住宅の玄関は、家の最初の顔になる部分ではあるけれど、段差あり、収納ありで、意外に高密度にいろいろなものが詰まっています。
さらには、適度な明るさも欲しいところです。
写真は「久が原の家」の玄関。明り採りの窓には目線の高さまで障子が建て込まれ、人の目線が遮りつつ、そこから柔らかい光がはいってきます。
もちろん、障子を開いて掃除もできます。
老後の住まいだから、玄関にも手すりを設置するなど、家全体としてバリアフリーに気を配った設計となりました。
バリアフリー用の建材は多く発売されているものの、間に合えばそれでよい、というような体裁のものが多く、取り付けると一気に施設っぽくなってしまうのが残念なところ。
だからこの家では、手すりや手掛けなど、肌に触れるところは極力 木で造作しました。
いつも手に触れられて、使い込まれて少しずつ味が出てくる。
バリアフリーの家にも、そんな風情は大切だと思います。