窓辺で一服。

2017-06-26 11:50:51 | 大屋根の家


関東も梅雨にはいり、じめじめとした暑い日も増えてきました。
そんな暑い休日に家で過ごすときに、冷たい麦茶でも飲みながら、ゆっくりと本でも読めるような窓辺のコーナーがあるとちょっと愉しいものです。

「大屋根の家」はその名のごとく、大きな屋根がゆったりかかる家で、その軒下は深く日差しを除けてくれます。
窓はとても大きいのですが、アルミサッシを使いながらも、窓枠のデザインを凝らして、木製の窓のような佇まいにしました。
格子部分は網戸になっていて風通しができます。

窓辺でゆっくり過ごすためには、隣地からの目線除けや明るさ調整のために、窓辺のしつらえが必要です。
ここではダブルタイプのロールスクリーンを設置し、天井のボックス内に格納されています。

レース状のロールスクリーンは茶がかった色で、これを通して外を見ると、風景が程よく紗がかかって見えます。
室内にも、ちょうどよい陰影が宿り、気分が落ち着きます。

強い日差しを受けて、樹影が壁にくっきり映り込んでいるのを、ぼぉっと眺める。
それだけで、家のなかにいるのがなんだか幸せに思えてきます(笑)



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障子のある室内

2017-06-21 17:59:16 | 久が原の家


窓に障子が建て込まれた室内は、それこそ昔から星の数ほどあるのだけれども、床や壁の仕上げ材料が何でできているのか、障子の桟の割り付けがどのようにデザインされているかで、同じ四角い部屋でもずいぶんと印象がかわるものです。

すべてが完成し、引き渡し前の、生活が始まる前の一瞬の姿。
住宅は生活してからがなんぼ、とはいうものの、何も入らない「がらんどう」のこの瞬間に、いわば緊張感のある美しさが宿っていたりすると、建築家としてはちょっと内心ほくそ笑んでしまいます。
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旅行記 ポルトの市電

2017-06-13 17:31:48 | 旅行記


もう十数年も前に、ポルトガルの第2の都市ポルトで出会ったかわいい市電。
ドウロ川沿いにトコトコ走ります。

とっぷりと塗り重ねられたペンキ。
飴色になり、傷だらけの木の内装。
摩耗して鈍く光る金属。

ものが時間を経ていく様がそのまま表れているのを見ると、それだけで心にしっくりと馴染みます。



ポルトガルでは当たり前にみられるそんな光景が、日本では稀有なものになってしまいました。
かといって、ポルトガルでも旧市街と新市街ははっきりと分けられ、それはまるで別の光景です。
新市街はといえば、やはり古色然としたものは敬遠される感じのように思います。

この古びた光景は、いつまで残ってくれるでしょうか。
車窓に映り込むレトロな型ガラスの質感が、街並みの質感とも調和していきます。






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キッチンの小窓

2017-06-07 22:04:36 | 桜坂の家


「桜坂の家」のキッチン。油はねにも無敵(?)の黒タイルの壁に、小さな小窓がひとつ。
まわりの壁が黒いから、額縁のようになって緑が映えます。
たったこれだけのことで、ほっと息が抜けますね。
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