時ヲカケル

2021-03-20 22:18:17 | 桜坂の家


早いもので、独立して設計事務所を構えてから17年目になります。
最初期の仕事である「桜坂の家」を設計していた頃は、仕事も少ないぶん気合を入れて設計に向き合っていました(笑)
とはいえ、ボスの元を辞して間もない頃だから、どうも自分の持ち味や本領を自覚せぬまま、教わった作法が先に出る、といった感じだったかもしれません。
それでも、やはり僕自身の奥底にあるものが無意識に滲み出るというのか、今につながる原点だなと思います。

「桜坂の家」も、当時からだいぶ状況は変わりました。
子どもが誕生しライフスタイルが大きく変わりました。
コロナ禍であっても在宅勤務が増えたということではないようですが、オウチ時間を楽しむ工夫をしてくれています。
小さな中庭を利用したオープンエアのダイニングは、家で過ごす時間を楽しいものにしてくれているようです。
その後ローフードマイスターとして活躍する施主のキッチンは、プロ仕様でハードで使い倒す雰囲気に。



「桜坂の家」ができあがって16年。生活の変化をすべて予測できたわけではないけれど、家がそれを受容できているようでひと安心。
使って味が出るというのはこのことだなあと思わせてくれる雰囲気があります。


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大きなベンチ

2021-03-14 22:54:50 | 西東京の家


西東京で進めてきた住宅が、ついに引き渡しとなりました。
不整形の土地に2世帯住宅を実現するため、昨年から施行された建ぺい率緩和の法規をフル活用しながら間取りを組み立てました。

屋根は斜線制限の影響を厳しく受けながらも、抑揚のある天井のかたちとして現れ、空間に変化を与えてくれています。
キッチンに面した壁一面に貼られたタイルは濃茶色で、インパクトがありますね。
キッチンに面してバーカウンター方式になっていて、背の高いスツールを置いて食事もできます。
あえてキッチンで食べる朝食とか、楽しいですよね。



出窓状のベンチも、実際の面積以上に空間に広がりを感じる要素となっています。
ベンチの長さは実に3メートル!少し低めの座面で落ち着きます。大きなテーブルを据えて、みんなが集まる場の雰囲気ができあがりました。
ベンチの脇からは大きなルーフテラスに出られます。屋根のかかった「ロッジア」というスペースで、小さなテーブルを置いてコーヒータイム(ビール?)を楽しめるという趣向。

みんなで集まるのも楽しいし、家族それぞれが好きに時間を過ごすのもいい。
そんなおおらかな家になりました。
そのおおらかさは、ざっくりとした素材の風合いを活かしたインテリアとも呼応しています。



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大磯の庭

2021-03-10 21:52:36 | 大磯の家


「大磯の家」の庭づくりも、いよいよ大詰め。
庭づくりを担当してくれているのは、相模原を拠点に活動する「アトリエたね」さん。
住宅設計の早い段階から打合せに参加してもらい、予算管理も含めて協働してきました。

雑木の庭を楽しむことが、この家のデザインテーマでした。
僕なりに庭づくりのイメージも考えてみたけれど、やはり造園の専門家のイメージやデザインは素晴らしいものでした。
提案は押し付けがましくもなく、施主のご意向も柔軟に採り入れながら、それでいて芯がある感じ。脱帽ですね。
見て美しく、過ごして楽しい庭になりそうです。

建物は完成したものの、しばらくの間は主役の庭がぽっかりと空白だったけれども、これでついに完成した感じがします。
でも、完成と同時に、これから家や庭を育てていく楽しみが始まったところですね。

雑木の庭と、地山に包まれた平屋の家。
なかなかこのような環境を楽しみながら家はつくれないだろうなあ。
ぼくにとっても、設計を満喫した感じがします。

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窓辺のコーナー

2021-03-03 22:06:21 | 経堂の家


窓辺のコーナーというような場所に、とても心惹かれます。
そんなことをいつも考えながら住宅を設計しているものだから、言葉の端々ににじむそんな想いを施主が汲み取ってくださって、これまで多くの窓辺のコーナーをつくってくることができました。
現代建築は構造体を繊細にし、なるべくガラス張りにして開放的にするのが本流になっていますから、なかなか気持ちのよい窓辺のコーナーには出会えないように感じています。
壁のなかのここぞというところに開口部があけられ、光と風景が入り込む。
そんな風情がないと、なかなか窓辺感が出ないのでしょうね。

旅行先で出会ったいろいろな窓辺コーナーがお手本です。それも前近代の、もっといえば古典のロマネスクとか。
そんな空間に身を置くのがとても好きです。
その経験が記憶となり、じわじわと時間をかけて設計のなかに立ち現れてくるように思います。

上の写真は最近できあがった「経堂の家」のダイニング。
木製で造られた窓辺コーナーに自然に寄り添いたくなる雰囲気にできあがりました。うんうん、優しい感じ。
そして、大きくせり出した庇に守られるような安心感があります。
庭づくりはまだこれからだけれども、やがて木漏れ日が感じられるようになるといいなあ。


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