ねこ庭の独り言

ちいさな猫庭で、風にそよぐ雑草の繰り言

元号問題 - 2

2017-06-25 17:06:57 | 徒然の記

 本日は、のっけから、上地氏の著作の引用で始めます。

 「元号は、天皇の全国統一支配を表すという説もあるが、ただそれだけはでなく、」「暦を定め、年に元号を付して、」「国民に時を報じる、重要な意義を持っていた。」「平安中期以降は、天皇親政がなくなり、」「政治的支配の事実もないが、元号は、国民的統合の象徴として、」「朝廷による改元が行われたきた。」

 「元号は、中国の模倣という説もあるが、起源は中国であったとしても、」「日本独自の制度となって、1300年も経てば、」「もはや日本の古い伝統といってよい文化であろう。」

 私は氏の叙述を読み、元号の背景を納得しましたが、元号廃止を唱える左翼系の人間は、こうした説明にうなづくはずがありません。しかし、中国を崇拝する反日の彼らは、現在この国で、元号がどうなっているかを知っているのでしょうか。( 浅学な私は知る由もなく、氏の説明で初めて実情を理解しましたが・・・。)

 「大正元年に起こった辛亥革命で、宣統帝がほろぼされ、」「4000年に及んだ専制君主制に、終止符が打たれた。」「元号も、宣統四年を最後として廃止された。」「革命直後、国民党政府による中華民国が始まり、」「民国元年という、紀年法が採用された。」「しかしこの方式は、現在台湾だけでしか使用されておらず、」「共産党政権の支配する中国では、もっぱら西暦年号が使用されている。」

 赤い中国で元号が消滅している一方で、日本では1300年も続いているのですから、これはすでに模倣というより、日本独自の文化と言える気がいたします。

 朝廷の統治が、武家に取って代わられた室町中期以降でも、改元が行われてきた事実を知れば、天皇の支配を表すといって反対する、左翼系の学者や政治家の言動にも、疑問符がついてきます。国民が無知であるのを良いことに、こうした人々は色々な理屈をひねり出します。

 「元号など使っていては、国際社会で笑い者になる。」とか「取り残される。」とか、大騒ぎします。これについては、氏が世界各国の実情を詳しく語っていますので、左翼学者や政治家のバカぶりを証明するため、面倒ですが、抜粋します。

 1. 西暦だけを使用する国 

   アメリカ、フランス、ドイツ、イタリア、中国やソ連などの共産圏国

 2. 回教歴と西暦を併用する国

   エジプト、アラブ首長国連邦、アルジェリア、イラク等、中東8カ国

 3. 仏暦と西暦を併用する国

   スリランカ、ラオス

 4. ユダヤ歴と西暦を併用する国

   イスラエル

  煩雑なので省略しますが、このほかに建国年、独立年、王の即位年などを紀年法とする国などが沢山あります。イギリスでは、「エリザベス二世統治28年」という統治歴と、西暦を併用していますし、アメリカでは、独立宣言から数えた「建国204年」という建国年を、西暦と併用しています。元号と西暦を併用している日本の、どこが国際社会で笑い者になると言うのでしょう。

 このような嘘を平気でつく学者や政治家たちの方が、よほど国際社会での笑い者ではないでしょうか。

 昭和21年の閣議で、政府が法案の国会提出を決定し、GHQのケーディス大佐に反対されて断念しました。昭和25年に、再び元号問題が国会で提起されて以来、昭和54年に法律が成立するまで、どれだけの総理大臣が関連したことでしょう。本には述べられていませんが、参考のため調べてみました。

 吉田茂、片山哲、芦田均、鳩山一郎、石橋湛山、岸信介、池田勇人、佐藤栄作、田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正芳と、この間に12名の総理大臣が代わりました。費やした歳月は、33年です。

 何のために、このようなことをするかと言いますと、今後の「憲法改正」を考えるためです。元号法は、国会決議以来33年を要し、12名の総理がかかわっています。元号法がこの有様ですから、まだ国会決議すらされていない「憲法改正」が、どれだけ困難な課題であるかが分かります。安倍氏の代で出来るなど、私には考えられなくなりました。

 元号法が成立するまで、総理大臣の中には、反対する総理や、乗り気でない総理もいましたので、「憲法改正」では尚更のことでしょう。国論を二分する難題ですから、あと100年くらいかかると覚悟する方が、妥当かもしれません。党内にはびこる獅子身中の虫と、反日・亡国の野党を相手に、妥協を重ねるしかない安倍総理にばかり期待せず、最初から、100年かかると覚悟する方が賢明だという気がしてきました。

 さて、最後に、上地氏が記録してくれた、元号法に反対した人間たちの名前を、順不同に転記します。これこそが、昨日の続きをブログにした私の目的です。以前ブログでひとまとめにした、「変節した学者たち」に登場した人物の名前が、出てきます。彼らが敗戦後の日本で、どれだけ獅子身中の虫として活躍したか、害虫としての役割を果たしてきたか、シッカリとその名前を記録しておきたいと思います。

 安倍能成(学習院大学長)   古垣鉄朗(NHK会長)   亀山直人(日本学術会議会長)

 宮沢俊義(東大教授)      山本有三(参議院議員)  田中耕太郎(最高裁判所長官)

 下平正一(社会党議員)     野田哲(社会党議員)   渡部一郎(公明党副書記長)

 家永三郎(東京教育大教授)   高橋幸八郎(日本学術会議副会長)

 和歌森太郎(都留文化大学長)  桑原武雄(京大名誉教授)  井上清(京大教授)

 尾藤政英(東大教授)      鈴木武樹(明大教授)

 まだありますが、面倒になってきましたので省略します。次は、当時のマスコミが、どのような反応をしたのか。氏の説明から引用します、

 「昭和51年の1月1日、朝日新聞の年数表示が、なんの前触れもなく変更された。」「それまでは、元号が主で、西暦が従の表示、」「つまり、昭和50年(1975年)12月31日が、西暦上位の、1975年(昭和50年)12月31日に切り替えられたのである。」「ほかの、毎日、サンケイ、読売などの全国紙は、元号上位の方式だった。」

 氏の説明を読みますと、かってクオリティーペーパーと呼ばれ、今は再生トイレットペーパー用の紙、と成り果てた朝日が、すでに当時から反日・売国の筆頭ゴミ新聞だったことが分かります。

  ここまできますと、昨日の続きを書いた目的のほとんどを達成しました。残るのは、我が息子と孫には勿論のこと、ブログを訪問して下さる方に、何としても伝えたい一つの事実だけです。本書の92ページの叙述を、割愛せずに転記いたします。

 「国会における元号論議は、昭和25年の参議院文部委員会のあと、」「約10年間中断したが、その後34年、41年、」「43年、50年と、細切れの形で、政府と与野党間の質疑応答が繰り返された。」「この国会論議の中で注目されるのは、昭和43年以来、」「一貫して元号論議を展開してきた、民社党の受田新吉議員(山口)の存在である。」

 「氏は、元号存続の立場から、消極的な政府の対応を追求し、およそ20年間にわたって、元号の法制化を目差してきた。」

 つまり、元号の法制化に貢献したのは、自民党の議員でなく、健全野党の民社党の代議士だったということです。名前が似ていますので、社民党と間違えて欲しくないから、くどくても説明しておきます。

 社民党は、消滅してしまった社会党の成れの果てで、吉田党首さえ落選するような反日の政党です。在日の噂がつきまとい、日本憎悪の過激派支援で有名な、福島瑞穂氏の在籍するクズ野党です。

 民社党は、左に偏りすぎた社会党から、西尾末広氏を党首として独立した政党で、春日一幸という名物党首もいましたが、現在どうなってしまったのか、私は知りません。しかし、著者からここまで説明されますと、己の無知を恥じいってしまいます。先人の苦労を教えられた今、元号がおろそかにできなくなった私です。西暦でも元号でも、どっちでも構わないと、そんなことは二度と口にしません。

 やはり最後には、いつものように、著者への感謝です。本日は、筆者の上地龍典氏だけでなく、民社党の受田新吉議員に対しても、心からの感謝を捧げます。

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8 コメント

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想像超える 多様な年号事情 (HAKASE(jnkt32))
2017-06-26 14:05:21
お疲れ様です。当然の様に、拙者は、貴方より天皇や皇統、
元号の歴史に長じておりませんので、その範囲で言及させて頂く事と致します。

まず、拙方にも発見がありました。戦前までは、元号規定が皇室典範中で定められていた事。
これを押えていなかった事は迂闊でした。想えばこの事が、
戦後の元号法制化の原点だったと言う事でしょうか。

その実現が、1979=昭和54年。ホント、年月がかかり過ぎている印象が付き纏います。
テロ等準備罪処罰法にしても、最初の上程から成立まで十数年を要している様ですし、
同時成立の、刑法性犯罪処罰規定に見直しに至っては、
実に一世紀を超える始末。こんなあり様は、世界でも我国だけでしょう。

憲法改正は、拙者も確実に取り組んで頂きたいテーマですが、
今の調子だと、本当に「国家百年の大計」て事になりかねません。
それだけ、岸政権など一部を除き、歴代政権が、
改正論議からさえ逃げていた証左でもあると思いますが。
それと、最低でも発議を目指す安倍政権にも、無理で粗雑な議論や審査とならぬ様、お願いしたい所です。

一番学べた所は、やはり世界の年号事情が想像を超えて多様だと言う事でしょう。
特に、中東の平和の根幹にも関わる、回教歴とユダヤ歴の問題。
前者は実施国も多く、世界的には広く知られているにも関わらず、
我国ではきちんと報道されているのを見た事がありません。

つまり「西暦オンリーが世界の大勢で、我国も合せれば良い」位に捉えている、
左派容共の不良勢力と、そのシンパたる不良メディアによる、印象操作としか思えません。
こんな事では、世界の事共を正しく理解したとは言えませんよね。
年号の事は、回教歴がイスラム圏の主流だとの話をチラ聞きした事がありますが、
今回貴記事でそれが裏付けられた形です。これは感謝の一言です。

「学生時代の初心に返った様な反省」の下り。羨ましい事です。
拙者はまだ、貴学習レベルに達していないから、その様な所感が自覚できないのかも知れません。
事実なら、恥かしい事です。貴方の様な「反省」が加えられるレベルをめざし、
これからの見聞を心がけたいしも思う所です。
お互い様です。 (onecat01)
2017-06-26 16:37:32
HAKASEさん。

 改めて、知ることの大切さを確認し、浅学を肝に命じました。これからも知識を得て、まともな選挙の一票を入れたいものと、念じております。

 真実を求めるのだと、そう言う人が沢山います。しかし真実は、その人がどの位値に立つかにより変動します。右派の真実は左派には虚言となり、左派の真実は、右派にとっては大嘘の屁理屈となります。

 だから私は、真実を求めず、事実だけを求めます。事実には右も左もありません。その事実が正しいか、間違っているかを判断するのは、自分だけです。
大口を叩いているように見えましても、私は、日々「惑いつつ、ためらいつつ。」ブログに向かっております。

 貴方の真摯さには、敬意を表したくなるものがあります。これからも、どうかよろしくおつき合いください。
および腰と啓蒙べた (憂国の士)
2017-06-26 19:22:56
元号や皇室問題はあなた方に譲るとして、私がこの頃感じることを述べておきます。

一日中、新聞、テレビ、ラジオと反安倍マスコミがお花畑の住民を品を代え口調を変えて政権叩きです、
うまいことやりやがってと呆れるやら感心するやら、とにかく扇動が巧妙で捏造もここまでやると芸術かと ?

何故、政権側は受身に終始するのか、前川など守秘義務違反などどうにでもなるのに手を打てない弱腰、
レン呆、ガソリ-ヌでもそうだが放置するから言いたい放題言われてお花畑は洗脳される。

政府に危機管理能力に長けた人間が居ないのだろうが、これでは安倍総理は持つはずもない。
アメリカや世界に気兼ねするのなら知らぬ間に売国奴たちに母屋をとられることになる。

もう少し、もっと強腰で反攻に転じないと、東京都議選から始まって国政に悪影響を及ぼす、
上手なアナウンス、捏造の輩には強権姿勢で、国民には納得できる説明をすることです。

驕る平家は久しからずや! シナ、チョウセン、売国奴達の高笑い、祝杯が夜空に響く、いいんかい ?
まだ広い面積です。日本のお花畑 (onecat01)
2017-06-26 20:06:10
憂国の士殿。

 まどろっこしさに、癇癪を起こされている憂国殿。利敵行為をする者たちを、引っ括れば良いと、私もその怒りを共有しますが、立ち止まって眺める自分もいます。

 反日の人間が住んでいるお花畑は、私たちが考えている以上に、今の日本では、広い面積を占めています。政府が強権発動すれば、火に油を注ぐようなことになるのではないでしょうか。

 森友問題にしても、加計問題にしても、政治家がかかえるスキャンダルとしては小さなものです。本音ではそう思う人間が多数でも、建前の正義で追求されると、お花畑には無数の反権力、反政府、反自民、反安倍派がいますから、マスコミと一緒になって、もっと騒ぎを大きくするでしょう。
 彼らは中・韓だけでなく、米国やフランス、カナダ、ドイツなどいろいろな国と連携し、反日の宣伝をするはずです。外圧に弱いのは、私たち日本人ですから、きっと政府が妥協することになります。

 何よりも、自民党内にいる反日と、自民党内にあるお花畑が、外部と手をつなごうとしておりますから、それが問題です。安倍氏が強権発動したら、総理の座を狙う彼らが、外部の反安倍勢力を利用するはずです。

 今回は、テロ法のみならず、いろいろな法律が成立していますから、反日の者たちは、時間をかけて整理していくほうが良いのだと、私は思います。即座に、力ずくで対処せず、少しずつ追い詰めていけば良いような気がしております。

 売国奴たちの高笑いと、祝杯は、響かないのではないかと、私はそんな予想をしております。

保革が存在したころ (長屋の爺)
2017-06-26 22:56:11

こんばんは

その当時は革新政党が「改憲」を叫び、保守政党がこれを撥ねつける、正常?な構造がありました

私の父も労働組合に参加し、全労(同盟)に傾注していましたので、今の私の主義・思想も父親譲りかもしれません

社民党は自民党より「右」で日米安保支持でしたが、確か新進党に変わって消滅した記憶が有ります

今の政界に革新も保守もリベラルの「区別」、「節操」などは、とんと見当たりませんが・・・・。
節操 (onecat01)
2017-06-26 23:26:34
長屋殿

 お久しぶりです。
そうですか、革新政党が「改憲」を叫んでおりましたか。そんな時代があったのですね。社民党は、自民党より右ですか。いろいろ勉強になります。

 江戸末期からの本を読んでいますが、昔の人は、節操のある人や、ない人が、混在して活動しています。今日の基準で語れないのでしょうが、金についても、無造作です。

 武士階級の人間が多かったから、間違っていたら腹を切ると、そんな覚悟で、清濁併せ呑んでいたのでしょうか。いずれにしましても、敗戦後の日本人は、覚悟を失いましたね。右も左も口先だけ。

 かく言う私も、その一人でしょう。
社民党? (ベッラ)
2017-06-27 14:43:35
民社党の書き間違いではないでしょうか。
間違いやすい名前です (onecat01)
2017-06-27 16:27:36
ベッラさん。

 おっしゃる通りでした。コメント欄の党名は、正しくは、民社党ですね。
ご指摘を有難うございます。

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