展覧会を観て薬をもらいに医者に行く途中、ハンバーガーショップに立ち寄ったら店員さんが「フェルメールいってらしたんですね、どうでした」ときいてきた。
とりあえず「たいして混んでなかったですよ」と答えておいたが、やはり普段は美術に関心のない人も魅了するものがあるのだろうーたった34点しかないフェルメールの作品、そのうち「牛乳を注ぐ女」が日本に来ているのだ!
国立新美術館、「「牛乳を注ぐ女とオランダ風俗画展」に足を運ぶ、東京新聞からもらったチケットは有効期限があるのでさっさと行かなくてはいけない。
なぜ「風俗画」なのかというと17Cのオランダでは市民階級が台頭したからなのだ。
例えば、ヤン・ステーン、「ステーンのような家」と今でも言うそうだ、陽気で朗らかな家族。
オランダ風俗画を序章にさていよいよ「牛乳を注ぐ女」と対面。
フェルメールは黄金に匹敵するラピスラズリの石を使った。
そして簡素な構図の中に光がきらきらと反射していた。
僕はこんな絵を観たことはないーずっと前から考えている「時が美となる」瞬間とはこういうことをさすのではないか。
そんなことを考えつつ次のセクションフェルメールと音楽。
フェルメールの作品の三分の一には楽器が登場しているという、その紹介。
それから版画とか素描とか。
レンブラントも出ている、レンブラントが女性のヌードを版画で彫ったとは初めて知った。
展示はまだ続き19Cのリアリズムの風俗画まででてくる。
ぼくも名前は知っているハーグ派の画家、ヨーゼフ・イスラエルスなんかが17C風俗画に目を向けたようだ、ヨーゼフは貧しい暮らしを理想的に美化し、その子供イサークはオランダの印象派を先導したという。
国立新美術館の広い会場でこれでもかこれでもかと素敵な絵画に出会えて大満足、それにしても魚の登場する絵が多かったな。