まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ「十字軍」運動NEWSLETTER-376-

2009年02月14日 |  マツタケの林地栽培 
綾部市松茸振興会の皆さんと


まつたけ復活・里山再生市民運動



第177回 マツタケ山づくり作業の報告


  昨日の最大瞬間風速5.8m/sの風に煽られた雨(17mm/日)は、かなり激しいものがあった.綾部市松茸振興会(西野会長)のご一行様のことが心配されたが、今日は、最高気温16.1℃(12時)とこれで2月かと思うような暖かい日であった. 
岩倉に着くと、女性メンバーからバレンタインデーの贈り物が届いている(9502,9535).皆さん!!お返しは3月14日ですよ、お忘れ無く.
 見学者は、12時30分頃に 岩倉にマイクロバスで到着された.早速、メンバー(写真集9501,9508,9510,9511,9512,9518,9519,9520,9521、9524参照)の準備した食事をお取りいただいた(9525,9526,9527,9528,9530).しばらくして、川崎さん(9534)の司会で、マツタケ山づくりなどの意見交換が活発になされた(9533、9536,9537,9538).
 我々の仲間は、雨模様のためにか、23名である.まさこ、加藤、周田、榎本、三品、川崎、川本、村上、小原、中広、有山、三輪、藤井、山田、内田、中野、池内(恒)、江指、松川、前田、猫田、中川、吉村、と綾部市松茸振興会のメンバー21名併せて44名であった.
 意見交換会の後、2時過ぎから、まつたけ十字軍運動の山を見ることになり、澤田山に到着(9539).整備区の世話人の説明を聞く(9541,9542).続いて広葉樹の森づくり区に移動(9543,9544).その説明を受けた(9545,9546,9548,9549).
 
 綾部市は、丹波マツタケの中でも、つとに有名であり、盛んに松茸が採れていた頃は、素人集団のマツタケ山づくりを視察することは、まず無かったであろう.
 全国の炭の生産量が昭和30年にそのピークを過ぎ、’60年頃の高度経済成長で我々の生活が近代化されると同時に、里山を放棄させられ、それは最近の構造改革による産業の交代と同じであるが、京都の松茸生産量は「嘆く」というものでなくそれを通り過ぎて「笑っちゃう」ばかりとなっている.
 マツタケ山づくりは、試験的に昭和40年頃から始まるが、京都で毎年1200tも採れていた1930年代には、マツタケ山づくり技術はなかったのである.ということは、生活に必要なものをいわゆる里山から得ることが、マツタケの生活にアカマツの生態に適ってい、マツタケを育てていたと考えるべきだ.
 いま、マツタケ山づくりに、あの考古学のように「God Hand」は無いのである.こっそり「ものを埋める」ことができないためだ.「異常気象のせいだ」とか「排気ガスのためだ」とか己のずぼらを棚に上げていてはいけない.マツタケ減産の原因は、里山の放棄を選択した或いはさせられたとしても、そのことによるのだと心すべきである.
 確とした増産の展望はなくとも、後世に健全な里山を残すことは我々の義務だろうし、山に手を入れたら入れた分だけ「山の神」は結果を出してくれる.これは確かなことである.

<皆さんの活動の様子を見ることができる>
まつたけ復活・里山再生運動写真集(Nikon)とまつたけ十字軍写真集(続きとなっている)がある.それらを覗くにはパスワードが必要
ブログ画面左下ブックマーク(Bookmark)中のまつたけ復活・里山再生運動写真集(Nikon)やまつたけ十字軍写真集を左クリックすると、ニコンオンライン写真集の画面に飛ぶ.その画面の右上にパスを入れるところがある.そこに10ji(読みは10時: 半角英数)を入れる.これでOK.必要な写真は、右クリックで保存下さい.

<お知らせ>
マツノザイセンチュウ病による枯損木は伐倒・焼却を進めよう!
周りに放置されている枯損木を感染源とする蔓延が後を絶たない.依然として猛威をふるっている.アカマツ枯損木の所有者は感染を拡大させているという認識を持つことが必要だ.林は、地面の所有は個人のものであるが、林の公益的機能は国民のものである.

1) 2月20日、岡山県久米郡久米南町の山林地主達11人が見学予定.

2)2月26日午後、綾部市松茸研究会、愛林会のアカマツ林でマツタケ山づく
りを体験します.午前12時30分綾部市市役所集合.

3)鹿背山元気プロジェクト 里山産業創造ワークショップ
2月21日(土) 午前9時 30分より
  京都府木津川市観音寺峠道の入口に集合 雨天の場合は、中止します。
連絡先: 都市機構・事業部事業調整課、0774-73-2708[田中].


<カンパ! ありがとう>   
カンパ等の振込先:
氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦 
銀行名: 京都銀行 山科中央支店 
口座No.: 普通預金 3698173

まつたけ十字軍運動とは?
今、1年間に40,000種もの生物が絶滅(約13分に1種)していると推測されている.生き物1種の絶滅は、10種から30種の生き物の絶滅を呼ぶという.

日本で、802種の動物が絶滅危惧種とされ、7000種の維管束植物の24.1%(4種に1種)が絶滅危惧種に挙げられている(2007年).
環境省によれば、絶滅危惧種の50%強に当たる生物の生息地は、人里離れた奥山でなく里地里山と呼ばれる私たちの生活の場である.緑が豊かになって生き物が追われている!

私達の周りにありふれた生き物であったフクジュソウやヒメシャガなど、メダカやチョウ類やニホンウサギなど、またオオタカやイヌワシなどが、消え続けている.マツタケも、京都府では絶滅危惧種に指定されている.

生物の保全・多様性上危機に瀕する里山(アカマツ林)をマツタケ山に戻すことが目的である.私たちのマツタケ山づくりは、山-川-畑・水田(-海)のつながりを重視する.マツタケ山づくりで生まれるバイオマスの利用を、「自然」との共生型すなわち徹底した有機物循環型「農林業」に組み込む.また、我々の成果は、情報として正しく発信し、全国に230万haあるアカマツ林に普及させることを願っている.

近代的マツタケ学発祥の地、京都市左京区岩倉を活動拠点として、我々は循環型農林「業」を楽しむ.「楽しむ」ということにおいて、いわゆる農林業的作業と異なる.
時折のイヴェントや開催日のコアタイムに集まることによって、作業の情報などを共有し、互いの知恵や技術を学び、また、里山復活の喜びをともにする.

運動は、食事を作る人、木を伐る人・運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、設備を造る人、道具類を整備する人、多機能窯を守る人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人などすべての参加者が、互いに対等で支え合い助け合って維持運営されている.

まつたけ十字軍運動全体は、アリストテレス風に言えば、個の参加者の総和以上のものを持つ.それ故、参加者はこの運動の全体性を見失わないようにしたい.


主 催 
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学者)  
〒607-8421 京都市山科区御陵岡ノ西町38-27.075-581-8932, 090-6227-4305

共 催 団 体
京都大学マツタケ研究会
代表 大月 健
京都市左京区北白川 京都大学農学部図書室気付(大月 健090-4280-3334)
NPO国際環境微生物応用研究機構、香川理化学研究所、NPO市民環境研究所
コメント
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