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「当館の命運をかけた展覧会」?

2005-07-13 22:57:08 | インポート
1400円の入館料が無料になる展覧会が二つある。
一つは国立西洋美術館のドレスデン展、Juneさんからチケットをいただいた、もう一つは目黒区美術館「アートオブスター・ウォーズ」の展覧会、友の会会員で無料になる。
どちらに行こうか悩み、今日は目黒区美術館へ行く。
何でも東京国際フォーラムと「第一会場」「第二会場」となっており、両方見ると2500円もかかる。
映画にまったく興味のない僕はそれでも「アート・オブ」とついているのだから、スター・ウォーズシリーズの源流や、「アエラ」にルーカス監督が語っていた「ベトナム戦争末期の影」「神話を積極的に映画に取り入れた」そんな要素も出ているのだろうと思ったからだ、だがその予想はまったくはずれた。
会場に行くと、特設の入場券売り場ができてはいるが、こんなに高い展覧会、行く人はそんなにいないので手持ち無沙汰の模様、会場に入るとスタッフもやたらいるが鑑賞の妨げにはなっても、積極的に何かしてくれるということもない。
で、展示は映画について予備知識がないとほとんどわからない。解説もまったくなく、○○の衣装とかそんなものばかり展示される。
目玉の展示というのがアナキン=ダーズベイダーの生まれた手術台であり、アナキンの担架であり、といったそんなものなのだ。
そこには思想性のかけらも感じられない。
映画も立派な芸術である。
かつて近代美術館では手塚治虫の回顧展を催したことがあるときく。
展示は知らないが、カタログを見る限り、手塚の思想を良く捕らえた、大人にも鑑賞に堪える展覧会のようだ。
映画や漫画の「アート」を論ずるとはそういうことであろう。
しかし目黒区美術館のこの展覧会にはそういう視点はまったくない。
ただ映画がはやっているので、それに便乗しようとしたとしか言いようがない。
「映画で使用されなかったポスター」の展示、こういうものはあっても良い。
しかしなぜ「使用されなかった」のか分析に欠けるから、展示の空虚さだけが響く。
映画のコアなファンには楽しめるかもしれない、しかし目黒区美術館がこれを「当館の命運をかけた展覧会」と評するのはいかがか。
普段は地味な展示をやる美術館にとって所詮は人寄せパンダにすぎないのか。