平和の使者

2021-08-31 22:32:09 | 杉並 百日紅のある家


杉並で進行中の現場。ここは古い家の建て替えで、主要な庭木を残し、それらの庭木に寄り添うようにプランニングをして設計した家です。
道路に面した前庭には立派な百日紅があります。百日紅は花の期間が長く楽しめますね。
工事中のブルーシートが張られた写真ではお伝えしづらいですが、室内のいたるところからこの百日紅が印象的に眺められるように設計してあります。
こうしてみると、百日紅に寄り添うような家の佇まい。思い通りの雰囲気になってきました。



と、そんなことを思っていたら、ブルーシートのなかの方からカサコソという羽音が。
ヒョイと覗いてみたら、なんとつがいの鳩が足場の上でくつろいでいました。
この家を気に入ってくれているのでしょうか。
こちらのことは気にも留めず、足場の上を行ったり来たり。

古い百日紅に見守られるようにして、つがいの鳩が遊ぶ光景。
そんな平和な趣に、しばし見入りました。

コロナ禍や自然災害、海外に目を向ければ混迷を極める社会情勢。
悲しい事件も多く、気持ちが重くなります。

ぼくのできることとして、少しずつでも癒しの場所をつくっていこう。


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唐招提寺

2021-08-25 22:43:54 | 旅行記


所用で奈良に赴いたついでに、西ノ京へ。お目当ては唐招提寺。これまでに何度も訪れた寺院です。
写真家 土門拳のエッセイのなかで、唐招提寺の撮影話が登場します。土門拳は被写体に肉薄した画風が特徴的ですが、ここ唐招提寺の撮影に幾度も訪れるうち、仏像や建築の記録的な写真から離れ、その場にある雰囲気を捉えたくなったようです。

「全体がかもす雰囲気、鑑真という高僧が具現しようとした戒律の霊場としての、やや異国的だが唐風の大らかな雰囲気を三枚か四枚の写真のなかにどう伝えるかに苦労した。そして選んだものは、たそがれ近い午後の光だった。」

ちょうどそんな時間帯に居合わせることができた幸運に感謝しつつ、土門が感じたであろう雰囲気を追認しようと、ぼくも粘ったのでした。
土門のような写真は撮れるべくもないけれど、たそがれの薄日のなかで、この赤味を帯びた列柱が、たんなる柱の連なりではなく、懐深くあらゆる者の思いを迎え入れるために千二百年の歳月を刻みつづけてものであることは、やはり直感されるものです。
建築や空間が、たんに機能を果たすだけでなくて、何らかの表現を伝えようとして造られたのならば、その「本懐」が表わされる時間帯や光の諧調というのが、やはりあるのかもしれません。
さてさて、ぼくの拙作はどうか・・・。


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キッチンのカウンター

2021-08-16 23:01:58 | 練馬 梅園の家


食べ盛りの子どもがいる家庭のキッチンは、ハードに使えて、楽しく過ごせるようにしたいもの。
「梅園の家」のキッチンはハイサイドライトからの明かりに照らされて、家の中心にあります。
キッチンでの作業は大忙しだから、常にきれいに片付けるのはタイヘンです。
そこで、雑然とした手元を隠すちょっとした壁パネルが立ち上がっています。
壁パネルの裏側にはオーブントースターやパスタの筒、ケトル、その他いろいろ・・・隠れています(笑)
そしてコーナー部分には丸っこいカウンターを造りつけました。
大きくはないけれど、マグカップや小皿を置いたりするのに重宝します。
上からはペンダント照明で照らされて、さながらカフェの雰囲気。
ちょっとした遊び心が加わると、暮らしの場は楽しくなりますね。
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夏の陰影

2021-08-12 21:36:41 | 大屋根の家


最近の夏の日差しはとてつもない強さで、視界のなかで物の輪郭が白くぼやけてしまうほど。
体温を超えるような暑さのときは、室内を涼しくして過ごしていることに幸せを感じます(笑)

写真は「大屋根の家」。竣工後まもない頃はちょうど真夏で、暑い日にお伺いしたときの写真です。
まあ特等席で冷たいものでも、と案内され、窓辺のラウンジチェアで麦茶をいただいているシーンです。

深い屋根庇に守られた大きな窓ガラスの前にレース状のロールスクリーンを下ろし、強い光は紗がかかり柔らかく感じられます。
スクリーンの向こうで、日差しに照らされる庭木が、遠くの出来事のよう。
室内は高い勾配天井になっていて、陰影のなかに身を置いていると眠気がやってきます・・・
仕事で行っていたはずなのですが(苦笑)

日本の気候はだんだんと厳しいものになっていっています。
住宅は、そうしたハードな環境から身を守るシェルターとしての意味合いも次第につよまっているように思います。
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弾け飛ぶ木漏れ日

2021-08-04 22:57:49 | 旅行記


イタリア中部の街アッシジで、小さなホテルに宿泊したときのこと。
石造りの街ですから緑の気配は少ないのですが、エントランスを通って中庭に出たとたんに現れた光景に息をのみました。

光が、影が、弾け飛ぶような空間。
中庭の上空にパーゴラが掛けられ、つる性の植物が覆っていて、真夏の強い日差しを受けているのでした。
イタリアの夏は雨が少なく乾いているので、緑で覆われていてもジメジメした感じはまったくせず、涼しく快適でした。

建物の外からはこんな空間があることはまったく想像できません。
内に秘められているからこそ、かけがえのない宝物のような場所に思えるのかもしれませんね。
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