季節の変化

活動の状況

ブラジルの通知表2018年

2019-07-07 00:07:07 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
ブラジルの通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
ブラジルのPISA2015は、63位→ランクF

2)開発力: 国際特許出願件数。

日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
ブラジルの2017年の国際特許出願件数は、25位→ランクC

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
ブラジルのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
ブラジルのパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC
突出している1位~4位→ランクAとした。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
ブラジルの文化遺産14は、14位→ランクB

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
ブラジルのFIFAのランキングは、2位→ランクAA

2018年のワールド・カップ、ロシア大会で、
ブラジルは、南米の出場枠 4.5を1位で獲得した。
ほかに、ウルグアイ、アルゼンチン、コロンビアとともに。
5位のペルーは、ニュージーランドとの大陸間プレーオフで勝って出場。

ロシア大会では、決勝トーナメントに進出し、
メキシコに勝って、7大会連続のベスト8。
しかし、準々決勝で、ベルギーに敗れた。
決勝戦は、フランスがクロアチアを破って、2度目の優勝となった。

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
ブラジルの国民総生産GDPは、8位→ランクA

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
ブラジルの政府開発援助ODAはない、→ランクF

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「ブラジルの通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ブラジルのPISA2015は、63位→ランクF ⇒ 0点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       ブラジルの国際特許出願件数は、25位→ランクC ⇒ 3点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ブラジルのノーベル賞の受賞者はいない、→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       ブラジルのパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC ⇒ 3点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       ブラジルの文化遺産14は、14位→ランクB ⇒ 4点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       ブラジルのFIFAのランキングは、2位→ランクAA ⇒ 5点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       ブラジルの国内総生産GDPは、8位→ランクA ⇒ 5点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       ブラジルの政府開発援助ODAはない、→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         ブラジルは20点

レーダーチャートで見る、
ブラジルの通知表 2018年」。


ブラジルの、国土は日本の22.5倍と世界で5番目に大きく、
人口は2億900万人で、世界で5番目。巨大な国である。
レーダーチャートは、運動力/サッカー、経済力/GDPが素晴らしい。

ブラジルは、コーヒー、大豆、鉄鉱石を、日本に輸出している。
工業製品では、自動車、小型ジェット機がある。
エンブラエルの小型ジェット機は、日本では、日本航空と、
フジドリームエアラインズが導入して、国内線に使用している。

コーヒーのアラビカ種の生産量を見る。

アメリカ農務省(USDA)、World Markets and Tradeから。
ブラジルが断然の1位、2位コロンビア、3位エチオピアが続く。

ブラジルは、コーヒーの生産国であると同時に、
コーヒーの消費国で、一人当たりの消費量は、
5.97kg/年、世界で10位になる、2013年。
日本3.58kg/年の1.7倍、世界で15位。

ブラジルは、コーヒー、大豆の農産物のほかに、
自動車、小型機のリージョナルジェット機が産業になっている。
ブラジルは、自動車の大きな市場で、
2010年、世界第4位の市場規模を誇る。
新車販売台数燃料別販売台数を見る。2019年1月~5月。

ブラジル自動車工業会(ANFAVEA)のデータから作成。

メーカーは、フィアット、フォルクスワーゲン、
ゼネラルモーターズ、フォードの4社に、
韓国の現代、日本のホンダ、日産、トヨタが加わる。
ブラジルでは、自動車部品の輸入に高い関税がかるから、
海外メーカーは、ブラジルに工場を建設して、現地生産する。

燃料別の販売台数を見ると、
ガソリンにエタノールを混ぜた、
フレックスカー燃料車が、88%を占めている。
ガソリン車が3%、ハイブリッド車とEV社は0.2%である。
サトウキビから作られるエタノール(バイオエタノール)を使用の、
フレックスカー燃料車は、環境にやさしいエコな車となっている。

小型機のリージョナルジェット機が、
ブラジルで開発されてきている。
ジェット輸送機の納入機数を見る。2011年~2018年。

一般財団法人 日本航空機開発協会から、データ使用の許諾をいただいた。
エアバスが、2018年にラインナップに加えた、
ボンバルディアのA220 (旧CS100/300)は、エアバスに含めた。

大型のジェット輸送機は、
アメリカのボーイングと、
ヨーロッパのエアバスが市場を占めている。
2011年~2018年の納入機数を見ると、
ボーイングが51%、エアバスが49%と、市場を2分している。

小型機のリージョナルジェット輸送機は、
ブラジルのエンブラエルが、市場の64%を占めている。
ブラジル空軍の軍用機を製造する国策事業として、
1969年にスタートした。が、厳しい経営状況だった。
民営化して、小型機を開発して、民間旅客機事業に進出した。
そして、エンブラエルのシェアは64%で、
カナダのボンバルディアのシェア23%を抜いた。
小回りの利く空路での移動は、市場要望に合った。

松本空港で、フジドリームエアラインズ FDAの、
エンブラエル ERJ-175 を見る。2019年7月。


福岡便、グリーンが到着した。入れ替わるように、
札幌便、ホワイトが滑走路に向かう。
ともに、ERJ-175、座席数84。
フジドリームエアラインズ FDAは、エンブラエルの、
リージョナルジェット機を14機保有して、日本の空を駆け巡る。

三菱重工業は、ボンバルディアの小型機「CRJ」事業を、
買収することを発表した。2019年6月。
ブラジルのエンブラエルは、
小型機事業が、ボーイングの傘下に入る。
小型機は、需要は増しているが、開発費の負担が大きい。

ブラジルは、サッカー王国、
ワールド・カップで5回優勝している。


ブラジルは、南アメリカでライバル関係にある、
ウルグアイと、アルゼンチンの優勝2回の上をいく、5回の優勝。
しかし、初優勝までには悲劇があった、「マラカナンの悲劇」。
第1回は、1930年にウルグアイで開催、ウルグアイが優勝。
第2回は、1934年にイタリアで開催、イタリアが優勝。
第3回は、1938年にフランスで開催、イタリアが連続優勝。

さて、第4回は、第2次世界大戦が終わった1950年に、
地元ブラジルで開催。ウルグアイが優勝した、2回目である。
優勝をかけたウルグアイ戦には、
リオ・デ・ジャネイロに造られたマラカナンに、
ブラジルの初優勝を見ようと、20万人で埋めつくされた。
ブラジルは、引き分けでも優勝で、前半は0対0。
後半に得点して1対0、ブラジルの優勝を疑わなかった。
ところが、追いつかれて1対1、終盤に1対2と逆転された。
ブラジル人は、天国から奈落の底に突き落とされた。
マラカナンには自殺者とショック死の遺体があった。
マラカナンの悲劇

ブラジルが、マラカナンの悲劇から立ち直るには、
サッカーの王様ペレの出現まで、8年待たなければならなかった。
第6回、1958年にスウェーデンで開催、ブラジルが初優勝。
17歳で大会最年少のペレは、華麗なシュートを決めた。
ブラジルの5回の優勝の内、初優勝を含めて、
3回の優勝に、ペレは代表で参加している。
ブラジルの国民的な英雄である。

肉料理、シュラスコ。サンパウロ。

岩塩で味付けした肉を、串に刺して、炭火で焼く。
ビーフ、バッファロー、仔羊、チキン、ソーセージ、
セブ牛のコブ、心臓やレバーもある。

お客さんには、表裏が緑と赤の「札」が、テーブルにある。
6角形のプラスチック、大きさはビスケットほど。
「緑」は、もっと肉を!
「赤」は、満腹だ! もういらない。

ボーイが緑の札を見て、サーベルのシュラスコをもって近寄るから、
好みの肉ならば頼むと、ナイフでそいで、皿に落としてくれる。
そぐ回数は食べたいだけ、食べられるだけ。

「あれが、ファヴェーラ(貧民街)だ」、とブラジル人が言う。

車から撮影。サンパウロ。
「電気が通っていない」ことで、見分けるようだ。

ブラジル人は人が良かった。
しかし、なじめないのは、セキュリティの厳重さだ。
警備員の、腹にあるのは。サンパウロ。

ガン・ホルダーに収めているのではない。
スラックスとシャツの間に、突っ込んである。

外務省のホームページには、
ブラジルの安全対策には、注意をするように警告している。
「犯罪の手口は凶悪で、多くの犯行に拳銃等の凶器が使用される」
「観光地で美しい場所においても凶悪犯罪が多発しているため油断は禁物」
「また、ファベーラと呼ばれる貧民街は犯罪の温床になっており非常に危険です」
とある。

訪れたのは、銀行ではない。民間の製造会社である。
高いフェンスが、周囲を覆っている。
訪問を終えて、車で出る。
警備員の眼は休まない。退場する車の中の顔と人数、
製品の持ち出し? 問題がないことを確認すると、
半身になって、左手で、鉄の扉を開けた。
右手は、撃てるように、空けている。
「撃たれる前に、撃つ!
こっそり、写真を撮った。
つもりだったが、見抜かれている。

ブラジルは、経済大国。
フレックス燃料車を生み、
リージョナルジェット機を開発してきた。
アルゼンチンと、南アメリカの首位争いをしてきたが、
アルゼンチンは、マルヴィナス戦争でイギリスに敗れ、
ハイパー・インフレになって、ブラジルが優位になっている。
サッカーは、世界の名門。国民的な英雄、王様ペレがいる。
アルゼンチンは、神様マラドーナで、立ち向かう。そして、
アルゼンチンのタンゴには、ブラジルはサンバの情熱で歓喜する。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする