回りの仲間に聞くと、この店主は結構あっちこっち出歩き、店先にはあまりいないとのこと。
あまり商売っ気のない主人だ、と同業者がいうほど、商売はそっちのけらしい。
それにしても、ケヤキを選び始めてから、かれこれ15分は経つが、現れない店主に、大会役員が気を使ってくれて、携帯で呼び出してくれた。
そのうち来た店主は、結構若く、盆栽の達人といった感じではなかった。
ただし、講師は、ケヤキの育て方、また、陳列棚に飾ってある他の素材を見て、なかなかの職人だと見ているようで、店主に、どこの販売系列か聞いていた。
講師は、前にも書いたように、公認盆栽インストラクター。
http://blog.goo.ne.jp/oishi21/d/20070930
また、今回29回目となる東海名品盆栽展にも、過去20回連続して出展し、功労賞をいただいているようだ。したがって、大抵の盆栽関係の販売網は知っている。
ところが、この店主は、聞けば、今回の販売品は、自分が片手間に育てたものだそうで、本来は、盆栽鉢、飾り棚、盆石などを扱うのが本業とのこと。しかも国風展に出すようなものを卸しているとのことである。
国風展といえば、盆栽展でも国内最高の展覧会。2月のはじめに東京上野で行われ、私たち教室も、昨年見に行ったものである。(ただし、わたしは都合が悪く、参加できなかったが。)
そんな、大きなことを言う店主であったが、ケヤキの仕上げ方を見れば、言うだけのことはあると感じた。
ということでようやくケヤキを買うことになったが、講師が私に気遣ってくれたのか、待たせ賃分を引いてくれと店主に交渉してくれた。
店主は、これは、勉強品で結構安くしている、とのことであったが、結局500円まけ、9000円で買うことができた。
これで、マイ盆栽の作品が1点増えた。
ケヤキはなかなか盆栽作品にするには手間がいるようだ。
公園などで見るケヤキは、枝が天にスーッと伸びほうき形をしている。
ケヤキは本来栄養と水が行き届いていれば、このような形になる。またそれがケヤキ盆栽の理想の形。
盆栽は小さいながらもいかにその形で、大木のように見せるかであるが、一方、盆栽は素材が成長しようとするのを悪い条件を与え、成長を抑制しながら育てるというもの。
伸びたがる根を定期的に切り詰め小さな鉢に植え替える。このような不自然な環境では、ケヤキの枝は、横へ横へと、広がろうとするのだそうだ。
ケヤキの盆栽の難しいところは、この広がろうとする枝を、いかに公園の成木のように縦に育てるかというところのようだ。
写真は、方向の悪い枝を木綿糸、針金で自分で矯正した。ただし、この寒い時期、針金は禁物。ケヤキの枝にとって冷たく苦痛かもしれない。でも静岡の暖かさに我慢してくれるかと思いかけてみた。様子を見ながら、外していかなければ・・・。
いずれにしても、これから講師に教えていただきながら、ケヤキを悪戦苦闘をしながら育てることとなる。
まあこれも、盆栽趣味の楽しさでもある。
盆栽教室No33おわり。