
15年ぶりに家の屋根と外壁の塗装をすることにした。屋根は黒色のスレート、外壁は白色の窯業系のラップサイディングである。いつもの業者に見積りをしてもらったが、思っている額より2割がた高い。「この家は入り組んだ構造をしているので、普通の家に比べて割高になります。特に足場費は1.5倍くらいかかります」と言われながらも、何とかお願いをして1割程度の値引きをしてもらい、工事が始まった。
まずは始めの2日間、たった3人で、あっという間に屋根の上までの足場の組み立てを終えた。この仕事の速さは何だろうと思って、足場の構造を観察してみた。その昔、どんな工事にしろ、足場と言えば丸太を組み合わせて針金で緊結した骨組みに、足場板を渡す構造であった。
時は移り、丸太に代わって金属の単管を用いるようになり、現在は多くの工事現場では、金属製の定型枠を組み合わせて作る「枠組足場」が多用されるようになっている。ところが一般の住宅建築では、ビル等の建設工事より複雑な形状の外壁が多く「枠組足場」は適さない為、「くさび緊結式足場」というものが主に使用されるようになっている。
この「くさび緊結式足場」とは「ピケ足場」とも呼ばれ、足場のイメージを激変させたという。1980年に開発されたもので、それまでの住宅用の丸太足場は、その安全性・作業性・耐久性など多くの問題をかかえていた。
ところがこのビケ足場は、長短の単管を単位部材として、ハンマー1本でクサビを打ち込むような格好で組み立てていくという、極めてシンプルな構造ながら安全性・作業性・耐久性にすぐれ、組み立てや解体も簡便に行え、足場作業の安全対策と施工能力の向上という二律背反の命題を、一挙に解決した優れものである。
まさにその通りで、たった2日間の内にわずか3人で、私でも安心して上っていけそうな安全性のある足場が完成した。いよいよ明日から塗装工事が開始されることになったが、梅雨の真っただ中、空をにらみながらの工事ではある。
足場完成の後、窓や戸などの目張りに時間がかかり、塗装はあったいうまでした。
この時期、好天を願っております。
完成後、見学に伺います。
最近の足場には感心してみています。
生まれ変わったようになることを期待していますが……