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ブログの引っ越し

2025-08-03 15:46:10 | 日々


暑いさなか、庭のブルーベリーがきれいに色づきました。
たわわに実ったブルーベリーを摘んで、冷やしてからプレーンヨーグルトに入れて、即興ブルーベリーヨーグルトの出来上がり。
市販のブルーベリーヨーグルトとはちがって、どこか酸味もある程よい甘さ。自然のままの味というのは、やはり美味しいですね。
赤橙色のル・クルーゼのミニカップに、白いヨーグルトとブルーベリーの深い青と、カラフルな色合い。

カラフルな色合いといえば・・・
最近、ある建て主さんに、これまでの建て主からのリクエストでいちばんビックリしたのは、どんなのですか? と聞かれたとき、ポンっと頭に浮かんだのは、これでした。



そう、屋根の色をフランス国旗色に!
フランス人の建て主さんのリクエストなのですが、グーグルアースで見たときに、あ!ウチだ!!とわかるように、とのこと。そこで、北を上にして見たときに、青・白・赤のトリコロール色が並ぶように、屋根の一部をつかって配色したのでした。
聞いたときは、正直なところ ええ~っと驚きましたが、ちょうどその部分は道路からは見えにくい位置関係だったので、内心どこかホッとしつつリクエストを実現してみると、できあがった屋根は意外にきれいな仕上がりで、これまたビックリ。
空から、鳥からしか見えない眺め。それもまた素敵ですね。


さて、多くのエピソードを2006年から書き綴ってきたこのブログも、もう19年たちました。そしてなんとこのgooブログのサービスが終了するとのことで、ブログを引っ越ししなければなりません。
最近はブログが滞りがちだったので、ブログの引っ越しを機に心機一転、また楽しく書いていこうと思います。

なにしろ大量のブログなので、引っ越し作業にはしばらく期間がかかるのだとか。引っ越しが終わって再開したら、またこのブログにお付き合いくださいますようお願いいたします。

                                     建築家  小野 喜規


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ウォルナットの家具

2025-06-16 21:06:30 | 八王子 街を見晴らす家


クラシックな趣の家を。そんなイメージをクライアントと共有しながらできあがった家のワンシーン。
クラシックといってもいろいろあるけれど、なんとなく共通しているのは、木部が濃く深い色だということでしょうか。
本来はだんだんと木部の色がくすんで古色を帯びる、というのが正式なのかもしれないけれど、有名なクラシック建築でもあらかじめ着色してあることも多いものです。
あの千利休の有名な小さな茶室も、古味塗装されてあの雰囲気ができているのです。
では、そんなクラシックのもつ懐古的なイメージをどうやってつくるか、というところですが、それもなかなか奥が深いものだなあと思います。

この家では、床はオークの無垢材、天井はラワンのベニヤ板。それぞれ色調を微妙に変えながらオイルステインで着色しました。
壁はペンキ塗りで、少し赤みがかったグレー色。
出窓に寄り添うように置かれた、ウォルナット材で作られた椅子と、レトロな雰囲気のランプ。
スイッチプレートも、シャープでかっこいいものの真逆な、レトロなホーロー製のプレート。

どちらかというとコストを抑制しながら造った家だけれども、余計なものを省き、古びる気配だけが空間に立ち現われたのでした。
個人的はこういう雰囲気、とてもしっくりきます。
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家とモランディとロマネスク

2025-06-01 21:21:38 | アート・デザイン・建築


建物の外観を、姿かたちではなく、「質感」として捉えることに関心をもっています。
そのキッカケは、展覧会でジョルジョ・モランディの絵を見たことでした。
モランディは静謐な画風の静物画が有名ですが、風景画も多く、それらは写実的ではなく、印象としての質感のみをキャンパスに描いたような雰囲気です。
輪郭が判然としないけれども、そこにある立体の凹凸がつくりだすリズムや陰影、そして質感。たったそれだけで、街並みの風景がかたちづくられたら。



そんなイメージを脳裏に浮かべながらできあがった、ひとつの住宅。
黄土色の連続した街並みの一断片が、ここに残されている。
そこには古くから残る木が寄り添い、壁に樹影を落としている。

そんなイメージでできあがった朴訥とした家の外観は、どこか懐かしく、そして安心感があります。
どこか、ロマネスクの教会堂のような佇まいになりました。

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列柱と家

2025-05-15 22:51:01 | 梅ヶ丘の家


古い洋館には、アーチの列柱がある回廊をよく見かけます。
そこには丸いガラスのライトが吊ってあって、それがまわりをぼんやりと照らしているような光景。
そんなクラシックなイメージを、家の中でつくりたいと思いました。

リビングの奥にある、アーチと列柱のあるインテリア。
天井が高く、アーチもすっと背が高く伸びます。



アーチをくぐるとそこは回廊のようになっていて、あの丸いランプがあります。
アーチと列柱がつくりだすクラシックな佇まいは、新しい家のなかにレトロな趣きをもたらしてくれます。
そんなイメージに沿うように、回廊の床はヘリンボーン仕上げで。床材はチーク材でしっとりとした雰囲気。
年月が経ちキズもついて飴色になってくると、得も言われぬ味が出てきそうです。

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家とゴロ寝

2025-05-07 23:09:48 | 桜坂の家


「桜坂の家」は、ぼくが独立して設計をてがけた最初の家です。
ちょうどその頃、私淑している建築家ルイス・バラガンの著作を眺めていました。
そのなかに、昼寝ができる空間の心地よさについて書いてあって、それがなんだかとても印象に残っていたのです。

住宅街に立地する「桜坂の家」で、ゆっくりと時間を過ごせるスペースのことを考えていたら、バラガンの昼寝の話がよく脳裏をよぎりました。
本を読んでいて、そのままソファに深々と沈み込んで寝てしまう、というような。

吉村障子を閉めると、白い静謐な空間に。
それを開けると、緑が鮮やかに姿を現す。

上の写真は家ができあがって数年後のシーン。
心地よさとは、いったいなんだろう。
そんなことを真剣に考えながらつくった家です。

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