写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

天地無用

2018年04月19日 | エッセイ・本・映画・音楽・絵画

 17日に、小学6年と中学3年を対象とした今年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が、全国の国公私立の小中学校約3万校で実施された。翌日の新聞に、その問題が掲載されていたので、どんなものが出されたのか興味を持って読んでみた。

 その中で、中学3年の国語の問題で、面白いエッセイが掲載され、その読解力を試すものがあった、そのエッセイは私にとって、初めて認識する内容のものであった。

 宅配便の段ボール箱などに書かれている「天地無用」という言葉の意味を世論調査したところ、正確に理解している人の割合は55.5%で、間違って理解している人が29.2%もいたが、間違えているわけを分析したエッセイであった。

 このエッセイを読んで、恥ずかしながら、私は間違えて理解している内の1人であることを初めて知った。正解は「荷物の上下を逆にしてはいけない」ということである。ところが多くの人が「上下を気にしないでよい」と誤解していると書いている。

 「天地無用」という言葉は、もともとは運送業者の業界用語で、「天地入替無用」「天地転倒無用」のように、上下を入れ替えることを意味する語が添えられていたはずだが、四字熟語の形をとるために「入替」や「転倒」の語を落としてしまったことに由来するものと考えられる。

 「天地無用」の四字は、そのまま読めば「天地が無用」、「無用」とは、「いらない」こと、つまり「天地はいらない=上下は気にしなくていい」という意味にも読める。そのため、近年では公的機関においては「天地無用」の使用を抑制する動きが見られるようである。

 かつては郵便局で「天地無用」と記載された赤地に白字のシールを取り扱っていたが、現在は廃止されており、「この面を上に 逆さま厳禁 ↑↑ ゆうパック JP 日本郵便」と記載されたシールを採用しているという。

 このエッセイを読んで「天地無用」の正しい意味を知ったが、私の間違った意味の取り方も、あながち間違いだとも言えないような気がしてならない。だって「天下無敵」っていう言葉もあるじゃあないか。こりゃあ、関係ないか、いや失礼。