写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

サザンカ梅雨

2018年12月06日 | 季節・自然・植物

 12月に入った途端、ぐずついた天気が続くようになった。今朝も朝からどんよりとした空から、小粒の冷たい雨が降っている。秋から冬にかけて移動性高気圧が北に偏り、前線が本州南海上に停滞して梅雨時のような天候になることがある。このようなぐずついた天候を「サザンカ梅雨」ということを知った。

 ところでサザンカとは、しかと眺めたことはないがよく耳にする言葉である。まずは子供の頃に歌った「たき火」という歌がある。

 ♪  さざんか さざんか さいたみち たき火だ たき火だ おちばたき
  「あたろうか」「あたろうよ」 しもやけ おててが もうかゆい ♪

 馴染み深かった「サザンカ」であるが、どんな花かと問われても直ぐには答えられない。「ツバキと同じ花?」などと、とんちんかんなことを言ってしまいそうである。しかし、ツバキとサザンカは、素人には見分けることが難しい花である。 

 それもそうだろう。ツバキもサザンカもツバキ科ツバキ属の樹木で、とてもそっくりな姿だと書いてある。見分け方は葉の形や、花びらの厚みなどいろいろあるようだ花がツバキの開花時期は12月~4月に対して、サザンカの開花時期は10月~12月と開花時期が違う。

 それと、ツバキは花が散る時に花首から落ちるが、サザンカの花が散る時は、花びらが落ちるという。しかしこの判別方法では、花が咲いているときに花の種類を知ることができず散っている花を見て「あぁ、これはサザンカだったのだ」などと分かる。

 まずは開花時期で初冬に咲き始めるのは「サザンカ」だと思えばほぼ正しいようである。そんなことを学習した後、毎年この季節、我が家の庭の隅に咲いている白い花を「サザンカ」だと思っていたが、散っている花を見ると花首から落ちている。早速今日からは「ツバキ」と呼ぶことにした。

 奥さんにこの博識を伝えると「そんなことはとっくの昔から知っていますよ。お父さんが知らないだけでしょ」と一蹴され、サザンカ梅雨のそぼ降る中で改めてツバキをじっと眺めてみた。