束の間の・・・

2021-09-27 23:33:27 | 古河の家


涼しくなってきて、窓を開け放したくなる季節(と思いきや すぐに台風発生の一報があったりするのだけれど)になりました。
気持ちのよい季節は案外と限られているから、なるべく満喫したいものです。

設計した住宅で、いろいろな窓辺コーナーをつくってきたけれど、中庭のある家は独特の風情があります。
写真は「古河の家」。
中庭とよぶにはこじんまりとしているかもしれないけれど、小さいからこそ親密な雰囲気になりました。
木製でできた両開きガラス戸を開け放して。

ダイニングテーブルはチーク材でできた北欧のアンティーク。
古びた家具が似合うように、壁や天井のペンキ色はぐぐっとダークな色調に。
その仄暗さが、ふうっと息をついて落ち着けるような心地よさをもたらしてくれます。
温かいコーヒーでも淹れて、ほっと一息。
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白い町で

2021-09-20 22:15:26 | 映画


ちょっと映画の話の続きを・・・
映画の楽しみ方は人それぞれですが、ぼくの場合は、ストーリーよりも映像の方に気持ちが向かいます。
ストーリーはなんだかそのうち忘れてしまうのだけれど(笑)、印象的な映像は、いつまでも記憶の奥底で明滅しているのです。

アラン・タネール監督「白い町で」は、ぼくにとってそんな作品でした。
なにかの本でたまたま知って、興味本位で観てみたマイナーな作品です。

ストーリーはもはや覚えていませんが(笑)、たしか、あてもなくリスボンの街にたどり着いた中年のオジサンが、8ミリカメラを片手にリスボンの街をさまよい歩くというもの。
その手ブレしながらの映像が、リスボンという街のもつメランコリックな雰囲気を引き出しているようでした。

リスボンの街を舞台にした映画はいろいろとあるのでしょうし、有名なところではヴィム・ベンダース監督「リスボン物語」など、キャストも豪華で映画としては上出来なのだと思います。
でも「白い町で」という映画のもつ寄る辺なさのような感覚は、不思議な余韻をもたらします。

象徴的であったり、暗示的であったり。
映像を見ながら、そんなことをふと感じさせる独特の映像美があります。

街を映し出した映像美という点では、ヴィム・ベンダース監督「ベルリン 天使の詩」は、統一前夜のベルリンの退廃的なムードを強烈に放っていて、これも記憶に残る映画です。
その主演はブルーノ・ガンツ。
この映画の何年も前に、「白い町で」で8ミリカメラを片手にリスボンをさまよい歩いた張本人です。

冒頭の写真は昔に、ガンツおじさんを見習ってリスボンの街を旅行しさまよい歩いたときのもの。
漠然と撮るだけでは、メランコリックにはならないものです。

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かもめ食堂

2021-09-12 22:15:27 | 自由が丘の家


コロナのワクチン接種をして、ウワサ通りにちょっと調子を崩した時に、なんとなく映画を観たくなって、ひさしぶりに「かもめ食堂」を観ました。
かなり以前に一度観たきりで、断片的な映像は鮮明に覚えていたのだけれど、ストーリーはあまり覚えていなくて、どんなだったかなあと。

学生のときに、一番好きな映画は、と聞かれれば、即座にアンドレイ・タルコフスキーの作品と答えていたと思います。
暗喩に満ちた映像は観ているだけで引き込まれ、ストーリーは難解なのだけれど、これこそが表現体だと思っていました。
もちろん今でもそのような感想はあるものの、それから20年以上も経った今では、もう少し直接的でわかりやすい映画は、素直に楽しいなと思うようになりました(笑)

ひさしぶりに観た「かもめ食堂」は、ココロにすぅっと入ってきました。
シンメトリカルな画面構成に映し出される料理や事物。自然の光に照らされて静かな存在感があります。
そして、BGMがほとんどないんですね。揚げたフライをさくっさくっと包丁で切る音、コーヒーをこぽこぽ淹れる音の心地よさ! 料理にまつわるあらゆる音がシンプルに表現されます。

あ~、これもヒュッゲだったんだな、と今になって思います。
そう、ぼくの設計する住宅のテーマは「ヒュッゲであること。」
窓辺に居るだけでほっこりできるような、そんな場所をつくりたいのです。

そんなことを考えるとき、あらためてお手本のように思える映画でした。




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