設計図にあらわれないもの

2023-11-22 22:58:13 | 住宅の仕事


建物の設計というのは、つまるところ材料と寸法を決めることにあります。
それが設計図面に記載され、物事の輪郭線として描き表されます。

でも、空間に魅力や彩りを与えるのは、むしろカタチのないもの、輪郭線として描き表されないもの、というふうにも思います。
たとえば、色が剥げて古色を帯びた木のドアの風合い。
たとえば、ロールスクリーンに映り込む木漏れ日のゆらめき。

実体としての姿カタチがないもののなかに、空間の魅力の本質が詰まっている。
建築を設計するというのは、そうしたカタチ無きものに目を向けることなのかなと思っています。

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夕方の家

2023-11-12 21:29:44 | インナーテラスのある家


暑い夏のつぎにストンと秋が来たと思ったら、こんどは急に冬のような寒さに。
午後4時もまわると薄暗くなり、日もだんだんと短くなってきました。

日が翳り、家のなかのランプを灯す。

そうすると家の中にいるのがなんだか安心感があって、そんな雰囲気がとても好きです。
写真は先月に訪問した世田谷区の家。庭に面してコーナーウィンドウのあるダイニングがあって、そこにはお気に入りの家具やランプが置いてあります。
日中、美しく見えていた庭の緑は徐々に暗がりのなかに沈んでいき、室内にある木の質感が、ランプの灯りに照らされてぐっと引き立ちます。

ペンダントライトやスタンドライトは、そんな「ランプを灯す」風情があって、素敵ですね。

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