写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

庇(ひさし)補修

2018年04月03日 | 木工・細工・DIY

  今日の借家の仕事として大工仕事をやった。木造の家は、築40年も経つと、外部に露出している木造個所が、風雨に曝されっ放しのため、どうしても傷みが出てくる。

 玄関の入り口ドアの上に、横幅が190cm、奥行きが90cmある庇が掛けてある。その屋根はカラー鋼板で覆われているが、前面の両角の破風板の隙間から雨が入り込み、ベニヤ板で作ってある天井板が、一部腐食して、みすぼらしくなっていた。

 これでは新たに入居者が入ってはくれそうもない。何とか、手直しをしたいと思うが、この天井板を取り換えるには、周囲に巡らしてある破風板をばらす必要がある。それは大仕事となる。何とか、もう少し簡便な方法で修理をすることができないかと考えた挙句、妙案を思いついた。

 いま張ってある天井板の下に、新しいベニヤ板を貼ればよい。そのベニヤ板を支える方法は、軽量なアルミ製のアングル型鋼を買ってきて、ぐるりと破風板の内側に取り付ければよい。新しく取り付けるベニヤ板は、防食塗装をした屋外用のものがホームセンターで売られているのを見ていた。

 簡単な設計を済ませて必要な資材を買ってきて、脚立を使い早速工事に入った。午後の半日をかけて、何とか取り付けを終えた。庭のベンチに座って、出来ばえをじっと観察してみたが、気を付けて見ると若干のことはあるが、ただ見ると、新築した家のようにきれいに見える。全くノウ プロブレムである。

 たかが庇であるが、雨降りの日、家への出入りに傘を開いたり閉じたりと、不可欠な張り出しの屋根ではある。ところで「軒(のき)を貸して 母屋を取られる」という諺がある。「軒」と「庇」の違いって、私は正確には知らなかったが、「軒」とは、外壁から出っ張っている屋根の部分のことで、「庇」とは、窓や出入り口などの開口部に取り付けられる小さな出っ張り屋根のことだという。

 したがって「庇」は「軒」の一部と言えるが、補修して新築同然となったこの「庇」だが「庇を貸して 借家を取られる」ことのないよう気を付けたいものである。