シンガポールは徴兵制で、総兵力が約5万5千人、他に即応性のある予備役がいて、緊急時の最大動員数は25万人になるそうです。単純計算すると、人口の一割が兵士になります。
国防予算はGDPの6%、国家予算の34%にも達していますが、シンガポールの高い経済力がこれを可能にしています。日本との比較で考えますと、信じられない数字です。
「最新式兵器を、必要なだけ購入するというわけにいかないが、」「東南アジア諸国内では、装備は極めて新式である。」
軍の構成を比較しますと、フィリピンやベトナムに比べても、装備的に遜色のないことが分かります。
シンガポール軍 陸軍 4万5千人 海軍 5千人 空軍 6千人
マレーシア軍 陸軍 10万5千人 海軍 1万5千人 空軍 1万2千人
フィリピン軍 陸軍 7万2千人 海軍 2万3千人 空軍 1万5千人
ベトナム軍 陸軍 110万人 海軍 3万6千人 空軍 2万人
シンガポールは、マレーシア同様多民族国家で比較すると下記のようになります。
・シンガポール・・ 人口の7割華人系、 2割弱マレー系、 1割弱インド系
・マレーシア ・・ 人口の6割マレー系、 3割華人系、 1割インド系
公共メディア (テレビ・新聞等) は3系統あり、共生しながらもそれぞれが異なる共同体を形成しているそうで、こういうところはマレーシアに似ています。シンガポールは、賃金の安い外国人労働者を積極的に受け入れ、政府の発表では、2030年に外国籍人が、人口の過半数を占めると予測しているそうです。
劣悪な環境で外国人労働者を酷使したため、インド人労働者の暴動が発生したと言いますから、理想の国とばかりは言えないようです。しかし国防意識という点では、見習うものがありそうなので、江畑氏の説明を紹介します。
「国軍の力だけで国を守りきれないのは明らかなので、シンガポールの防衛戦略は、」「〈 毒を持った海老 〉をもって、外敵への抑止力とするというものである。」
冷戦終結後に追加した防衛戦略で、米軍の力を引き入れるということでした。具体的には、米国の海軍と空軍に基地使用の便を与えるという軍事協力です。
「これに拍車をかけたのが、フィリピンからの米軍撤退である。」「シンガポールは、第7艦隊の補給支援機能を、」「同国へ移すことに同意し、200名の要員と共に移動してきた。」
「米国の軍需産業との間で、修理技術支援協定を結び、」「補助艦艇の修理だけでなく、戦闘艦艇の修理もできるようにし、米軍のパートナーとなる計画である。」
なんでもないような話に聞こえますが、米国には有り難い軍事協力になっています。
「シンガポールの修理機能は、米海軍のインド洋における作戦能力を、」「大きく高めるものとなろう。」「さらにここを前進基地、補給基地とすれば、米海軍の艦艇は、」「インド洋上に最大6週間に達する、長期展開が可能となる。」「香港やグァム、あるいは日本まで、わざわざ戻らなくて済むからである。」
どこまでも抜け目のないシンガポールです。日本もそうなっているのかどうか、報道されないので分かりませんが、次の説明にも注目しました。
「新型装備も国産化に努力を注ぎ、CIS社は、今や兵器メーカーとして、」「世界のトップテンにランクされるようにまでなっている。」
「シンガポールの国防力増大に対する努力には、注目に値するものがある。」
シンガポールにもマレーシアにも、共通する現実主義があります。両国はいずれも、広く諸外国との軍事協力を行うことで、国家安全保障を強化する方針を取っています。氏の説明の中から、武器調達の国名だけを拾い出しますと、下記の通りです。
アメリカ、イギリス、フランス、カナダ、ドイツ、オーストラリア、
ニュージランド、アルゼンチン、インド、イスラエル
華人系、マレー系、インド系と、国際社会では仲の良い民族とは思えないのに、国としてはまとまって動いています。マレーシアのように、各共同体にスルタンがいるとも説明されていませんので、ここにも何か工夫がありそうです。
民族が異なっていても、一つの共同体としてまとまっている国・・どんな秘密があるのでしょう。日本と比較すると、羨ましくなります。2月23日の千葉日報を見ますと、共同通信社の配信記事がありました。14面全部を使った、アイヌの特集記事です。
「自然と共存 アイヌの誇り」「文化で差別 跳ね返す」「多彩な舞踊で、歴史伝える」
このような見出しで、アイヌ人秋辺日出男氏の意見が紹介されています。
「アイヌであることを理由に、中学生までいじめを受けた。」
「アイヌの文化や土地が、明治政府の同化政策で奪われ、」「祖先が貧困を余儀なくされてきた歴史も知った。」「自らの経験に歴史を重ねると、憤りが増した。」「差別を通してしか、アイヌを語れなくなっていた。」
日本が過去の歴史を見直し、国として一つにまとまろうとしている時に、相変わらず共同通信社は、このような記事を全国の地方紙に配信し、日本の中に対立を生じさせようとしています。シンガポールやマレーシアでこのような報道をしていたら、国内がバラバラになり、そのうち崩壊するのではないでしょうか。
差別を強調し、憎しみを煽るような記事を、なぜ日本のマスコミは発信するのでしょう。日本のためでなく、どこか他の国の利益のため記事を書いているのでしょうか。比較して江畑氏の著作を読むと、日本のおかしな現実が同時に見えてきます。
今回でシンガポールを終わり、次はインドネシアです。
シンガポール軍の内情についての記事は、大いに参考になります。
だいぶ以前の事ですが、シンガポール軍に入隊した青年たちの表情や意見が
テレビで、放映されてるのを見たことがあります。
皆、兵役に応召したことに誇りを持ち、爽やかな顔つきでした。
それが、独立国家と言うものでしょう。
シンガポールの華人系の古い世代の人たちには、
反日的な世論もあったらしいですが、いまのシンガポールは、おおむね親日的です。
何年か前に、シンガポールの前大統領が逝去されたとき、
当時の安倍総理大臣が、まつまきに葬儀に駆けつけ、現地の人の感銘を呼んだそうてす。
江畑氏の著書は、「アジアを知って、日本を知る」という本です。
戦後日本の異常さが見えてきます。
「素晴らしい平和憲法」「世界に誇るべき平和憲法」と、共産党が言うだけでなく、自民党の中にも本気で信じている議員がいますから、そんなふうに思う国民がたくさんいても、不思議はありません。
40年前、朝日新聞の定期購読者だった頃は、私もそう思っていました。韓国による慰安婦問題の攻撃と、朝日新聞の記事で、どれだけ苦しい思いをしただろうと、思い出します。
平和と人道を掲げる朝日が、国民を欺く捏造記事を書いていたという発見が、私の再出発でした。
今江畑氏の著作を読み、軍事という面から、アジア諸国との比較で、日本を考えさせられています。氏が激しい言葉で批判したりせず、静かに事実を語りますので、いっそう心に響きます。
良い時期に、良い本に巡り会えたと、この偶然に感謝しています。現在150ページですから、ちょうど半分のところです。
コメントに感謝いたします。
『まっまき』は
誤打字ですので、
『まっさき』に訂正します、、、、失礼しました。
●ところで、共同通信からの配信で、2月の千葉日報の、
アイヌの人?の発言記事の引用を読みましたが、相当あきれてしまいました。
読売新聞や、その他の保守系の思想団体の機関誌にも、最近はアイヌ文化の紹介やアイヌのかたの体験談などが、
掲載されることがありますが、これほど反政府的なアイヌ発言が出てくることはありません。
アイヌ民族団体は、大正時代からありましたが、
反日的な過激な意見が出てきたのは,最近の一部の傾向でしょう。
おそらく、何らかの扇動者がいることが予想されますので、その点につきましては警戒を要します。
◎もちろん、アイヌ人は、私たち日本民族の同胞です。
アイヌの民族舞踊や信仰、叙事詩などの伝統文化は尊重すべきだと思います。
『ウポポイ』も、良いでしょう。
★私たち日本は、
ウイグル、チベット、モンゴルなどの少数民族を抹殺しようとする支那政府のような政策は
決してしてはならないと思います。
ただ、アイヌの人たちも、節度のある良識的な態度を取っていただきたい。
日本国民を分断するような事は、なさるべきではありません。
◎私は、アイヌの青年詩人、違星瀧次郎(いぼし・たきじろう)(ペンネ-ムは、『違星北斗』)の
短歌・俳句・随筆集を読んだ事があります。
違星氏は、昭和時代初期に若くして他界されていますが、
アイヌ人としての矜持とともに、日本帝國の國民である事の誇りをもっておられたかたです。
これが、『アイヌの、心』というべきでしょう。
なお違星北斗氏の作風は、宮澤賢治氏の作風に、通じるところがあります。
《 アイヌ政策を進める議員の会 》という会があり、悪名高い「アイヌ新法」を成立させました。
14名の議員のうち、自民党が7名、公明党が3名です。共産党や立憲民主など、反日野党はたった4名しかいません。
マスコミがアイヌの記事で反日を煽っても、こういう自民党の議員がいるのですから、なんの対応もしません。元総理の菅氏も、当時は官房長官として推進役の中心にいました。
「自民党は本当に、保守政党なのだろうか」と、疑問を投げかけていますが、果たしてどうなっているのやら。
野党を批判する前に、国の守りを忘れ、日本人の魂を失っている議員がいるのでは、ザルで水を汲むようなものですね。
これではアイヌの人々の中から、勝手気ままを言う人間が出るはずです。
代 表 吉川貴盛 (自民党・衆院・北海道2区)
幹事長 堀井学 前アイヌ政策推進会議座長代理(自民党・衆院・北海道9区)
事務局長 鈴木貴子 (自民党・衆院比例・北海道ブロック)
メンバー 菅義偉 アイヌ政策推進会議座長 自民党
中村裕之 アイヌ政策推進会議座長代理(自民・衆院・北海道4区)
今津寛 前代表(自民・衆院・北海道6区)
橘慶一郎 前アイヌ政策推進会議座長代理(自民・衆院・富山県3区)
佐藤英道 (公明・衆院比例・北海道ブロック)
横山信一 (公明・参院比例)
竹谷としこ(公明・参院比例・東京ブロック)
徳永エリ (国民民主・参院・北海道ブロック)
荒井聡 (立憲民主・衆院・北海道3区)
紙智子 (共産・参院比例)
鈴木宗男 (日本維新の会 参院・比例)
前回の貴記事も拝読。ロシアの生じたウクライナ侵略
に際し、欧米が先に同国を NATOに引き込もうと動いて
いた辺りと、所謂核共有の問題につき、貴方と理解を
共有したく思います。
シンガポールは 国の領域は小さくも、観光、商業
両面での立国としての力量は 決して小さくないと
心得ます。
周辺諸国との関係も、相応に緊張を伴う様で、国防
費対 GDP 6%、徴兵制や予備役制を敷いている辺り
からも、国防への取り組み意識の高さが窺えます。
アイヌ族の事共は、拙者 余り深い理解がないのと
、貴連載が途上もあり 深いコメントは控えようと思います。貴連載もまだ途上ですので。まずは お礼から。
ウクライナ問題だけでなく、アイヌ問題も、私たちには判断できる十分な知識と、データがありません。
疑問を感じつつ、これからは自分なりに調べ、考えてみる必要があるようです。ウクライナについては、今朝のNHKニュースで、記者が次のように述べていました。
「ウクライナ軍は、激しく抵抗していると言われているが、本当に戦っているのか。」
「ウクライナ軍が戦っている映像が、一切流れてこない。」「もしウクライナ軍が戦っているのなら、ロシア軍の車列があれだけ続いて動いているのに、しかも、何日か動けなくなっていると言うのに、攻撃をしていない。」
私はこの記者の報道と、同じ疑問を抱いています。本当にウクライナ軍は存在しているのか。NATO諸国とアメリカは、ウクライナ軍に何か支援をしているのか。ロシアの侵略をなすがままにさせているのは、なぜなのか。
私たちの知らないこと、知らされていないことがたくさんあるような気がしてなりません。
アイヌ問題も同じだと思います。《アイヌ政策を進める議員の会》の国会議員には、なぜ自民党の議員が圧倒的多数を占めているのか。アイヌ自治区を認めるような法律をなぜ平気で作ったのか。
深い理解がないのでコメントを控える貴方の姿勢を、是とします。知らないことを批評せず、謙虚に生きたいものですね。
ただし疑問点は疑問点として、述べたいと思います。どうかこれからも、ご指導・ご鞭撻をよろしくお願いします。