だらだら日記goo編

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名画展を超えて

2006-07-14 21:36:30 | アート・文化

どうにも展示内容が面白くなかった。

狩野派から始まって、風俗画、浮世絵、江戸琳派ーただの名画の展覧会である、展示内容にも工夫がなく、お目当ての若冲もモザイク画は面白いが出品数は少ない。

ということで常設展示をゆっくり観ようとさっさと会場を廻っていたら、アッと驚く工夫は最後にあった!

東京国立博物館は「若冲と江戸絵画」の展覧会に夜間開館を利用していく。

はじめのほうを熱心に見学して最後のほうは疲れた人や、閉館時間まじかになって急がなければならないお客さんには残酷な展示である。

その展示方法とはガラスケースを取り除いてしかも照明のあて方を変える事によって、おそらく江戸時代の人が自然光の中で観たであろうように作品を展示させることだった、このコレクターのプライス氏の要望という。

江戸時代にガラスケースはなかった、当たり前の事実だ、しかし作品保存その他の理由で僕らはガラスケースの中の一定角度の照明という展示方法を当たり前としすぎてしまったきらいはある。

実際光線が当たったり照明角度が変わると金箔は鮮やかに輝き、幽霊は不気味さを増し、雪景色にねずみはいとも幻想的な色合いを帯びる!

僕は時間が残っていたので最後の第四室のこの幻想的な展示を充分楽しむことができた!

というわけでこれから行かれる方は充分時間を残して最後の展示室に入られることをお薦めしたい。

プライス氏といい、東京都美術館に来たバーク氏といい、外国には熱心な日本美術の愛好家が多いことかーカタログによればプライス氏のコレクションの中核は「江戸絵画におけるモダニティ」ということだ。


ロシアの秘宝

2006-07-12 22:38:15 | アート・文化

なぜロシアのエルミタージュ美術館にエミールガレの作品があるのか不思議だった。

要は露仏同盟というものがあり、フランスからロシアに献上されたということだった。

展示は1878.1889のパリ万博のガラス作品から始まる。

ヴェネツィアのもの、イスラム趣味を取り入れたもの、中国にヒントを得たものと世界各地の工芸品に刺激を受けた万博がまざまざとよみがえる!

Bunkamura、ミュージアムの「エミールガレとドーム兄弟」の展覧会だ。

さて次はガレだが「ロレーヌの黄金の書」を乗せるためのテーブルには息をのむ!

これもまたロシア皇帝に贈られたもので「ロレーヌの黄金の書」とはロレーヌの著名なアーティストの紹介の分厚い本でそれをさまざまな花が彩られたテーブルに乗せる趣向だ。

ロレーヌはもともとフランスとドイツの国境に位置していてドイツとの戦争が多かったという、ロシアに助けを求めたのだろう。

花器「トケイソウ」も素晴らしい、トケイソウは十字架のキリストの苦しみをあらわすという。

ガレの作品は「物言うガラス」とも言う、作品にボードレールとかメーテルリンクの詩の一節が書かれていて極めて象徴性を帯びているのだ。

またガレはこうした高級品ばかり作ったわけではない、いわゆる量産品も多く創った。

さて、ドーム兄弟に目を転ずるとガレと通じるものがありつつガレにはない明快さがある、風景を描いた花器など実に良い。

ガレとドームははじめは敵対視していたがナンシー派では行動をともにしたという。

「ガレとドーム兄弟」と展覧会は銘打っているのに展示カタログではドーム兄弟についての解説文がないのは不親切ではある。

最後はラリックで締めくくられる、「バッカスの巫女」など惚れ惚れする美しさだ。

全体的に展示内容の水準が極めて高くこんなものがロシアに眠っていたのかと驚いた。

来年六本木に開館する国立新美術館のチラシをもらう、ポンピドーセンター所蔵の「異邦人たちのパリ」がオープニング展覧会とか、どんな水準になるか期待したい。


展覧会を効率よく

2006-07-08 22:00:13 | アート・文化

介護実習も終盤になり、歯医者も入れ歯が入った。

さて展覧会めぐりもどんどん元通りにしたい。

今日は江戸東京博物館「発掘された日本列島」の展覧会へ。

常設展示室内でやるので「ぐるっとパス」で無料だ、企画展示室を使わないのは要は展示数が少ないからだろう。

「第二企画展示室」と名前をつけているがなかなか江戸東京はいい展示をやる。

「エノケン・ロッパの時代」は展示数も膨大でビデオもやっていたし、この次の第二企画展示は「美空ひばりと昭和のあゆみ」という。

さてさて明日は損保ジャパン「ポップアート」の展覧会へ行こう。

チラシには何も書いていないが、ホームページを見ると明日は観覧料無料だ。

「ぐるっとパス」を使っても二百円割引にしかならないのでこれは大きい。

オペラシティの「光の魔術師 インゴ・マウラー」の展覧会もはじまった。

これは「ぐるっとパス」で千円が無料になる、近々いこう。

しかし僕の場合展覧会が無料になってもカタログを買うので支出も大きい。

今日も「河鍋暁斎と江戸東京」という平成六年に江戸東京でやったカタログを購入した。

しかもどういうわけか今日キヨスクで「週刊朝日」と「サンデー毎日」最新号が出ていたのでそれも購入して荷物になることおびただしい。

どうもなかなか効率よくとはいかないようでー。


展覧会ピックアップ

2006-07-02 22:22:38 | アート・文化

歯医者に実習にと忙しく、展覧会にもあまりいけていないが、最近観た展覧会で印象深かったのをピックアップするとー。

「からくり人形師 玉屋庄兵衛の世界展」、日本橋高島屋。

これは文句なしに面白かった。座敷からくりもあるが、山車からくりがすばらしい。

山車はもともと一本の釘も使用しない耐震性にすぐれたものという。

京都の祇園祭の蟷螂のからくりは伝統が途絶えていたのを七代目が実際に蟷螂を観察して復元したとか各地のからくり人形の祭りの様子をビデオで堪能、日本のものづくりの原点はここにありという感じ、日本橋では会期終了全国巡回する模様。

「ルーヴル美術館展」、東京藝大美術館。

Juneさんからチケットをいただいた、込んでいないので音声ガイドでゆっくり鑑賞。

古代ギリシアの叡智を堪能できる展覧会だ。展示冒頭はトゥキュディデス、デモクリトス、アレクサンドロス。

パルテノン神殿の本尊、アテナ・パルテノスに息を呑む。

コピー像は世界に七十点もあるとか。

哲学者ソクラテス、プラトン、アリストテレスの胸像が並べられているのも豪華だ。

アフロディテについても一章さかれていて、通称ミロのヴィーナスと展覧会出品アルルのヴィーナスを3D映像で比較していたりもする、Juneさんに感謝!

大倉集古館「随身庭騎絵巻と男の美術」は企画意図と内容に落差があるし、目黒区美術館の山名文夫と熊田ナントカの往復書簡ははがきの文字が小さすぎて、展示室においてある資料をよく読まないと何が書いてあり誰のどういう作品が出品されているのかわからない、不親切きわまる。

さて今週末から又大きな美術展もいろいろ始まる、ぜひ期待したい。