「世界の評価」から、「指標」を定めて、
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「香港の通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
香港のPISA2015は、2位→ランクAA 。
PISAの最初の調査、PISA2000は、
OECDに加盟している32か国で実施した。
以後、3年ごとに実施し、回を追うごとに、
参加国と地域が増えてきている。
2003年は41、2006年は56、
2015年は72の国と地域が参加した。
香港は、OECDに加盟していないから、
当初、PISAの調査には参加していなかった。
香港は、PISA2003から参加した。そして、いきなりの3位である。
PISA2012、PISA2009を見る。
PISA2000 ⇒PISA2003 ⇒PISA2006 ⇒PISA2009 ⇒PISA2012 ⇒PISA2015の推移。
シンガポールは、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 4位 ⇒ 2位 ⇒ 1位。
香港は、不参加 ⇒ 3位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 3位 ⇒ 2位。
香港は、2位か3位。安定したトップクラスである。
日本は、1位 ⇒ 5位 ⇒ 10位 ⇒ 6位 ⇒ 5位 ⇒ 3位。
台湾は、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 5位 ⇒ 9位 ⇒ 6位 ⇒ 6位。
フィンランドは、3位 ⇒ 1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 7位 ⇒ 8位。
韓国は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 5位 ⇒ 4位 ⇒ 9位。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
香港の2017年の国際特許出願件数は、0→ランクF。
香港からの出願件数は、中国に計上されているようだ。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
香港のノーベル賞の受賞者は、0→ランクF。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
香港のパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
香港の文化遺産は、0→ランクF 。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
香港のFIFAのランキングは、144位→ランクF。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
香港の国民総生産GDPは、34位→ランクD。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
香港の政府開発援助ODAは、0→ランクF。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「香港の通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
香港のPISA2015は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
香港の国際特許出願件数0は→ランクF⇒ 0点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
香港のノーベル賞受賞者0は→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
香港のパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC ⇒ 3点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
香港の文化遺産0は→ランクF ⇒ 0点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
香港のFIFAのランキングは、144位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
香港の国民総生産GDPは、34位→ランクD ⇒ 2点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
香港の政府開発援助ODAはなし→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
香港は10点。
レーダーチャートで見る、
「香港の通知表 2018年」。
学力/PISAの2位は、すばらしい。
人口740万人、国土が札幌市と同じ香港が、
経済力/GDPが、34位である。
香港は、人の叡智でがんばる国である。
さらに、国際都市で鍛え抜かれた商才がある、
中国の経済特区には、香港人が進出して、
中国経済を急成長させてきた。
香港人による資本の投下、国際都市で鍛え抜かれた商才、
国際感覚、市場経済における経営ノウハウ……を中国に伝授した。
中国の故鄧小平最高指導者による、
「海亀派(うみがめ)」の活用とともに、中国を発展させてきた。
「海亀派」とは、留学先で成功している人材に帰国を促した。
天安門事件のあと、現地で就職して中国にもどらなくなっていた。
無償の資金、法人税の免除、マンションの提供などで優遇して、
企業化を促進し、IT産業を根づかせてきた。
「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
『世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook』がある。
1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。
IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。
世界競争力年鑑によるランキングの推移。
ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
2018年、日本は25位。
ランキングの推移を見る。
2005年 ⇒ 2009年⇒ 2010年 ⇒ 2017年 ⇒ 2018年。
アメリカは、1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 1位。
香港は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 1位 ⇒ 2位。
香港は、2位 か、1位である。
シンガポールは、3位 ⇒ 3位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 3位。
日本は、19位 ⇒ 17位 ⇒ 27位 ⇒ 26位 ⇒ 25位。
調査を開始した1989年には、日本は、1位。
それも、5年間も1位を維持していた。日本の絶頂期だった。
世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア。
香港のクライテリアを見ると、
行政効率が1位、ビジネス効率が1位と、すばらしい。
それに、経済効率が9位と、一桁である。
日本のクライテリアは、行政効率GDPが41位と低く、
ビジネス効率も36位と低い。
香港国際空港は便利である、
人を上下させずに、電車を上下させて、
離着陸ターミナルに、着く。人は水平移動する。
成田空港は、階段とエスカレーターで、できている。
重い荷物をガラガラと引っ張った人が上下する。
空港から都心までの距離を比べると、
香港国際空港は、オフィス街の香港島まで、34キロメートル。
成田空港は、東京まで、79キロメートル。
香港国際空港の便利さは、香港の世界競争力を高めている。
中国の経済特区の一つ、深圳(しんせん)は、香港と地続きにある。
中国の経済特区は、香港人の活躍で、中国経済が急成長している。
資本の投下、商才、国際感覚、市場経済における経営ノウハウで、
中国を発展させた。
香港は、1978年にイギリスから中国に返還された。
1つの国に、2つの制度がある、
「一国二制度」、One country, Two systems。
香港の自治は、最大限に尊重されて、自由主義は残る。
香港を統括する、初代の行政長官は、中国によって任命された。
2017年には、普通選挙によって、行政長官を選ぶことになっていた。
ところが、普通選挙とは、程遠い、選挙改革が提示された。
親中派が占める「指名委員会」が候補者を絞り、
その中から、投票して選ぼう、というものだった。
これでは普通選挙ではないと抗議して、
2014年に、大規模な学生デモが行われた。
民主主義の経験がない中国が、
イギリスの統治で、民主主義で育った香港に、
強制する選挙である。
「一国二制度」とは名ばかりで、
自由、民主主義のない、「一国一制度」である。
このことがわかれば、すでに「一国二制度」を、
提案している台湾への影響が大きい。
中国自身が一番、わかっている。
地上にある電柱、電線を地下に埋設する、
電線の埋設率の国際比較を見る。
ロンドン、パリ、ボン、香港の埋設率は、100%。ケーブル延長ベースで。
ドイツのベルリン、ハンブルグ、ミュンヘンも埋設率が高い。
コペンハーゲン(デンマーク)、クアラルンプール(マレーシア)、
ニューヨーク(アメリカ)が続く。先進国の都市は、
電線の埋設率100%を目指している。
これに対して、日本の電線の埋設率は、
先進国から、大きく立ち遅れている。
東京の電線の埋設率は7.3%である(2008年)。
京都は4%、大阪は1.4%。日本は、道路延長ベースで、
ケーブル延長ベースよりも、甘くなっている。
街中に電柱、電線がごちゃごちゃあって、
日本は、世界でも醜い国の一つになっている。
「北京の女性と結婚したが、
すぐに香港に移住することができないでいる」
と言う香港人は、「遠距離結婚?」である。
仕事上、北京に行く機会が増えた。そこで、知り合った女性と、
最初は、北京料理や四川料理を食べ、いつしか故宮を訪れ、
万里の長城を見たりして、純粋さに惹(ひ)かれて、
結婚することになった。
「結婚式は、北京で挙げた。そして結婚届けは、香港に出した」
「香港人は中国へ自由に行けるから、親戚と友人が北京へ行って披露宴をした」
「しかし、彼女はすぐには香港に移住できない。香港と北京で別々に暮らしている」
結婚したのに離ればなれとは、どういうことなのだ?
香港は返還されたし、しかも「中国人同士」ではないか?
「偽装結婚によって、中国人が国外へ逃れることに、
中国政府は、ことのほか神経をとがらせている。
あの手この手で、中国から脱出したい人が一杯いるから」
「遠距離結婚」は、どうしたら、終わらせることできるのか?
「香港に来るには、許可が必要になる」
「180ポイント貯まればいい。1日0.1ポイント貯まる」
すぐにはピンとこなかったが、ポイント制になっているようだ。
180ポイントとは、1,800日かかる。およそ5年だ。長すぎる。
子どもが生まれれば、幼稚園に入っているわけで、
これでは人生設計が狂ってくる。
「180ポイントは、一種の結婚の制限になっている。
香港人と偽装結婚して、国外へ流出することを防いでいる」
「朝晩欠かさずに電話をしているよ」
「月に1~2度、北京に会いに行く」
「毎月の電話代や旅費がばかにならない」
せっかく、香港と中国、一国になったのに、
「遠距離結婚」を終わらせる、180ポイントとは、悲しい。
「今回は、ヘルシーな広東(かんとん)料理にしました」と、香港人との夕食。
XO醤(じゃん)で味付けした海鮮料理、
これは、エビ、イカ、アワビと野菜の炒めもの、
メインは、今日入荷した桂花魚(クゥェイ・ホワ・ユィ)の蒸し煮、
清蒸桂花魚を選んでくれた。
大皿の桂花魚は、箸でつまんで、食べる。
醤油味でさっぱりしていて、うまい。ご飯が進む。
「蒸した料理が特徴です」
壁に掲げてある写真は、ここで食事をした、
「イギリス統治時代の総領事長、文部大臣、アメリカの高官」という。
「中華料理のベストは、どこか?」、香港人に聞いてみたかった。
というのは、香港のほかに中国、台湾、シンガポールがあって、
北京の乾燥アワビをもどしたステーキは絶品である。
それに、北京ダックもある。
台湾の小龍包(しょうろんぽう)は、
皮が破れて熱い肉汁が口に広がるのを、ふがふがと食べる。
シンガポールの、冬瓜(とうがん)をくりぬいたフカヒレのスープはうまかった。
どれも甲乙つけがたかったからである。
「香港がベストである」と、香港人は即答した。
香港人は中国へ行くたびに、新妻と本場の中華料理を味わっている。
「北京で北京料理を食べたが、がっかりした。
北京料理も四川(しせん)料理も、本場の中国よりも、香港の方が、
はるかにおいしい。香港の食材は、中国ほかから輸入しているが、
香港の中華料理がおいしいのは、シェフの腕がいいからだ。
腕のいいシェフは中国の外に飛び出す、その方がもうかるから」
香港には「世界一の中華料理」を味わおうと、
世界の観光客が押し寄せる。香港島。
「日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d
同じ指標で、
「香港の通知表 2018年」は、どうなるだろうか?
通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、 世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?
世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許、
3)創造力: ノーベル賞、
4)芸術力: カンヌ映画祭、
5)文化力: 世界遺産、
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA、
7)経済力: 国内総生産GDP、
8)援助力: 政府開発援助ODA。
1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。
2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。
3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。
4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。
美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。
5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。
6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。
7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。
8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。
「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。
1)学力: PISA、15歳の知識と技能。
日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
香港のPISA2015は、2位→ランクAA 。
PISAの最初の調査、PISA2000は、
OECDに加盟している32か国で実施した。
以後、3年ごとに実施し、回を追うごとに、
参加国と地域が増えてきている。
2003年は41、2006年は56、
2015年は72の国と地域が参加した。
香港は、OECDに加盟していないから、
当初、PISAの調査には参加していなかった。
香港は、PISA2003から参加した。そして、いきなりの3位である。
PISA2012、PISA2009を見る。
PISA2000 ⇒PISA2003 ⇒PISA2006 ⇒PISA2009 ⇒PISA2012 ⇒PISA2015の推移。
シンガポールは、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 4位 ⇒ 2位 ⇒ 1位。
香港は、不参加 ⇒ 3位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 3位 ⇒ 2位。
香港は、2位か3位。安定したトップクラスである。
日本は、1位 ⇒ 5位 ⇒ 10位 ⇒ 6位 ⇒ 5位 ⇒ 3位。
台湾は、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 5位 ⇒ 9位 ⇒ 6位 ⇒ 6位。
フィンランドは、3位 ⇒ 1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 7位 ⇒ 8位。
韓国は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 5位 ⇒ 4位 ⇒ 9位。
2)開発力: 国際特許出願件数。
日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
香港の2017年の国際特許出願件数は、0→ランクF。
香港からの出願件数は、中国に計上されているようだ。
3)創造力: ノーベル賞。
日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
香港のノーベル賞の受賞者は、0→ランクF。
突出している1位~3位→ランクAとした。
4)芸術力: カンヌ映画祭。
日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
香港のパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC。
突出している1位~4位→ランクAとした。
5)文化力: 世界遺産。
日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
香港の文化遺産は、0→ランクF 。
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA。
日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
香港のFIFAのランキングは、144位→ランクF。
7)経済力: 国民総生産GDP。
日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
香港の国民総生産GDPは、34位→ランクD。
8)援助力: 政府開発援助ODA。
日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
香港の政府開発援助ODAは、0→ランクF。
「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「香港の通知表 2018年」。
1)学力: 日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
香港のPISA2015は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
香港の国際特許出願件数0は→ランクF⇒ 0点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
香港のノーベル賞受賞者0は→ランクF ⇒ 0点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
香港のパルム・ドール受賞1は、14位→ランクC ⇒ 3点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
香港の文化遺産0は→ランクF ⇒ 0点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
香港のFIFAのランキングは、144位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
香港の国民総生産GDPは、34位→ランクD ⇒ 2点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
香港の政府開発援助ODAはなし→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
香港は10点。
レーダーチャートで見る、
「香港の通知表 2018年」。
学力/PISAの2位は、すばらしい。
人口740万人、国土が札幌市と同じ香港が、
経済力/GDPが、34位である。
香港は、人の叡智でがんばる国である。
さらに、国際都市で鍛え抜かれた商才がある、
中国の経済特区には、香港人が進出して、
中国経済を急成長させてきた。
香港人による資本の投下、国際都市で鍛え抜かれた商才、
国際感覚、市場経済における経営ノウハウ……を中国に伝授した。
中国の故鄧小平最高指導者による、
「海亀派(うみがめ)」の活用とともに、中国を発展させてきた。
「海亀派」とは、留学先で成功している人材に帰国を促した。
天安門事件のあと、現地で就職して中国にもどらなくなっていた。
無償の資金、法人税の免除、マンションの提供などで優遇して、
企業化を促進し、IT産業を根づかせてきた。
「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
『世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook』がある。
1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。
IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。
世界競争力年鑑によるランキングの推移。
ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
2018年、日本は25位。
ランキングの推移を見る。
2005年 ⇒ 2009年⇒ 2010年 ⇒ 2017年 ⇒ 2018年。
アメリカは、1位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 1位。
香港は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 1位 ⇒ 2位。
香港は、2位 か、1位である。
シンガポールは、3位 ⇒ 3位 ⇒ 1位 ⇒ 3位 ⇒ 3位。
日本は、19位 ⇒ 17位 ⇒ 27位 ⇒ 26位 ⇒ 25位。
調査を開始した1989年には、日本は、1位。
それも、5年間も1位を維持していた。日本の絶頂期だった。
世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア。
香港のクライテリアを見ると、
行政効率が1位、ビジネス効率が1位と、すばらしい。
それに、経済効率が9位と、一桁である。
日本のクライテリアは、行政効率GDPが41位と低く、
ビジネス効率も36位と低い。
香港国際空港は便利である、
人を上下させずに、電車を上下させて、
離着陸ターミナルに、着く。人は水平移動する。
成田空港は、階段とエスカレーターで、できている。
重い荷物をガラガラと引っ張った人が上下する。
空港から都心までの距離を比べると、
香港国際空港は、オフィス街の香港島まで、34キロメートル。
成田空港は、東京まで、79キロメートル。
香港国際空港の便利さは、香港の世界競争力を高めている。
中国の経済特区の一つ、深圳(しんせん)は、香港と地続きにある。
中国の経済特区は、香港人の活躍で、中国経済が急成長している。
資本の投下、商才、国際感覚、市場経済における経営ノウハウで、
中国を発展させた。
香港は、1978年にイギリスから中国に返還された。
1つの国に、2つの制度がある、
「一国二制度」、One country, Two systems。
香港の自治は、最大限に尊重されて、自由主義は残る。
香港を統括する、初代の行政長官は、中国によって任命された。
2017年には、普通選挙によって、行政長官を選ぶことになっていた。
ところが、普通選挙とは、程遠い、選挙改革が提示された。
親中派が占める「指名委員会」が候補者を絞り、
その中から、投票して選ぼう、というものだった。
これでは普通選挙ではないと抗議して、
2014年に、大規模な学生デモが行われた。
民主主義の経験がない中国が、
イギリスの統治で、民主主義で育った香港に、
強制する選挙である。
「一国二制度」とは名ばかりで、
自由、民主主義のない、「一国一制度」である。
このことがわかれば、すでに「一国二制度」を、
提案している台湾への影響が大きい。
中国自身が一番、わかっている。
地上にある電柱、電線を地下に埋設する、
電線の埋設率の国際比較を見る。
ロンドン、パリ、ボン、香港の埋設率は、100%。ケーブル延長ベースで。
ドイツのベルリン、ハンブルグ、ミュンヘンも埋設率が高い。
コペンハーゲン(デンマーク)、クアラルンプール(マレーシア)、
ニューヨーク(アメリカ)が続く。先進国の都市は、
電線の埋設率100%を目指している。
これに対して、日本の電線の埋設率は、
先進国から、大きく立ち遅れている。
東京の電線の埋設率は7.3%である(2008年)。
京都は4%、大阪は1.4%。日本は、道路延長ベースで、
ケーブル延長ベースよりも、甘くなっている。
街中に電柱、電線がごちゃごちゃあって、
日本は、世界でも醜い国の一つになっている。
「北京の女性と結婚したが、
すぐに香港に移住することができないでいる」
と言う香港人は、「遠距離結婚?」である。
仕事上、北京に行く機会が増えた。そこで、知り合った女性と、
最初は、北京料理や四川料理を食べ、いつしか故宮を訪れ、
万里の長城を見たりして、純粋さに惹(ひ)かれて、
結婚することになった。
「結婚式は、北京で挙げた。そして結婚届けは、香港に出した」
「香港人は中国へ自由に行けるから、親戚と友人が北京へ行って披露宴をした」
「しかし、彼女はすぐには香港に移住できない。香港と北京で別々に暮らしている」
結婚したのに離ればなれとは、どういうことなのだ?
香港は返還されたし、しかも「中国人同士」ではないか?
「偽装結婚によって、中国人が国外へ逃れることに、
中国政府は、ことのほか神経をとがらせている。
あの手この手で、中国から脱出したい人が一杯いるから」
「遠距離結婚」は、どうしたら、終わらせることできるのか?
「香港に来るには、許可が必要になる」
「180ポイント貯まればいい。1日0.1ポイント貯まる」
すぐにはピンとこなかったが、ポイント制になっているようだ。
180ポイントとは、1,800日かかる。およそ5年だ。長すぎる。
子どもが生まれれば、幼稚園に入っているわけで、
これでは人生設計が狂ってくる。
「180ポイントは、一種の結婚の制限になっている。
香港人と偽装結婚して、国外へ流出することを防いでいる」
「朝晩欠かさずに電話をしているよ」
「月に1~2度、北京に会いに行く」
「毎月の電話代や旅費がばかにならない」
せっかく、香港と中国、一国になったのに、
「遠距離結婚」を終わらせる、180ポイントとは、悲しい。
「今回は、ヘルシーな広東(かんとん)料理にしました」と、香港人との夕食。
XO醤(じゃん)で味付けした海鮮料理、
これは、エビ、イカ、アワビと野菜の炒めもの、
メインは、今日入荷した桂花魚(クゥェイ・ホワ・ユィ)の蒸し煮、
清蒸桂花魚を選んでくれた。
大皿の桂花魚は、箸でつまんで、食べる。
醤油味でさっぱりしていて、うまい。ご飯が進む。
「蒸した料理が特徴です」
壁に掲げてある写真は、ここで食事をした、
「イギリス統治時代の総領事長、文部大臣、アメリカの高官」という。
「中華料理のベストは、どこか?」、香港人に聞いてみたかった。
というのは、香港のほかに中国、台湾、シンガポールがあって、
北京の乾燥アワビをもどしたステーキは絶品である。
それに、北京ダックもある。
台湾の小龍包(しょうろんぽう)は、
皮が破れて熱い肉汁が口に広がるのを、ふがふがと食べる。
シンガポールの、冬瓜(とうがん)をくりぬいたフカヒレのスープはうまかった。
どれも甲乙つけがたかったからである。
「香港がベストである」と、香港人は即答した。
香港人は中国へ行くたびに、新妻と本場の中華料理を味わっている。
「北京で北京料理を食べたが、がっかりした。
北京料理も四川(しせん)料理も、本場の中国よりも、香港の方が、
はるかにおいしい。香港の食材は、中国ほかから輸入しているが、
香港の中華料理がおいしいのは、シェフの腕がいいからだ。
腕のいいシェフは中国の外に飛び出す、その方がもうかるから」
香港には「世界一の中華料理」を味わおうと、
世界の観光客が押し寄せる。香港島。