夏の終わり

2019-09-25 16:17:40 | 自由が丘の家


涼しくなったり暑くなったりを繰り返しながら、徐々に夏が終わっていきます。
写真は自由が丘のアトリエ 打合せルームの出窓の光景。

西に面して、午後の強い陽射しに照らされて、ロールスクリーンに映り込む木陰が燃え盛るよう。
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吉村障子のある家

2019-09-16 20:44:49 | 福島の家


福島市ですすめてきた住宅がいよいよ完成となり、お引渡しをしてきました。
約100坪のゆったりとした敷地に、南面して大きな窓があります。
その全面に障子を建て込む設計にしました。
障子の枠と桟が同じ寸法の、いわゆる「吉村障子」。これは、障子が何枚並んでも、その継ぎ目が目立たないので、一幅の大きな光の面のような風情になるのが特徴です。
障子を閉じた時にしんと静まりかえるような雰囲気は、独特の美しさがあると思います。



暑い福島の夏に備え、通風に配慮した設計にしました。
吉村障子から振り返ると大きなデスクコーナーがあり、南北を貫くように空間がつながっていきます。
ゆったりと大きなスペースと、籠るような小さなスペースが隣り合う。そんなスケール感の遊びが楽しい住宅になりました。

現場を担当してくださった工事監督は、これまで僕が一緒に仕事をしてきたなかで最年長のベテラン監督でした。
30年以上前に自宅を設計して建てたんですけどね、実は私の家も、吉村障子なんですよ。
そんなことをにっこり微笑みながら教えてくれました。
周りの方に聞くと、若い頃はそれはもうコワい工事監督さんだったそうです。

工事中、要所で受領した工事用図面はすべて手描きでした。定規を使わず、方眼紙にフリーハンドで描かれたもの。
とても見やすく、要点が端的に押えてあります。
もうそんな手描きの図面を描ける人も、ほとんどいなくなってきているんだろうなあ。
なんだか現場が終わってしまうのが惜しく、もっといろいろ質問をしておけばよかった、という気持ちになりました。

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始まった新しい暮らし

2019-09-10 23:19:22 | わらびの家


「わらびの家」ができあがってから、あっという間に1ヵ月。
暮らし始めてからのご様子をうかがってきました。

家具や道具、小物が置かれ、やっぱり家は生活がはじまってからが生き生きとするなあとあらためて思いました。
ダイニングテーブルなど、まだ仮のものが置かれていますが、新しいものが到着するのを待つ間も楽しいもの。



片付けるものと、見せるものと。
お気に入りの器や道具類を少しずつ足していくのも、楽しいものですね。

家ができあがるとそれで終わり、ということではなく、やはり、楽しみの始まりなのだと思います。
そんなことを感じとれた訪問でした。
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持ち歩くもの

2019-09-01 21:21:16 | 日々


打合せや現場への移動は電車を利用することが多いのですが、その日の打合せ内容のことをいろいろ考えながらの移動になるので、あまり小難しい本を読む気分にはなりません。
かといって、スマホを眺め続けるのも気が進まず、手元にあるちょっとした本を持ち歩くのが常になっています。
打合せ用の荷物が重いので、オマケの本はなるべく軽くコンパクトに。
そんな流れで、学校を卒業して会社通勤をし始めた頃に購入し、もうかれこれ20年ぐらい連れまわしている本がこれ。

日経ポケットギャラリーというシリーズで売られていたものですが、1ページに絵が一枚のシンプルな構成。
それこそスマホなどで観ればよい、ということも言えますが、ずっと持ち歩くことで、紙がだんだんヨレてくるのがよいところ。
ずいぶん長い時間を共にしたような気分になって、絵が自分の一部のように思えてくるのです。
そうなることで、ある絵を観ている瞬間に、ずっと前にこの絵を観ていた時の心情や出来事がふっと蘇ってくるようなことがあります。
マルセル・プルースト「失われた時を求めて」のマドレーヌ菓子のようなものでしょうか。

デジタル時代に、アナログの感情を引きずったままということなのでしょうが、時間をかけて何かが自分のなかに沁み込んでくる感覚というのは、なかなか捨てがたいなあ。

写真は、有元利夫と上村松篁の画集。新品で買ったけれど、今ではその画風同様に古色溢れる質感になりました。
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