写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

木馬の運命

2018年06月27日 | 生活・ニュース

 先日、新幹線に乗って次男が嫁と1歳半の娘を連れて帰ってきた。7月の半ばに2人目の子供が生まれる予定で、嫁を里に連れて帰るためである。半年ぶりに孫娘と対面したが、顔を合わせた途端、私の顔を見て泣き出した。

 おもちゃなどを与え、しばらく遊んでやるとやっと笑顔を見せたりするようになった。15年前、長男に息子が生まれとき、初孫に木馬とカタカタと音の出る押し車を木工で作ってやっていたが、ほとんど使うことのないまま納戸に収めていた。

 久しぶりにそれを持ち出して孫娘の前に置くと、少し興味を示す。木馬に跨がせ揺らしてやると嬉しそうにしている。今度は代わって押し車を持たせた。歩幅は小さいが押す足は速い。少しの間、乗り降りしたが、その後は特別興味を示すことはない。色とりどりのプラスチック製のレゴで遊び始めた。

 考えてみると、木馬や押し車などの遊び道具は昔からあるものだが、最近の幼い子供の目から見ると、それほど興味が湧くものではないのかもしれない。このごろの子供の遊びといえば、電子部品を使ったデジタル玩具が主流である。木工のおもちゃなんぞは、もはや見向きもされなくなっているのであろう。

 孫娘はまだそんな高尚なデジタル玩具で遊ぶまでには至っていないが、私が苦労して作った木馬と押し車の運命は、おぼろげながら見えてきた。かくなる上は、孫ではなく、私が木馬に跨がって前後に揺さぶり、頭の中を揺さぶって脳に刺激を与えるくらいしか使い道はなさそうである。
 


1 コメント

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おめでとうございます2子 (anne)
2018-06-30 20:54:49
木馬は、今の子供には?カラフルなものに
今の子は興味を持つのかな?
でも、木が好きな子供もいますので。
楽しみが増えましたね。
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