写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

アサガオ開花時刻

2018年07月26日 | 季節・自然・植物

 6月の初めころだったろうか、ホームセンターに買い物に出かけたとき、花の苗を売っているコーナーを通りかかった。小さなポットにいろいろな種類の苗が並んでいる。

 夏休みを前にした子供の頃の気分になって、珍しい花柄のアサガオの苗を3種類買って帰った。家の南側にある花壇に植え、つるが巻き付きやすそうに格子状の支柱を組んでおいた。そのアサガオが2週間前に初めて1輪花を咲かせた。「日の丸」という品種で、花の中心に赤い丸があり、あたかも日の丸の旗のように見える。

 毎朝の日課として、ジョウロをもって水やりは欠かさなかったが、私が水やりをするときには、花はすでに萎んでいる。パッと勢いよくまん丸く咲いた姿を見たことは少ない。「アサガオって、朝顔と書くように、早朝に咲くのだな」とは思っていたが、ちょっと調べてみた。

 アサガオは、日没時間から8~10時間で咲く。日の出時刻ではなく、日没時間とその日の気温によると書いてある。夏場の日没時刻は19時ころ。それから8~10時間後と言えば、早朝の3時~5時に開花することになる。私が7時に起床して、水やりに出た時刻に、すでに萎んでいるのは、もっともなことである。

 折角咲いたアサガオが、肝心な主の訪れを待ちきれず萎れてしまったことに、本当に申し訳ない気持ちになった。ここで蘊蓄を一つ。ジョウロとは漢字で「如雨露」とかき、まさに雨や露のごとく水が出る道具だと理解していたが、どっこい語源はポルトガル語で「水の噴出」を意味する「Jorro」の転訛に由来するという。うまい具合に漢字にしたものだと感心している。