新しく植える木が、その土地で暮らす原風景になるように願いながら、家のデザインを考えているように思います。
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