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『キャッツ』(読書メモ)

エリオット(池田雅之訳)『キャッツ:ポッサムおじさんの猫とつき合う法』ちくま文庫

ノーベル賞を受賞した詩人T.Sエリオットの作品であり、ミュージカル「キャッツ」の原作でもある。

いろいろな猫が登場するのだが、最後のほうにある「猫に話しかける法」が面白かった。

「読者のみなさん、まずは、お心に留めおきあれ、「猫たるものは、犬に非(あら)ず」と。(中略)でも、猫は、人様になれなれしくされるのが大嫌い、その事をゆめ忘れることなかれ。(中略)「犬は犬、猫は猫」ということ。これこそ、みなさんが、猫に話しかけるコツだ」(p.109-115)

ここだけ読んでもピンとこなかったが、訳者の池田さんの解説を読んだらよくわかった。

「犬は飼っていると、自分が人間になったつもりになる動物です。しかし、猫には、どうもそういうことは起こらないようです(中略)人間は、これまで群れすぎましたね。目上の者に気に入られたがったり、親分子分の力関係を作るのにやっきになってきました。どうやら、私たち人間は、犬のような人生を歩んできたのです」(p.123-126)

僕は思いっきり「犬的人間」であるが、わが道を歩んでいる「猫」を見習わないといけない、と感じた。



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