眼からうろこが落ちる思いだ。
今までは女性の裸体ばかり描くへんてこな画家と思っていたーこの間亡くなった加山又造さんのことだ。
その版画すべてを集めた展覧会が日本橋高島屋で開かれているのでいってみた、午後六時半に入場したので四百円ですむ。
つくづく感じたのは加山が実に研究熱心だということだ。
版画のほとんどの技法をマスターしているのではないか、木版画、リトグラフ、メゾチントは勿論、ドライポイントだのビュランという非常に鋭い線を用いるのだの、絵に効果を与えることに苦心している。
裸婦の絵を描くのも尋常ではない、たとえば福井のMO紙という銀ののりがいい紙を使って妖艶さを与えることに成功している。
この人は現代に浮世絵をよみがえらせようとしたのだという。
そうであれば、裸婦の絵を多く描いたこともよくわかる。
勿論加山は裸婦の絵ばかり描いたのではない。
「玉虫」というメゾチント技法の作品は浜口陽三にも並ぶレベルだ。
「赫」というリトグラフ作品はまことに鮮やかだ。
しかしこの人は上野の烏にも愛着を持っていたようで、1990-2002の藝大カレンダーシリーズにはカラスを良く描いている、まことに面白い。
雁皮刷りなる薄い和紙を使ったすりにもチャレンジしている。
そういう加山の全版画が一堂に会するこの展覧会は観るものをまったくあきさせない。
思わぬ収穫をした展覧会だ。
加山の作品は多摩美大に寄贈され、これから研究が進んでいくだろう。
最後に加山の作品には「E.A」と「処」というサインが認められるがナニを意味しているのだろう。
今までは女性の裸体ばかり描くへんてこな画家と思っていたーこの間亡くなった加山又造さんのことだ。
その版画すべてを集めた展覧会が日本橋高島屋で開かれているのでいってみた、午後六時半に入場したので四百円ですむ。
つくづく感じたのは加山が実に研究熱心だということだ。
版画のほとんどの技法をマスターしているのではないか、木版画、リトグラフ、メゾチントは勿論、ドライポイントだのビュランという非常に鋭い線を用いるのだの、絵に効果を与えることに苦心している。
裸婦の絵を描くのも尋常ではない、たとえば福井のMO紙という銀ののりがいい紙を使って妖艶さを与えることに成功している。
この人は現代に浮世絵をよみがえらせようとしたのだという。
そうであれば、裸婦の絵を多く描いたこともよくわかる。
勿論加山は裸婦の絵ばかり描いたのではない。
「玉虫」というメゾチント技法の作品は浜口陽三にも並ぶレベルだ。
「赫」というリトグラフ作品はまことに鮮やかだ。
しかしこの人は上野の烏にも愛着を持っていたようで、1990-2002の藝大カレンダーシリーズにはカラスを良く描いている、まことに面白い。
雁皮刷りなる薄い和紙を使ったすりにもチャレンジしている。
そういう加山の全版画が一堂に会するこの展覧会は観るものをまったくあきさせない。
思わぬ収穫をした展覧会だ。
加山の作品は多摩美大に寄贈され、これから研究が進んでいくだろう。
最後に加山の作品には「E.A」と「処」というサインが認められるがナニを意味しているのだろう。