最近は、庭を楽しめる家を、というテーマで設計のご依頼をいただくことが増えてきました。
風光明媚なロケーションの敷地もあるけれど、多くは街なかの比較的ちいさな敷地。そのなかにほっと息をつけるような場所をつくりたい、という想いとともに家づくりが進んでいきます。
ぼくのアトリエ兼住居は、古くから残る庭に寄り添うように建てたから、一日を通して庭の様子を楽しめるはず・・。
でも、複数の仕事を同時に進めながら忙しく過ごしていると、日中にゆっくり庭でコーヒータイム、なんて余裕がなくなるのも実情です。
仕事がいくつかあれば、そのぶんトラブルや問題も生じますし、う~ん どうしようかな、とあれこれ考えて解決して、ちょっと疲れて庭に出るのは、夕方になってから。
今はまだ夕方といっても明るいけれど、一日が終わりに近づいて、太陽も徐々に低くなり華やかさがなくなってきた時間帯の庭というのは、独特の趣きがあるように思います。
緑は最後に光を受けてより鮮やかに輝き、一方で地面のあたりには闇が宿りはじめて。不思議な深淵さがあるように感じます。あ、もちろん蚊も元気いっぱいですが・・・。
設計案のデザインスケッチでは、木漏れ日あふれる日中のイメージを描いたりするのですが、実は、絵には表現できないこんな夕方の時間に、庭の癒しが現れるようにも思います。
京都の寺とかに行っても、閉門時間の午後4時ぐらいになって、庭に離れがたい風情が現れたりしますよね。