写真エッセイ&工房「木馬」

日々の身近な出来事や想いを短いエッセイにのせて、 瀬戸内の岩国から…… 
  茅野 友

ホテイアオイの水

2009年06月05日 | 季節・自然・植物
 毎年この季節になると水辺のものが欲しくなる。玄関の台の上では、昨年買った20匹のメダカがたったの1匹で冬を越し淋しげに泳いでいる。

 それを察して、先日ホームセンターで5匹・200円のヒメダカを買い足した。目下元気に泳いでいる。

 玄関脇のアプローチには大きな水がめを置き、賑やかしに焼き物の浮き玉を入れていたが、2週間前ホテイアオイを買ってきて浮かばせていた。

 昨日、そのホテイアオイに小さな薄紫の花が咲いていることに気がついた。かわいい清楚な花である。

 よく見ようと思い近づいてみて驚いた。薄紫の花もさることながら、いっぱいに張った水が、花よりも淡く透明な薄紫色をしているではないか。

 昨年はこんなことはなかった。入れている水は、何の変哲もないただの水色であった。それが今年は、こんなにきれいな色をしている。

 ネットで調べてみたが、ホテイアオイを入れた水が薄紫に染まるなんてどこにも書いてない。一体どんな現象が起きているのだろうか。

 根っこから水の中にこの成分が溶出するのだろうか。昨年は水がめの底が黒く汚れていたから着色に気がつかなかったのかもしれない。

 それにしても透明感があって化粧水のようなきれいな薄紫色をした水は、ホテイアオイの清楚な花以上に清らかな気持ちにしてくれる。

 そんな反面、繁殖力が強くあっという間に水面を覆い尽くし、漁業などにも影響を与え「青い悪魔」と呼ばれ恐れられているという。見かけによらないところは人間と同じか。
 
 ホテイアオイを浮かべているお宅の水、今何色をしていますか? ホテイアオイを浮かべた水の色が、アオイロではなく薄紫色であったことを発見したお話。皆さんはとっくにご存じのことでしょうか?
(写真は、薄紫に染まった「ホテイアオイの水」;薄紫に見えますか?)