写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

柱時計

2004年12月29日 | 生活・ニュース
 ある日、公園で開催されたフリーマーケットに行った。私のお目当ては、古い柱時計であるが、品数は少なかった。

 とある店で、箱の一部が欠けた埃だらけのものに、2500円と値が付けられていた。動くことを確認し、2000円にまけてもらった。

 大事に持ち帰り、早速、壊れている外箱を修理し、ペーパーをかけてニスを塗った。機械もばらして油を差した。

 ねじを巻いてダイニングの壁にかけると、不整脈もなくカチカチと規則正しい心音を響かせる。ボーンボーンと時も打ち見事蘇ってくれた。

 おとなしく、無口でまじめなクオーツ時計と違い、週に一度はネジを巻かなければ動いてくれない。進んだり遅れたりと世話を焼かせるが、今や我が家の時の支配人にのし上がった。

 そう言えば、この家の誰かさんも、週に一度くらいネジを巻かないと、簡単には動いてくれないと言われている。その人は、この家の被支配人に成り下がってはいるが結構頑張っている。と思う。 
   (写真は、蘇った柱時計)