だらだら日記goo編

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意味と無意味のはざまで

2007-10-07 22:11:45 | アート・文化

現代美術はこれからどういう方向に向かっていくのだろう。

一方ではコンピュータを駆使したテクノロジーアートがあるだろう、しかしそれだけではさびしい。

たとえば出品作の「現代のウォーホル」、ラシャペルという人の「ハンバーガーによる死」のように巨大ハンバーガーによって人が圧死されるという荒唐無稽なしかし笑いをもたらすアートであってほしい。

八王子市夢美術館の「ポップ・アート」の展覧会はリキテンシュタインから始まってウォーホル、そして現代作家ときわめてわかりやすくて楽しい展覧会だ。

リキテンシュタインは周知のようにマンガの印刷の手法を取り入れた。

赤、黄、青、黒そのほかの色は網点であらわした。

しかし彼も1970以降になると美術史に興味を示し、展示作品モネの「積みわら」やマティス、セザンヌなどを引用した。

次の世代がバスキアやヘリングの時代だ。

バスキアはニューヨークの街角で落書きをしていたら画商に見出され、数年後には一流アーティストに、ヘリングも地下鉄の落書きだ、アレシンスキーの影響があるという。

ローゼンクイストは学生時代のアルバイト看板描きで身につけた手法を用いる。

アメリカにはまだ夢があった。

その時代も去ると混沌がうまれる。

たとえばムニーズという人だ。セザンヌとかゴッホを思わせる写真、マリリンモンロー、しかしそれらはダイヤモンドとか紙とか、土壌の集合体だ!

撮影した後は壊す、一回だけの営み。

サーレという人も面白い、半分は具象絵画、もう半分は抽象絵画からなる絵を描く。

そして展示最後はウィリーという人だ。

この人は美術史上の有名な肖像画ーティツィアーノとかーをTシャツ、ジーンズ、スニーカーの若い黒人に置き換えるという大胆な作業をする。

どれもこれも観ていて楽しくなる作品ばかり、カタログが軽いのもよろしい。

ロビーではDVD「ヘンリー・ゲルツァーラー、ポップ・アートに愛された男」も上映されていて楽しい時間を過ごした。