まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1344  北海道アカエゾマツ/トドマツ林にマツタケ発生! Host植物は? 国行政は、まつたけ産業育成に予算を付けよ!

2018年09月03日 |  マツタケの林地栽培 

台風21号は、香川山BCの物置の屋根を吹っ飛ばした20号とほぼ同じコースで尚且つ強大で近畿にやってくる予定です.十分な対策を取りたいものです.

 第650回記念兼暑気払いは、参加された仲間の笑顔で満ちあふれていました.豊かな料理を準備戴いた食当班のご努力に改めて感謝申し上げます.ありがとうございました(喜ぶ顔、顔、顔・・・・顔 写真3葉をのせました).

 9月8日(土)は、第651回例会です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告は、三輪 新造さんです.当日夜、是非ご覧ください.京都市場、9月3日に、マツタケの入荷が、中国(高値:14,580円、中値:8,100円)、長野(高値:99,310円、中値:25,411円)、岩手(高値:80,000円、中値:56,000円)からある.いずれもKg単位の価格だが、国産の長野と岩手を比べると、良いものは長野が、全体としては岩手が、マツタケの商品価値としてあると判断している.

  

 
 ご存じのように、マツタケの発生は北から始まる.でも、今年は岩手県岩泉のほうが発見が早かった(8月15日).理由は定かではない.北海道十勝岳麓アカエゾマツ林で、「8月31日に採取しました(写真 1).発生場所はコケなどの無いガレ場でした.7月16日より8月9日まで雨が全く降らずでしたが、その後雨が多く続いています.8月15日頃に一旦、気温が下がり、8月25日からは最低気温が10度程度の日が続いています.発生のピークは9月10頃と推測しています.ただ、崖のような場所でシロの状況を見る限り豊作年ではないようです(S氏メール)」.発生がガレ場であることは降水量が多かったことと一致している.

写真1.8月31日に採取されたアカエゾマツ林のマツタケ
 
 マツタケの寄主樹は、マツ科のアカマツ、クロマツ、ハイマツ、ツガ、コメツガ、トガサワラ(アメリカマツタケ)、シラビソ、トドマツ(写真 2)、アカエゾマツ(写真 3)、オウシュウトウヒ、ウンナン松、レバノンスギなど(除カラマツ属やヒマラヤスギ他)である.中国では、マツ属植物はもちろん、コナラ(写真 4:雲南省雲台山)やシイ、マテバシイの仲間が寄主植物、日本でも広葉樹であるシラカバの仲間オノオレ林に発生(写真 5 ).ヒノキ科のネズ(写真 6.子実体は見たことがない)とCedrela(センダン科)セドロに感染はする.

写真2.十勝岳麓 トドマツ林のマツタケ

写真3.アカエゾマツ林のマツタケ.トドマツ林のマツタケとどこが異なるか不明

写真4.中国 雲南省 雲台山 コナラ林にマツタケ

写真5.岩手県岩泉町 オノオレの純林で採取したマツタケ.地元でアンチャマツタケと呼んでいる

写真6.子実体はまだ発見されていない.人為的にネズに感染させた.根の細胞間隙が蛍光を帯びて光っている.マツタケのハルティッヒネットである.

 「自然の叡智」をテーマとした名古屋万博(2005年)以降、里山はSATOYAMAとして世界に通用する言葉になり、その保全は重要な課題に上った.しかし、国の里山保全の予算は年々削られ、我々森林ボランティア活動には、まわってこない.これは国と地方行政の姿勢の表れであり、日本国政府は、羊頭と称して狗肉を売るに堕している.強く抗議をしたい.

 政府行政は、里山林は自然の摂理に従って必ずなくなるので、里山保全課題はやがて自然消滅する.問題は人工林対策だと捉まえて、里山林がなくなるまでの期間をボランティアに雀の涙的予算を配っておけと考えている.

 国民もうんざりしていて、世間では、モリカケその他事業への税金投入疑義の責任追求は頓挫している.マスメディアの責任は大きい.その間に、国は、アメリカの言いなりで軍備増強に余念がない.将来の日本のツケに違わないが、少し里山保全や憲法25条に適う予算執行をする政府が欲しい.

 里山の保全は、その資源活用を置いて他に絶対に道はないこと、これは自明である.まつたけ産業の育成は、里山林がマツタケの生息地であるため、里山の保全と軌を一にするものであり、また、産業的にも大きな意味がある.
 
 ここで盛岡中央卸売市場と京都中央卸売市場第一市場でまつたけの位置を見ると、平成28年10月のデータである.比較のため、通年栽培が可能な生シイタケとマツタケを見よう.いずれも国産のものである.しかし、ものが儲かるところに流れているため、松茸の岩手県の実態はもっと異なるものになると思われる.
 
 まずは京都から、生シイタケの取扱数量は154,037Kg、金額は154,642,921円である.盛岡は生シイタケ:15,959Kg、金額は15,602,836円.一方マツタケは、京都で取扱量は427Kg、金額は14,784,989円.盛岡は、量は1,703Kg、金額は21,599,050円である.これらの数値をKg当たりの価格に直すと、京都の生シイタケは1,004円、マツタケは34,625円.盛岡は、生シイタケ;978円、マツタケ;12,683円である.マツタケの商品としての価値はダントツで類を見ないことが理解できる.

 両地の価格差に大きな開きがあるが、価格差問題は別の機会にゆずるが、流通の全国化によって、ブランドの違いは厳としてあるが、良いものが価格の高い市場に簡単に流れるからこんな価格差が生まれる.
 雇用の面で考えると、シイタケは通年雇用、マツタケはたかだか1ヶ月の仕事であるため、従事者の年間収入を見ないといけないが、その解決は簡単そのものだ.マツタケと他の通年栽培ものと組み合わせて生活の質と水準を維持する方法を取れば済むだけである.
  
 Kg単価を見ても分かるように、とにかく松茸は儲かる作物であることは明白だ.長野県には、まつたけ生産専業林家がいる.ということは、1ヶ月の採取業務他で十分な生活を松茸は保証することを意味する.残りの時間は、生活をエンジョイすると共にアカマツ林に出かけて松茸生産量を増やすための手入れをするだけでいいのだ.でも怠けた体にはこれは辛い.

 しかし、日本には、世界に売る新しいものがもう底をつかんとしている.また、世界の市場も一回りし市場に広がりは無い.この世の中、山仕事は辛いとか嫌だとか言ってる時代ではない.やる奴が勝つのだ.行政は、それを手助けせねばならない.自分の生活だけ考えている行政職員と政治家であってはいけない.

【お知らせ】

1)京都園芸倶楽部主催 講演会
【日時】9月27日(木) 午後1時30分~午後3時
【場所】京都府立植物園内 植物園会館2階研修室 70歳以上の方は植物園入園料が無料(氏名・年齢証明証提示)、70歳未満の方は植物園入園料200円が必要.
【演題と演者】人とアカマツ林とマツタケ -マツタケは林地栽培できる-  吉村 文彦 
       1930年代のマツタケの生産量は7582t/年 、直近の10年間のそれは56t、30年代の実に0.74%に激減である.その原因をマツタケの生理・生態、生息地の問題やアカマツとマツタケの共生関係などから探ると共に、まつたけ山復活させ隊の林地栽培の成功例を紹介する. 

2)京都御苑きのこ観察会並びに第46回顕微鏡観察会 
【日時】9月30日(日) きのこ観察:午前9時30分~12時  顕微鏡観察会(於旧閑院宮邸):13:30~15:00
【場所】京都御所 堺町休憩所集合(間之町口 地下鉄烏丸丸太町駅下車、東へすぐ)
 主催者は京都御苑きのこ会(世話人 佐野修治氏)  HP(http://gyoenkinokokai.web.fc2.com/)参照下さい
 参加料は無料、事前申込不要.京都御苑は国民公園です.動物・植物・菌類の採集は禁止されています.

3)岩手県岩泉町から生中継
番組名 :NHK総合「旬感☆ゴトーチ!」(全国放送)
放送日時:10月3日(水)12:20~12:43
番組HP:http://www4.nhk.or.jp/goto-chi/

「北上高地・森と水のハーモニー(仮)」と題して、龍泉洞の水や森林体験アクティビティ、そして旬の松茸グルメをご紹介する予定です。

 
【まつたけ山復活させ隊に参加するには!!】
 ヒトとアカマツそしてマツタケの共生関係には学ぶものがあるように思える.Key words:相利共生(Mutualism), 共生体(Symbiont)

 この会は、個の能力を最大限に発揮でき、参加者の数だけ面白いことが創造できるように自由に主体的に活動できる.参加は誰にも開かれているが、施設の安直利用(いいとこ取りする参加)は、これを認めない.「香川山に来る」こと、それは、当然、マツタケ山づくりを共に楽しむことに共感を持ち、また、自らの能力をみんなのために提供することを厭わない.そういう同志の集いである.
 
 我々まつたけ山復活させ隊には、山づくりをすること、資材等を運ぶこと、薪をつくること、病害木を焼却すること、畑や水田を守ること、食事を作ること、道具類を整備すること、拠点を整備すること、道路を補修すること、バイオトイレを守ること、多機能窯を守ることなどがある.これらの作業実施に際して、すべての参加者は自らの体調・体力にあわせて、互いに支え合い助け合うことが必要である(応分の負担).


【まつたけ山復活させ隊の心得】
あせらず!むりせず!ゆっくり!とまつたけ山づくりを楽しみましょう!

暑さ対策を充分に致しましょう!!

1.熱中症に気をつけましょう!こまめに水分と日陰で休息をとりましょう.

2.チェーンソーで立木を伐る作業は、周りの人払いが必要です.取り扱いを習熟するまでこの作業は厳禁です.万が一事故の場合は自己責任とは言え、班の世話人はその責任を問われます.

3.伐木作業の『基本は忘れずに!』.掛られ木の伐採時に事故が発生します.作業は慎重に!

4.切り株を残さないように地際から伐りましょう! 急斜面に残された切り株につまづき小径木の切り株で顔面を怪我する大事故もあります.

5.脱いだ衣服やリュックなどは地面に置かないように習慣づけ、マダニ対策の常識としましょう! 
 イノシシやニホンジカの行動エリアが拡大し、マダニと接触するチャンスが飛躍的に増えている.SFTSウイルスの媒介、リケッチアの媒介、治癒しても後遺症の残るダニ媒介性 脳炎症も日本に存在する.

6.アシナガバチ・マルハナバチに刺されないように(アナフィラキシーショック)、オオスズメバチも活動が活発になっています.

7.食費の払い忘れなども時々あります.ご注意下さい.
 小物が時々なくなります.これも共有財産です.大切に使わねばなりません.
 使用した道具類は点検・掃除後、元に戻す、損壊した時には世話人にその由連絡する.
 ガソリン缶などの放置がときどき起こります.元に格納すること.
 用いたコップなどの洗浄・後片付けも忘れないように! 


【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日   報告担当者 男厨シェフ 特別企画 

651 09月08日(土) 三輪 
652 09月14日(金) 宮崎
653 09月22日(土) 内田 
654 09月28日(金) 吉村   川崎

 なお、やむを得ず開催日・担当などの変更が生じることがあります.お許しください!
 

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)
アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある(下記(a)をご覧下さい).

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)

a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の案内看板が見えると(ゴルフ場専用道路の右折はダメです)、左に大きな駐車場(松尾ガレージと小さく表示がある)が見える.その北側に道路(路面に滑り止め化粧)がある.その道路(住宅内道路に見える)を左折で進入、次いで右折、左折そして左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.不安な方は駐車場付近から電話下さい.

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

§カンパありがとう!
 
   
§カンパお願い: 運営は皆さんのカンパで成り立っています!
         みやこ松茸・里山復活! 京都の文化・景観を守るために、里山林整備に努力しています.
   
カンパの振込先
 氏名:  まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
 銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173


§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学;マツタケ生物学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする