写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

日暈(ひがさ)現象

2009年06月13日 | 季節・自然・植物
 6月8日の中国新聞に、「虹色リング 太陽の贈り物」と題して、日暈(ひがさ)現象が広島市内で観測された記事が、美しいカラー写真を添えて掲載されていた。

 暈とは、「太陽に薄い雲がかかった際にその周囲に光の輪が現れる大気光学現象のことである。太陽からの光が雲の中の氷晶の中を通り抜ける際に屈折されることで発生する」と書いてある。

 この日は日曜日。昼下がりに庭に出た。いつもは何かいいことはないかと思い下ばかり向いて歩いているが、久しぶりに背伸びして天を仰いでみた。

 その時、家の屋根に半分さえぎられてはいるが、小さな丸い虹のようなものが太陽を取り囲んでいるのを認め、珍しい光景だと思いデジカメに撮っておいた。

 翌日ブログにでも出そうと思っていたが、新聞の大きくきれいな写真に比べて見劣りするので出し渋っていた。

 しかし、岩国でも観察されていたことを記録に残しておくために、あえて半分しか写していない日暈の写真をアップする気になった。

 観た時の感想はといえば、虹に似てはいるが全体的に白っぽく、太陽が真ん中に居座っているのでただ眩しい。

 さながら仏様の頭の後ろで光る輪光に見えなくもなく、ありがたい気持ちになったのは寄る年波のせいか。「あ~りがたや…」。

 そんな純な気持ちになっているとき、東の空から福岡に向かって一直線に飛行機雲が横切って行った。瞬間、スイッチが切り替わり現実に戻された。

 何もすることのない日には、時には空を見てみるのもいいかもしれない。このように入場無料の天体ショーを見ることができるから。

 テレビニュースによると、石川県で空からおたまじゃくしが降って来たとか。空を見てもいいことばかりでもなさそうだ。今日の空は重く暗い梅雨の色である。
(写真は、6月7日の「日暈(ひがさ)現象」)