住宅の建てられる環境はさまざまで、風景がひろがっている環境もあれば、周りを建物で囲まれているような環境もあります。
どのような土地であっても、その環境のもつ特徴をよく観察して引き出していきたいものだと思います。
富士市に建つ「大きな出窓の家」は、敷地の目の前に農業用水が流れるのどかな環境でした。
初めて敷地を訪れたときは、用水路に柵は無く、古びた木のベンチがぽんと置かれていました。
整備されすぎないそんな環境をそのまま残したく、その雰囲気にすんなりとつながる土間スペースをつくりました。
そんなナチュラルな雰囲気に寄り添うように、ドアは木製で作りました。
天井も木で、素朴な小屋の趣に。
施主の愛蔵するペンダント照明を吊り下げて。
大きな余白のような土間スペースは、家のなかのようでありながら、屋外のようでもあり、地域の環境を心地よく感じ取ることができます。