だらだら日記goo編

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変な新聞社

2007-10-10 21:56:04 | アート・文化

家に帰ると佐川急便からの不在票がはいっていた。

「モーストリー・クラシック」様からだという。

この雑誌には上野の森美術館で開催されるシャガールの展覧会チケットを申し込んだことしか覚えがないので、チケットがきたのだろう。

しかしメール便でならともかく、わざわざ宅急便で送るとは発行元の産経新聞はよほど変わった新聞社といわねばなるまい。

さて今日は藝大美術館の「岡倉天心」の展覧会へ。

500円というからどの程度の規模かと思ったが、地下二階と三階の四スペース全部使ってお得感がある。

ワタリウムでも岡倉天心をやったが、あちらが思想家としての側面をクローズアップしたものならこちらは教育者としての側面を強調したものだ。

しかしシカゴ万博に出品されたという竹内久一「伎芸天」の巨大さにはたまげた。

二メートルを超すという。

平櫛田中の作品がいろいろあるのもよい。

「先生ビールを召し上がっていい気持になられー」とか書いている。

田中の岡倉天心像は藝大美術館の構内にある。

会場の外でまるでこの展覧会を自身見守っているような岡倉天心の姿に心打たれた。

フィラデルフィアも始まり、ムンクも始まり、芸術の秋だ。


リンク追加

2007-10-08 23:56:04 | ブログ

めるがっぱさんの「あなたと夜と音楽と」をリンクします。

めるがっぱさんはずっと須田国太郎に夢中で学究的と言える姿勢で須田を追いかけています。

これは一見の価値ありです。

めるがっぱさんが須田を片付けたら、次はどの画家に向かうかも興味あります。

また古典にも大変造詣深くいらっしゃいます。


意味と無意味のはざまで

2007-10-07 22:11:45 | アート・文化

現代美術はこれからどういう方向に向かっていくのだろう。

一方ではコンピュータを駆使したテクノロジーアートがあるだろう、しかしそれだけではさびしい。

たとえば出品作の「現代のウォーホル」、ラシャペルという人の「ハンバーガーによる死」のように巨大ハンバーガーによって人が圧死されるという荒唐無稽なしかし笑いをもたらすアートであってほしい。

八王子市夢美術館の「ポップ・アート」の展覧会はリキテンシュタインから始まってウォーホル、そして現代作家ときわめてわかりやすくて楽しい展覧会だ。

リキテンシュタインは周知のようにマンガの印刷の手法を取り入れた。

赤、黄、青、黒そのほかの色は網点であらわした。

しかし彼も1970以降になると美術史に興味を示し、展示作品モネの「積みわら」やマティス、セザンヌなどを引用した。

次の世代がバスキアやヘリングの時代だ。

バスキアはニューヨークの街角で落書きをしていたら画商に見出され、数年後には一流アーティストに、ヘリングも地下鉄の落書きだ、アレシンスキーの影響があるという。

ローゼンクイストは学生時代のアルバイト看板描きで身につけた手法を用いる。

アメリカにはまだ夢があった。

その時代も去ると混沌がうまれる。

たとえばムニーズという人だ。セザンヌとかゴッホを思わせる写真、マリリンモンロー、しかしそれらはダイヤモンドとか紙とか、土壌の集合体だ!

撮影した後は壊す、一回だけの営み。

サーレという人も面白い、半分は具象絵画、もう半分は抽象絵画からなる絵を描く。

そして展示最後はウィリーという人だ。

この人は美術史上の有名な肖像画ーティツィアーノとかーをTシャツ、ジーンズ、スニーカーの若い黒人に置き換えるという大胆な作業をする。

どれもこれも観ていて楽しくなる作品ばかり、カタログが軽いのもよろしい。

ロビーではDVD「ヘンリー・ゲルツァーラー、ポップ・アートに愛された男」も上映されていて楽しい時間を過ごした。


山形の誇りは世界の誇り

2007-10-05 22:17:51 | アート・文化

こう言っては悪いが山形美術館にこれほどの名画が所蔵されているとは思わなかった。

吉野石膏株式会社のコレクションが寄託されたものだという。

その質の高さは国立新美術館の「大回顧展モネ」に三点もここから出品された事実が示している。

そのコレクションが日本橋三越に来ている、何とも嬉しい。

展示は印象派とエコール・ド・パリが中心だ。ビュッフェまできている。

まずはクールベ「ジョーの肖像、美しいアイルランド女性」のなまめかしさにひかれる。

クールベは女性の局部だけを描いた「世界の起源」も描いたというが観てみたいものだ。

モネ、ルノワールはたくさん出る、「睡蓮」連作から1906年のものもあるが、モネは何といっても「サン=ジェルマンの森の中で」がいい。

森の奥深くに魂まで吸い込まれていく感じがする。

ルノワールは何といっても「シュザンヌ・アダンの肖像」のさびしげな表情が素敵だ。

ちょうどアングル風の輪郭線を強調して印象主義から脱却を図ったころのものだ。

ルオーは長いこと見ているが「現代のレンブラント」といわれるほど人物描写が得意だったそうだ。

「バラの髪飾りの女」が出品されている。

ヴラマンクも良いのが出ている。この人の出発点は1901ゴッホの展覧会に衝撃を受けたことにあるというが、その後セザンヌ回顧展の衝撃で「セザンヌ時代」に入る。

あれこれ観て最後はシャガールの豪華絢爛たる世界!

シャガールは「自画像の画家」といわれるそうだ、自画像をたくさん描いているほか絵の片隅に自画像を描きこんだりする。

それから最後にミロの「シウラナ村」というまだ二十代半ばのきわめて貴重な作品が展示されていることも特筆に値する。

本当に素晴らしい展覧会だった。


この違和感はー

2007-10-02 00:06:18 | アート・文化

ずっと前から気になっていた。

物品売場に掲げられた警告の文句だ。

それが博物館とはあまりにも似つかわしくなかったものでー。

「万引きを発見したら警察に通報します」そんな意味の文句が掲げられていたのだ。

場所は国立科学博物館、もう終わったが「インカ・マヤ・アステカ」の展覧会でだ。

万引きが多いのかどうかは知らない、万引きが窃盗罪という犯罪であることも理解している。

しかしそこは博物館の中だ。

コンビニやスーパー、本屋だったらわかる。

だれでも入れて中には万引き目的に入る人もいるだろう。

しかし博物館は1,000何百円という入館料を払って展示を観るために来る場所だ。

物品売場は展示が終わったところにある。

まさか千何百円かけて物品売場に万引き目的で一目散に走るやからがいるとも思えない。

そう、博物館は大事なお客さんをあろうことか窃盗犯と勘違いしているのではないか。

あの「万引きを発見したらー」の表示は明らかにおかしい。

しかし一方、東京都現代美術館のようにミュージアムショップに誰でも入れるところにはそのような表示がない。

美術館や博物館における万引きの実態とはどんなものなのだろうか。