東京・成城ですすめてきた2世帯住宅が完成し、引き渡しをしました。設計のご依頼を受け、案を練り始めてから2年間をかけて、打合せを重ね、じっくりと取り組んできた住宅です。
永らく住み慣れてきた土地での建て替えですから、それまでの生活スタイルも引き継ぎつつ、ゆったりとした土地の魅力を活かすような家にしたいと思いながら設計しました。
結果的に、大きな庭に面して、さまざまな雰囲気の窓辺を散りばめるようにして家をつくりました。それぞれの窓辺のスペースに腰を落ち着けると、同じ庭でも、異なる雰囲気に感じられるように工夫をしました。
上の写真は、2階のリビングです。庭の緑がなるべく身近に感じられるように、ベンチを造りつけ、その上に大きな窓をつくりました。自然に庭を見下ろせるような窓辺になっています。
その手前には少し籠った感じの書斎コーナーがあり、デスクや棚が造りつけられています。小さな天窓からの光で照らされ、光と陰影の心地よい、趣のある雰囲気になりました。
ダイニングに面してロッジアが造られています。ロッジアとは、屋根のある屋外テラスのことで、屋外でありながら壁で守られた落ち着いたスペースです。手摺りはあえて木で大きくつくり、包まれたような安心感のある雰囲気を大切にしたいと思いました。
家具がはいり、植栽が馴染んできた数年後、だんだんとこの家独自の居心地の良さが増してくることが楽しみです。そんな様子を、またこのブログで少しずつご紹介できたら、と思います。