だらだら日記goo編

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アウグスト強王の夢

2005-12-13 22:56:19 | アート・文化
会場に入るなり「猿のオーケストラ」がお出迎え。
どれも精緻だ、指揮者もいればヴァイオリン奏者、トランペット奏者もいる。
ドイツはアウグスト強王、彼が東洋趣味に走り、中国や日本の陶磁器を集め、マイセンに1710年、磁器製作所を構えたことは西洋美術館のドレスデンの展覧会で僕らは知っている。
今回庭園美術館でそのマイセン磁器の展覧会が開かれているので行ってみる、素晴らしいの一言!
初期のマイセンは中国や日本は肥前の模倣だ、いわゆるシノワズリー様式で、扇を持った中国人があしらわれたりする。
コーヒーポットにボタンや菊の花をあしらうのはどうもなじめない。
しかしマイセンは独自の進化をとげる、特にヨーロッパ源流であるギリシア神話をモチーフにしたりする。
「四大元素の寓意」とか「四季の寓意」とか神話の神であらわしたりする。
19Cになるとイギリスがマイセンの過去の様式を受け入れ、マイセンは輸出用にいろいろな磁器を作る。
展示68の「仕立て屋」のめがねをかけた憎憎しい姿はどうか!
あるいは展示70「羊飼いの休息」、葉を茂らせた木々の緑といったらどうか!
もうすっかりマイセンのとりこになってしまった。
イギリスといえばシェイクスピア、シェイクスピアの彫像もつくられる。
なんと手には「ハムレット」の一節、「オテロ」の一節まで書かれているのだ、そのこだわり、細部までの描写といったらない。
大きな作品もつくられる。
シャンデリアもある。1720ごろからつくられていたという。
日本の仏壇を思わせるような黒壇キャビネットに陶板パネルをいっぱいつけたものとか、器面全体に小花をいっぱい貼り付けたパンチボウルとか、そのこりようはすさまじい。
最後はロシアのバレエ踊り子のベルリン上演の登場人物を彫像にした作品で締めくくられる、展覧会パンフレットにのっているやつだ。
アウグスト強王の夢、それは時代を超えてこちらに伝わってくる、出色の展覧会だ。
カタログも実によくできている、カタログといえば庭園美術館過去のカタログの割引セールが新年にある、もう一度行こう。
美を観る喜び、ここにきわまれりという感じだ。


4 コメント

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okiさん、こんばんは。 (June)
2005-12-18 03:31:10
okiさん、こんばんは。
okiさんお薦めの「華麗なるマイセン磁器展」を観てきましたよ♪
「猿のオーケストラ」は古楽の楽器だったので私も興味深く眺めてしまいました。ひとつひとつが実に凝った作りでしたね。シノワズリー~ロココ~現代まで、マイセン磁器の魅力を再確認できました。
ドレスデンで観た時に彫刻的だと感じたのも、やはり彫刻家が原型を作っていたことに起因していることがわかり、なるほどでした。その原型があるからこそ時代を超えて再生や革新ができるのでしょうね。

ところで、以前、映画「マイセン幻影」を観たことがあります。okiさんと同じようにマイセンに魅了された主人公です(笑)。ご覧になったことはありますか?
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Juneさんこんにちは。 (oki)
2005-12-18 12:36:31
Juneさんこんにちは。
早速御覧になられたのですね、庭園美術館にふさわしい展覧会でしたね。
映画は名前すら知らないんですよ、あとで調べてみますね、DVDとか出ているのかしら。
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oki様 (アイレ)
2006-01-23 23:23:25
oki様
はじめまして。アイレと申します。いづつやさんのブログから飛んできました。会期終了間際に庭園美術館に行ってきましたのでTBさせていただきました。
昨年の「ドレスデン国立美術館展」で見たアウグスト強王の景徳鎮、伊万里への憧れがこのように素晴らしい作品を生み出していき、世界に冠たる磁器生産地になったのことは驚きです。
また彫像の花や女性たちの繊細な造形にも感嘆した次第です。
また美術展の記事でTBさせていただくと思いますが、よろしくお願いします。
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アイレさんはじめましてようこそ! (oki)
2006-01-24 12:47:56
アイレさんはじめましてようこそ!
庭園美術館の展覧会思い出してもう一回行こうと思ったらもう終わってるんですね、残念無念。
昨日そちらのサイトに書き込みましたが少年隊のファンでいらっしゃるとか、僕はおニャン子です。
ちょっとずれてますかね、今後もよろしくお願いします。
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