だらだら日記goo編

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小宇宙から大宇宙へ

2005-07-08 23:33:09 | アート・文化
行く前に何の期待もしていなかったのにいってみて驚いたということがある、その逆もまたあるが。
だから美術館めぐりはやめられない、思わぬ拾い物をする。
今日夜間開館を利用して行った「江里佐代子、きりかねの世界」の展覧会など何の期待もなかった。
そもそもこの人を何も知らないし、泉屋博古館など展示室が狭いのでものめずらしさに「ぐるっトパス」で無料になるのでいってみただけだ。
展示室を入ると小さな鞠がたくさんー見事な小宇宙だと感心する、しかし本当はこんなことで感心している場合ではなかった。
もともときりかねは仏像の装飾とのことで仏師と結婚したこの人が仏像に装いをつけるのは当たり前だ、ということで彫刻が夫、長男、義父、三代にわたる彫刻、弥勒とか大黒天とかも展示される。
第二展示室へうつるといささか様相が変わってくる、この人独特の世界が展開される。
屏風作品○△□というのがある、題名もへんてこだがどうも江里はこの表現で万物をあらわしたかったらしい。
第一展示室に「万象」という作品があるが、それが○△□なのだ。
第二展示室は鏡を用いた作品が多く展示されている、鞠が鏡面に映し出されるのだ。
「風の音色、大地の音色、水の音色」など心象風景を歌った作品も散見される。
しかし圧巻は「遊万象、The Universe at Play」だ、これには参った。
うまく表現できないが、大きな円の中に九つのパートがあり、おのおのが存在を主張している。曼荼羅みたいだ。
大宇宙の遊戯だ、こんなことまでこの人は創造したのだ、すばらしい。
そう思って眺め返せば「美意延年、Eternal Beauty」なる作品もある、この人の関心のありかはおのずとわかる。
ともかく六本木に行ってこの人の作品を観てほしい、主催の朝日新聞はもっとこの展覧会を宣伝しても良い。
展示室は二つの小さな美術館だが作品そのものが小さいので物足りない印象はない。
全国巡回しているようで東京のあとは佐川美術館で開催されます。
ともかく今日は参った、打ちのめされた、その言葉しかない。