早いもので、独立して設計事務所を構えてから17年目になります。
最初期の仕事である「桜坂の家」を設計していた頃は、仕事も少ないぶん気合を入れて設計に向き合っていました(笑)
とはいえ、ボスの元を辞して間もない頃だから、どうも自分の持ち味や本領を自覚せぬまま、教わった作法が先に出る、といった感じだったかもしれません。
それでも、やはり僕自身の奥底にあるものが無意識に滲み出るというのか、今につながる原点だなと思います。
「桜坂の家」も、当時からだいぶ状況は変わりました。
子どもが誕生しライフスタイルが大きく変わりました。
コロナ禍であっても在宅勤務が増えたということではないようですが、オウチ時間を楽しむ工夫をしてくれています。
小さな中庭を利用したオープンエアのダイニングは、家で過ごす時間を楽しいものにしてくれているようです。
その後ローフードマイスターとして活躍する施主のキッチンは、プロ仕様でハードで使い倒す雰囲気に。
「桜坂の家」ができあがって16年。生活の変化をすべて予測できたわけではないけれど、家がそれを受容できているようでひと安心。
使って味が出るというのはこのことだなあと思わせてくれる雰囲気があります。