猫のいる家

2019-05-13 21:36:32 | 古河の家


 これまで住宅をつくってきたなかで、何人かの建て主さんは猫を飼っていました。僕は猫を飼ったことはないのですが、打ち合わせでご自宅に伺った際に初めて「ご対面」し、その後、何回か会うのですが、なつくほどでもなく、つかず離れずの微妙な距離関係を保ちながら、こちらの様子を見ている猫の眼差しがなんとなく印象に残ります。

 音もなくサッと登ったり、走ったり、寝ていたり。猫用の扉をつくったり、寝床をつくったりすることもあるから、どんな感じがいい? と聞いてみたい気もします。できあがった家で、猫がこれまで以上に元気よく端から端まで走り回っている様子を見ると、あ、気に入ってくれたかなという気持ちになって、会話ができない分 余計に嬉しかったりもします。

 写真は「古河の家」の愛猫。乗れるところには所かまわず乗り、カメラを向けると意外にちょっとポーズを決めてくれたりもします。この家の2階のベランダからは渡良瀬川の花火大会が望めます。そんなときに、家の主と一緒に猫も楽しめるように、ちょうどよいのぞき窓をつけましょう、ということになりました。でも、身を乗り出して落っこちると大変だから、乗り出さないくらいの絶妙な感じで。なかなか案配が難しいところですが、スタッフのK君がメジャーを片手に原寸図面を描きながら検討し、できあがったものがこれ。ちょうどよくできたようで、ほっとひと安心。



 このベランダは西向きで、渡良瀬川の方角から夕陽がやってきます。静かに夕陽を眺める時間も、きっといいものだろうなあと思います。
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新しい家と古い家具。

2019-04-12 22:27:33 | 古河の家


引っ越してまだ間もない「古河の家」にお伺いしました。まだすべてが片付いているわけではないけれど、ゆっくりゆっくりと生活の場がかたちづくられていきます。

無垢の木のフローリング。
黒い鋳物のペレットストーブ。
木でできた窓枠。
グレージュにペンキで塗られた壁。

ここでの暮らしに必要なものを丁寧につくり、選んだ物。



この日は井戸のポンプの設置工事が行われました。ダイニングに面した中庭は、これから植栽が入る予定です。
まだ無味乾燥とした状態ですが、やがて、しっとり静かな雰囲気の中庭になるでしょう。

ダイニングテーブルはチーク材でできた北欧アンティークのものです。
木の窓枠とグレージュの壁と相まって、落ち着いたダイニングコーナーができあがりました。
これから中庭に植栽が施されると、ずっといても飽きない、居心地の良いスペースになりそうです。
古い街並みの雰囲気に寄り添うように造られた家。そこに置かれるアンティークの家具。
新しいけれども古びている、そんな美しさがあると思います。

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余韻のある壁

2018-12-31 16:05:09 | 古河の家


年末に「古河の家」のお引渡しをしました。できたばかりの家ですが、真新しい感じはしないのが特徴(?)です。
というのも、この家は、きれいにデザインされた家を目指したのではなく、古河の旧市街のもつ古色然とした雰囲気によりそうような家にしたかったのです。

そんな雰囲気を生み出すために、仕上げ材料のもつ質感や色などには、ずいぶんと時間をかけて検討をしました。
室内の壁は白いペンキ塗りですが、白といっても、間近に見るとかなりグレーベージュがかった色です。
自然光に照らされるところと翳りになるところの調和がうまくいく色を、多くのサンプルをつくって選び抜きました。
傍らには木製のドアを造作し、しっとりとした趣のある佇まいになりました。

渡良瀬川の方からやってくる光。
その光に照らされた、余韻のある壁面。
枯淡、無名色のインテリア。

これから家具や植栽がはいり、静かで奥行きのある雰囲気の家になるのを楽しみにしています。
写真を撮ってから、また徐々にホームページなどでご紹介したいと思います。

今年もブログにお付き合いいただきありがとうございました。
来年も、設計実作や、旅行記や、日々の暮らしのなかから、いろいろなテーマでブログを書いていきます。

どうぞよいお年を。
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古河の光

2018-11-27 22:34:44 | 古河の家


建設中の「古河の家」の現場より。
渡良瀬川流域に広がる古河市の旧市街は、古い蔵も多く残る趣のある街並みです。
そのなかに、ギャラリーとアトリエの併設された住宅を建てています。

写真はエントランスから続くギャラリーのスナップ。
ヴォールト天井が掛かり、絞られた開口部に嵌められたステンドグラスから入る光は、さながらロマネスクの空間の趣。

完成したら、静けさと陰影と、印象的な光に満たされた場所になることを祈りつつ。



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