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中国の通知表2018年

2019-02-17 00:02:07 | Weblog
世界の評価」から、「指標」を定めて、
日本の通知表 2018年」をみた。2018年6月17日。
https://blog.goo.ne.jp/mulligan3i/e/4d4f55b3981c559fcd25d9222e5c9c9d

同じ指標で、
中国の通知表 2018年」は、どうなるだろうか?

通知表の「評価項目」は、つぎ。
1)学力は、  世界でどのくらいか?
2)開発力は、世界でどのくらいか?
3)創造力は、世界でどのくらいか?
4)芸術力は、世界でどのくらいか?
5)文化力は、世界でどのくらいか?
6)運動力は、世界でどのくらいか?
7)経済力は、世界でどのくらいか?
8)援助力は、世界でどのくらいか?

世界の表彰・評価から、「指標」を、つぎとした。
1)学力:   PISA、15歳の知識と技能の調査、
2)開発力: 国際特許
3)創造力: ノーベル賞
4)芸術力: カンヌ映画祭
5)文化力: 世界遺産
6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA
7)経済力: 国内総生産GDP
8)援助力: 政府開発援助ODA

1)学力
世界の文教関係者が、
「自分の国の教育改革が、成果を上げているのか?
 生徒の学力のレベルが、世界のどの位置にあるのか? 国際比較を知りたい」
という要望に、経済開発協力機構(OECD)が応えて、PISAを開発した。
PISA(Programme for International Student Assessment)は、
義務教育が終わる15歳の生徒の学習到達度のプログラム。
科学、数学、読解力を調査する。
OECD加盟国を中心に、2000年から調査を始め、3年ごとに実施。
参加国は、OECD加盟国以外にも増えてきている。最新は2015年。

2)開発力
国際特許の出願件数。世界知的所有権機関WIPO。
出願後、1年以内に望む国に、審査請求ができる。
出願日を優先権主張することができる。

3)創造力
ノーベル賞の受賞は、国の底力、品格を示す。
自然科学分野の受賞数を見る。
恣意(しい)がからむ、文学賞、経済賞、平和賞は除く。

4)芸術力
カンヌ映画祭は、総合芸術である映画の表彰。
1946年以来、72年の歴史がある。
グランプリ、途中から代わったパルム・ドールの受賞作品数を見る。

美術や音楽分野では、スペイン、イタリア、フランス、オランダ、ドイツ、
オーストリアなどから、多くの天才・鬼才を生まれている。しかし、
天才・鬼才の世界的な表彰・評価や「天才事典」はなかった。

5)文化力
ユネスコ(UNESCO)が世界遺産を選定している。
文化遺産と自然遺産、これらを組み合わせた複合遺産がある。
人類の創造的な傑作で、将来的に遺したい文化遺産と複合遺産を採用する。

6)運動力
サッカーは、世界で行われ、競技人口が多い(野球の15倍)。
サッカーは、瞬発力、持久力、戦術、とっさの判断力を要する。
国際フットボール連盟FIFAが、ランキングを公表している(2018年5月)。
オリンピックは、競技種目に地域差があるために、採用しなかった。

7)経済力
国内総生産GDPは、国内で生産された付加価値の総額で、
国の経済力を示す。

8)援助力
政府開発援助ODAは、先進22か国から始まった、
発展途上国への援助を示す。

「指標」を「ランク」で示す。
ランクは、つぎを目安にした。
AA=3位以内 A=10位以内 B=20位以内 C=30位以内 D=40位以内 E=50位以内。

1)学力: PISA、15歳の知識と技能。

日本の PISA2015は、3位→ランクAA。
中国の北京、上海、江蘇のPISA2015は、10位→ランクA

PISAの最初の調査、PISA2000は、
OECDに加盟している32か国で実施した。
以後、3年ごとに実施し、回を追うごとに、
参加国と地域が増えてきている。
2003年は41、2006年は56、
2015年は72の国と地域が参加した。

中国は、OECDに加盟していないから、
当初、PISAの調査には参加していなかった。
中国は、上海に限定して、PISA2009から参加した。
PISA2012、PISA2009を見る。

PISA2000 ⇒PISA2003 ⇒PISA2006 ⇒PISA2009 ⇒PISA2012 ⇒PISA2015の推移。
シンガポールは、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 4位 ⇒ 2位 ⇒ 1位
香港は、不参加 ⇒ 3位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 3位 ⇒ 2位。
日本は、1位 ⇒ 5位 ⇒ 10位 ⇒ 6位 ⇒ 5位 ⇒ 3位。
台湾は、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 5位 ⇒ 9位 ⇒ 6位 ⇒ 6位。
フィンランドは、3位 ⇒ 1位1位 ⇒ 3位 ⇒ 7位 ⇒ 8位。
韓国は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 5位 ⇒ 4位 ⇒ 9位。
中国の上海ほかは、不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 不参加 ⇒ 1位1位 ⇒ 10位。

PISA2009で、上海は、いきなりの1位。
続くPISA2012でも、1位。中国の学力が高いことを示した。
上海のほかに、北京、江蘇が参加したPISA2015では、10位。

2)開発力: 国際特許出願件数。


日本の2017年の国際特許出願件数は、3位→ランクAA。
中国の2017の国際特許出願件数は、2位→ランクAA

2005年 ⇒ 2012年 ⇒ 2016年 ⇒ 2017年の推移。
アメリカは、1位1位 ⇒ 1位 ⇒ 1位
中国は、10位 ⇒ 4位 ⇒ 3位 ⇒ 2位。
日本は、2位 ⇒ 2位 ⇒ 2位 ⇒ 3位。
ドイツは、3位 ⇒ 3位 ⇒ 4位 ⇒ 4位。
韓国は、6位 ⇒ 5位 ⇒ 5位 ⇒ 5位。

国際特許は、長い間、アメリカ、日本、ドイツが3強だった。
中国は、2005年は10位だった。
2016年は、ドイツを抜いて3位。日本の2位に迫っていた。
そして、2017年は、日本を抜いて2位に躍り出た。日本は3位。

3)創造力: ノーベル賞

日本のノーベル賞の受賞者23人は、5位→ランクB。
中国のノーベル賞の受賞者1人は、21位→ランクD
突出している1位~3位→ランクAとした。

4)芸術力: カンヌ映画祭

日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB。
中国のパルム・ドール受賞は0→ランクF
突出している1位~4位→ランクAとした。

玄宗皇帝と楊貴妃のショウ。

唐楽宮、西安。
豪華、壮大、華やかなショウだった。
さらに、自由な発想の、飛躍版も見たい。

5)文化力: 世界遺産

日本の文化遺産17は、11位→ランクB。
中国の文化遺産は40は、3位→ランクAA

1位イタリア、
2位スペイン、
3位は、フランスともに、中国。

中国の30件は、共産政権になる前の文化遺産である。
シルクロードの莫高窟は、荒れるがままであったが、
日本は経済援助をして、文化財保護に大きな貢献をした。
莫高窟(ばっこうくつ)」、敦煌(とんこう)。シルクロード.

第96窟。中に、莫高窟で最大の大仏がある。

手前は、平山郁夫画伯の記念碑
「日中友好協会会長で、敦煌研究院の名誉研究員の平山郁夫先生は、
敦煌の文化財保護、研究者の育成の奨学金に、
1989年、2億円を寄付されました。
これを称えて、記念します」

シルクロードは、日本、世界の人を惹(ひ)きつけている。
「シルクロードを訪れる観光客の大半は日本人です。
 敦煌を訪れる観光客の一番は日本人で、6割を占めます」
と、中国人ガイドは言う。

6)運動力: 国際フットボール連盟FIFA

日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF。2018年5月。
中国のFIFAのランキングは、73位→ランクF

7)経済力: 国民総生産GDP

日本の国民総生産GDPは、3位→ランクAA。
中国の国民総生産GDPは、2位→ランクAA
日本3位を抜いた。そして、アメリカ1位を追っている。

8)援助力: 政府開発援助ODA

日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA。
中国の政府開発援助ODAは0→ランクF

日本から中国へのODA(政府開発援助)は、2018年で区切りとなる。
1978年から、約40年間、援助して、中国の近代国家建設を進めてきた。
中国は、日本を抜いて、世界2位の経済大国になっている。

「指標」のランキングを「数値」で示す。
ランクAAとA ⇒ 5点、B ⇒ 4点、C ⇒ 3点、D ⇒ 2点、E ⇒ 1点、F ⇒ 0点。
数値で見る、「中国の通知表 2018年」。
1)学力:   日本のPISA2015は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       中国のPISA2015は、1位→ランクå ⇒ 5点。
2)開発力: 日本の国際特許出願件数は、2位→ランクAA ⇒ 5点。
       中国の国際特許出願件数は、3位→ランクAA⇒ 5点。
3)創造力: 日本のノーベル賞の受賞者22人は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       中国のノーベル賞受賞者1人は、21位→ランクD ⇒ 2点。
4)芸術力: 日本のパルム・ドール受賞5は、5位→ランクB ⇒ 4点。
       中国のパルム・ドール受賞0→ランクF ⇒ 0点。
5)文化力: 日本の文化遺産17は、11位→ランクB ⇒ 4点。
       中国の文化遺産40は、3位→ランクAA ⇒ 5点。
6)運動力: 日本のFIFAのランキングは、60位→ランクF ⇒ 0点。
       中国のFIFAのランキングは、172位→ランクF ⇒ 0点。
7)経済力: 日本の国内総生産GDPは、3位→ランクAA ⇒ 5点。
       中国の国民総生産GDPは、2位→ランクAA ⇒ 5点。
8)援助力: 日本の政府開発援助ODAは、5位→ランクA ⇒ 5点。
       中国の政府開発援助ODAはなし→ランクF ⇒ 0点。
合計(40点): 日本は32点。
         中国は22点

レーダーチャートで見る、
中国の通知表 2018年」。


経済力/GDPは、世界2位の経済大国、
開発力/国際特許は、国際特許出願件数は世界2位、
文化力/世界遺産は、世界3位と、大国の力を見ることができる。
学力/PISAも10位で、トップクラス。
しかし、経済大国でありながら、援助を受ける国。
援助力/ODAで得点がないために、いびつな、
レーダーチャートになっている。
さらに、芸術力/カンヌ映画祭、
創造力/ノーベル賞で、得点が増えれば、
大国にふさわしい、レーダーチャートになる。

鄧小平(とうしょうへい)最高指導者の言葉がある。
「数十年も革命をやり、30年あまり社会主義をやっているが、
 1978年現在、労働者の月給は600円しかなく、
 農村の大多数が、相変わらず貧困状態にある」
国として「売れるものがない、売れない」状態であった。

1978年に来日した故鄧小平は、
日産、松下電器、新日鉄、日立を視察し、新幹線に乗って、
「「近代化」とはこういうことなのか。「モデルは日本」」
と、「改革・開放政策」による近代化に取り組んだ。

日中平和友好条約を結んで(1978年)、
「資金援助」と「技術援助」、それに、「教育援助」が得られた。
中国への政府開発援助(ODA)は、3兆円以上(外務省)と、
日本の援助額は、世界一になっている。

さらに、日本の民間企業からは、「技術移転」をし、
「産業を育成」し、市場経済の「経営」を指導した。
宝山製鉄所ができて、産業のコメができた。
石油化学コンビナートができた。
北京空港ができ、上海の浦東国際空港や、
シルクロードの玄関、敦煌空港もできた。
北京の地下鉄は、10年間の文化大革命や、
事故で、閉鎖されていたが、再興できた。

日本による官民の援助で、
中国の近代国家の建設が進み、
「売れるものがある、売れる」状態になった。
雇用の機会を生み、市民生活が向上し、幸せをもたらしている。

先に進んだ日本は→中国を援助し→双方が成長し→日本はさらに先に進み→
日本はつぎの目標となる、という、Win-Winの共生である。
日本だけが勝つのではない、中国も勝つのである。

故鄧小平(とうしょうへい) 最高指導者から、「感謝」の言葉がある。
「少ない金額ではない。中国人民を代表して、心から感謝したい」

それから、中国はハイテク産業を発達させてきている。
スマートフォンは、ファーウェイが、
世界で2位の企業に成長している。

そして、スマートフォンが普及し、
ネット利用者が、8億人以上(2018年6月)。
モバイル決済(Electronic Commerce)が急成長している。
買い物に、現金を持ち歩かない、キャッシュレス化である。
2月の旧正月、春節には、中国のお客さんが日本を訪れている。
そして、日本のキャッシュレス化の遅れに、気がついている。

国外では、一帯一路で、経済圏を拡大し、
国内では、電子商取引企業のアリババは、
11月11日の「消費者デー」には、24時間で、
約2兆8千億円を売り上げた。
さらに、ハイテク産業の覇権へと進んでいく。

「企業にとって、事業活動をしやすい環境を持つ国はどこか?」
この疑問に答えるものとして、
スイスの調査会社IMD Switzerland(IMDスイス)が、毎年公表している、
世界競争力年鑑World Competitiveness Yearbook』がある。

1)経済の実績、
2)行政の効率、
3)ビジネスの効率、
4)インフラストラクチャー、
を調査して、国の競争力のランクづけをしている。

IMDスイスとは、
International Institute for Management Development Switzerlandで、
ネッスル社が幹部候補生の教育資材用とした研究を、発展させた調査会社である。
1989年、32か国から調査が始まり、2018年は63の国と地域に広がっている。

世界競争力年鑑によるランキングの推移


ランキングの推移を見ると、
アメリカ、香港、シンガポールが競っている。
2018年は、1位アメリカ、2位香港、3位シンガポール。
中国は13位。
中国の2005年は、29位だった。
だんだんと順位が上がって、日本を逆転した。
2005年当時は、予想しなかった、急速な伸びである。

2018年、日本は25位。
調査を開始した1989年には、日本は、1位。
それも、5年間も1位を維持していた。日本の絶頂期だった。

世界競争力年鑑2018年の総合競争力とクライテリア


中国のクライテリアを見ると、
経済実績が2位と高い。アメリカの1位に次いでいる。

スマートフォンの出荷台数を見ると、
中国のファーウェイが、世界で2位のシェアである。
カスタマーポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ、香港の調査から。
2018年、第3四半期、出荷台数。
1位サムソン(韓国)、19%。
2位ファーウェイ(中国)、13%。
3位アップル(アメリカ)、12%。
ファーウェイは、アップルを抜いて、2位に躍進した。

アメリカと中国では、「貿易紛争」が起きている。
アメリカの対中国の貿易収支が、大幅な赤字である。
その是正から、中国の鉄鋼ほかの関税を上げた。
中国の経済が、停滞してきている。

この貿易紛争は、さらに、「ハイテク覇権」につながる。
ファーウェイは、中国人民解放軍出身者による創業。
その実娘の副会長が、カナダ司法省によって逮捕された。
中国の知的財産権の侵害を、どのように解決すのか?
さらに、サイバー攻撃の防止、次世代の、
通信技術のハイテク覇権の争いになる。

先に、掲載した開発力/国際特許で、国際特許出願件数で、
2017年の世界知的所有権機関(WIPO)は、
アメリカ1位、中国2位、日本3位である。
国際特許は、長い間、アメリカ、日本、ドイツが3強だった。
中国は、2005年は10位だったが、
2012年は、4位、
2016年は、3位、
2017年は、2位に躍り出た。

2017年の、国際特許出願の中身を見る。
国際特許出願件数 分野別の順位

香港の国際特許の出願件数は、中国に含まれている。

電気通信技術、デジタル通信技術、
AV機器・AV技術、コンピューター技術、半導体技術で、
中国は、1位が3分野を占める。2位が1分野、3位が1分野。
アメリカは、1位が1分野、2位が3分野、3位が1分野。
日本は、1位が1分野、2位が1分野、3位が2分野、4位が1分野。
韓国、ドイツ、スウェーデンが続く。

中国のハイテク産業への取り組みは、
国際特許出願件数が、2017年に2位に躍り出た。つぎに、
国際特許の中身は、ハイテク分野で、中国は、1位が多い。
これは、ハイテク分野で覇権を競う意気込みの表われである。
中国、アメリカ、日本、韓国、ドイツ、スウェーデンによる、
ハイテク覇権の時代が見えてくる。

戦後の中国は、
イデオロギー ⇒ 経済に傾注した、
時代」で表される「変革」を見る。
1949年、社会主義体制の中国が誕生。「イデオロギーの時代」。
 1966年、文化大革命が起きて、中国は荒廃した。
1978年、日中の国交回復。「近代化の時代」。
 日本からの経済援助で、技術援助で、「改革・開放政策」路線。
 故鄧小平最高指導者の「先富起来」。先に豊かになれるものから、豊かになれ。
1990年、東欧革命。1991年にソ連の崩壊⇒ロシアへ。
 売れるものを作る、「テクノロジーの時代」。
2017年、中国は、世界2位の経済大国になった。
 「ハイテク覇権の時代」へ。
レーダーチャートは、イデオロギー ⇒ 経済に傾注した結果を見るようだ。
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