写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

雪雪雪また雪よ

2021年01月08日 | 季節・自然・植物

 昨日(7日)、いつものようにエアコンをつけているにもかかわらず、足が冷たい。厚手の靴下を履いてみたが、冷え込みが厳しく寒い。昼近くになったとき、部屋の中が薄暗くなった。木の枝が激しく揺れ始めたと思ったら、急に横殴りに吹雪のような雪が降り始めた。屋外に掲げている温度計を見に出てみると、マイナス1度を指している。

 寒いはずだ。裏山を見上げると、細かな雪で空間が遮断され、まるで横山大観の水墨画を見ているように見える。雪と言えば、新沼謙治の「津軽恋女」という歌の中で、津軽には7種類の雪があると歌っている。

 ♪ 津軽の海よ竜飛岬は吹雪に凍えるよ
     (中略)
   降りつもる雪 雪 雪また雪よ
   津軽には七つの雪が降るとか
   こな雪 つぶ雪 わた雪 ざらめ雪
   みず雪 かた雪 春待つ氷雪 ♪

 この他にどんな雪があるのかを調べてみた。降る時期、降る雪の状態、積もった状態に分けて7種類と言わず、多くの呼び方があることを知った。

 降る時期によっては、
初雪、早雪、終雪、名残雪、残雪、根雪、万年雪。降る雪の状態によっては、細雪、粉雪、灰雪、淡雪、牡丹雪、べた雪、風花、根周り雪などがある。

 明けて今朝のことである。まだ2階のベッドでぐずぐずしているとき「おとうさ~ん、雪が積もっているわよ」と下から奥さんが叫ぶ声が聞こえてくる。やおら起き上がってカーテンを開けて外を見た。

 2cmくらいの積雪ではあるが、一面が雪景色。まさにすべてを覆う銀世界である。急いで着替えるや、カメラを持って外に出た。風のない中、辺りの音を吸収しているかのように雪は静かに降っている。温度計を見るとマイナス4度を示していた。

 降っている雪は水分の少ない「粉雪」であった。午後の気温も氷点下だという。まだ雪が降り積りそうである。久しぶりに子供の頃に体験した厳しい寒さを、部屋の中で熱燗でもやりながら楽しんでみたい、飲めないくせに。