写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

大晦日・初氷

2020年12月31日 | 季節・自然・植物

 いろいろあった2020年も大晦日を迎えた。新聞を取りに出た時、玄関のアプローチに置いている睡蓮の鉢に氷が張っているのを見た。そういえば昨日はこの冬1番の寒波が襲来し、この辺りでも昼間に雪が舞った。

 そんな夜もきっと冷えたに違いない。そそくさと家に入り、厚みゲージを持ち出して氷の厚さを測ってみることにした。直径が50cmほどの鉢の真上から、げんこつを作って氷の表面を叩いてみるが割れない。少し力を入れてやってみるが、手が痛いだけでやっぱり割れない。

 納屋から大きめのドライバーと金槌を持ってきて、強い力で叩いてみるとやっと割れた。氷の破片をつまんで厚さを計ってみると7mmもある。昨冬はついぞ氷が張るようなことはなかったが、今年最後の日になって厚い初氷を見た。

 暖冬が続き、氷を見る機会はめっきり少なくなっているだけに、氷が張っているのを見ると、少し安心した気持ちになる。そういえば、今年は日本政府も遅まきながら世界に向けて「2050年カーボンニュートラル」宣言をした。

 2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにし、脱炭素社会の実現を目指し、地球温暖化にブレーキをかけるという。車も電気自動車化を図っていくことになる。ひょっとすると人間も、呼吸を減らして炭酸ガスを減らす努力を強いられるようになるのかもしれない。

 そんなことを想像しながらも、何とかして冬は冬らしく、雪が降り氷の張る気候になってほしい。いやそうしなくてはいけないと思いながら家に入り朝食をとった。朝食のメニューは先日搗いたばかりのお餅の雑煮と、おせちの数種。食べながら新聞掲載の川柳を思い出してひと笑い。
 「大晦日もう食べ始めているおせち」。我が家も同じである。