宮元皮膚科クリニックのブログ

毎日の診療の中で気づいたことや気になることを書いています。
皮膚病や肌のトラブルのさまざまなアドバイスをいたします。

ミズムシ

2012年08月04日 20時54分59秒 | 水虫
厳しい暑さが続き、私は少々夏ばて気味です

熱中症予防のため、夜間もクーラーをつけていますが、そのせいか肩こりがし、喉も乾燥してひりひりします。
体調の管理が難しいですね。

さて。

暑い夏の日が続くと、ミズムシを心配して来院される方が急増します。
実際、足のミズムシだけでなく、爪のミズムシや、股のタムシの患者さんも増えてきました。
中には。
市販のミズムシの薬のかぶれの患者さんも混ざっています。

ミズムシには、大きく分けて、水疱ができてグジュグジュするタイプと、かさかさして乾燥して皮がむけるタイプがあります。
このタイプの違いは、治療の違いにつながります。
タイプに合わせた治療を行わないと、なかなか治らない場合があります。

また、爪のミズムシを合併していると、さらに治りにくくなります。
爪ミズムシは内服が必要な場合もあります。

ミズムシは昔はおじさんの皮膚病という印象があったようです。
しかし。
最近は女性の社会進出に合わせて、女性が長時間靴を履いていることが多くなり、男女差がなくなっているようです。
また、家族内感染により、お子様に発症することもあります。

温暖化により、昔より夏が暑いため、足もいっそうむれやすくなり、ミズムシも増加しています。
また。
昔は冬、室内が寒かったのでミズムシが治りやすかったのですが、最近の住宅環境の変化に伴い、冬も室内が暖房で暖かくなり、冬も治りにくくなったという事情があります。

ですから、ミズムシと診断されたら、しっかりと治療し、一見治ったように見えても治療を長めに続けた方がよいですよ。

予防としては、まず、きちんと足を石けんで洗い、清潔を保つこと。
むれにくい靴下や靴を選ぶこと。
長時間靴を履いている人は、仕事の休み時間など、短時間でも靴を脱いで足を乾燥させること。
同じ靴を二日連続してはかないこと。何足かの靴をローテーションで回し、交代交代で靴をはくことがオススメです。

ミズムシはきちんと治療すれば、ちゃんと治ります
まずは、正しく診断ですね

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夏の皮膚病(その2)

2012年07月18日 20時02分28秒 | 水虫
梅雨明けしましたね

いきなり連日、強烈な紫外線に、頭がくらくらします

大学通りの紫陽花の花が、古びた和紙のようにカピカピに乾ききっています。

今日は、ミズムシのお話です

ミズムシは、虫ではなく、カビの仲間です。
カビなので、湿度を好みます。
つまり。
足の汗でむれると、かかりやすくなります。

ですから、予防としては、むれないようにすることです。

たとえば、ナイロンのストッキングや靴下は、ミズムシになりやすい状況を作ります。
一日中、仕事で皮靴や長靴をはいている人も要注意
また、最近、若い女性に流行っている、サマーブーツも危険な感じがします。

サンダルは悪くはないのですが、素足に接触している靴底がゴムだったり合成皮革だったりするので、汗を吸わないため、実はむれますね。

私は、最近は、薄手の綿混のソックスをはいて、サンダルです。
これは、むれにくい上に、日に焼けないという一石二丁なので、お気に入りです

なお、ミズムシになったら、もちろん治療が必要です。
が、来院される患者さんの中に、一見ミズムシに似て、実は違う場合もあります。
それは。
汗でむれて皮がむけているだけだったり、アセモのような湿疹だったりすることです。

やっかいなことに、こういう湿疹のときに、市販のミズムシの薬を塗ってかぶれてしまうことがあります。
ミズムシの薬を塗れば塗るほど悪化するので、患者さんはミズムシが広がったとびっくりされるようです

やはり、正しい診断のもとに治療をしないと、治らないんですね。

足が汗でむれやすい方や、ミズムシにかかりやすい方は、毎日足を石けんで清潔に洗い、よく乾かして、なるべくむれない日常生活の工夫をしましょう。
たとえば。
家ではくスリッパや室内履きは、汗を吸いやすく、また、丸洗いできる清潔なものを使いましょうね

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足の皮膚病

2012年05月11日 18時55分53秒 | 水虫
今日は、初夏を味わえる爽やかなお天気でした。

このところ天候が不順で、落雷や突風やいきなりの雨などがあって、落ち着かない日々が続いていたので、今日のような落ち着いたお天気はほっとします。

さて。
このところ、急に足のトラブルのご相談が増えてきました。
特に多いのが、足の水疱です。
これは、二つの病気のいずれかがほとんどです。

一つ目は・・・・・ミズムシです。
水ぶくれができて、かゆみを伴います。
顕微鏡で検査すれば診断がつきます。
ミズムシは、かさかさと皮がむけるタイプと、水ぶくれができてこれが破れてじゅくじゅくしているタイプがあります。
同じミズムシ菌が原因でも、症状によって治療が異なります。
また、爪ミズムシの場合は、違った塗り薬を使ったり、場合によっては飲み薬が必要です。

もう一つは、汗疱あるいは異汗性湿疹です。
一見、ミズムシと区別がつきにくいので、しろうと判断は危険です。
ミズムシと治療が全く違うので、正しい診断が重要ですね。

その他、靴擦れや陥入爪などに細菌感染を伴う方もいます。
これは、足が汗ばんでむれているために、、ばい菌が繁殖しやすいのです。
こうなると、痛くなったり、腫れたりしますので、抗生物質が必要ですね。

足にいぼが増加している方も増えてきました。
いぼは一年中みられますが、汗でむれると増加する傾向があります。
早めに治療しましょう。

足の臭いが気になるというご相談も少なくありません。
効果のある薬やお子様も使える手軽な化粧品がありますので、ご相談ください

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ミズムシ女子

2012年04月30日 18時12分25秒 | 水虫
みなさま、連休をいかがおすごしでしょうか。

こんなにお天気が良いのに、私は昨日家から一歩も出ませんでした。
自宅で・・・・・なんと、一日中、ミシンを使い手芸三昧だったのです。
気づいたら、8時間もミシンをかけていました
夢中になると、いつもこうなんです。
趣味のおかげで、かえって肩がこっています
でも、大作ができましたよ
60枚くらいのさまざまな布をパッチワークして、楽しいストールができました

さて。
今日のタイトルは、ちょっと衝撃的ですね
実は、ある患者さんが
「ミズムシ女子なんて、女として終わってますよね~
とおっしゃったのが、ちょっとつぼにはまり、おかしくて笑ってしまったんです。
いやはや、失礼しました。
でも。
終わってなんかいませんよ。ご心配なく。
ミズムシは、きちんと治療すれば、しっかり治る皮膚病ですから。

ただし。
近年、若い女性にミズムシがとても多くなっていると感じます。
昔は、おじさんの病気・・・みたいに思われていましたから、女子としてはショックなんでしょう。
でも、若い女性にも、少なくない疾患になってきました。

温暖化に加え、夏は猛暑があたりまえになり、足の汗が増えてきたのでしょう。
また、靴をはく時間が長時間になっているのも、原因でしょう。

最近は、冬のブーツの流行も、関係がありますね。
今年は、サマーブーツや、グラデュエーターサンダルの流行などもあり、夏も足がむれそうですね。

足の汗を減少させるローションや、においを抑えるクリームなどもありますので、あわせてご相談ください

大丈夫です。
終わってなんかいませんよ・・・

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ミズムシの治療はいつまで?

2011年08月30日 18時06分35秒 | 水虫
昼間はまだ夏らしい日差しがありますが、少しずつ秋が近づいているような気がします。
今日は木陰にはいると爽やかな風が吹いていました。

さて。

今年の夏はとても早い時期から暑かったので、ミズムシの患者さんはいつもより早く発症していたようです。
ミズムシはカビですから、暑くて湿度が高いと発症しやすいのです。

よく効く塗り薬がありますから、治療は順調な方が多く、そろそろきれいになっています。

問題は、治ったように見える足の治療をいつまで続けるか・・ということです。

もちろん重症度にも差がありますし、個人差という問題もありますので、いちがいには言えませんが。

大まかに言えば、きれいに見えても、もう少し薬を続けた方が良いということですね。

ミズムシは、治療を早めに中止すると、再発しやすいという問題があります。
気温がかなり低くなるまで、もう少し、治療をやめないでくださいね
いつまで続けるかは個別にご指導しますので、ご相談ください

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足のむれる理由

2011年06月27日 18時08分33秒 | 水虫
昨日、今日と、ちょっと涼しくなり、身体がほっとしています。

梅雨でただでさえ湿度が高いのに、加えて気温が高すぎると、さまざまな皮膚トラブルがおこります。

それは。
アセモ。
トビヒ。
異汗性湿疹。
ネックレスや下着のワイヤーやゴムのかぶれ。
そして。
やはり、ミズムシですね。

雨の日が多いので、長靴やむれる厚手の靴をはく方が多く、足はむれています
そのため、ミズムシの方が増加しています。

足の指の間のかわがむけて赤くなる・・・
足の指に水ぶくれができる・・・
足の外側にかゆみを伴う水疱ができる・・・
足の裏がカサカサとかわがむける・・・
このようなパターンが多いようです。
足の甲に出来る場合は、まずミズムシではないでしょう。

あやしいなと感じたら受診ください。
その場で真菌検査ができます。
すぐに結果はわかります。

あまりひどくならないうちに治療してしまいましょうね


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足の湿度

2011年06月17日 19時04分36秒 | 水虫
今日は、雨の一日でした

今年は、梅雨らしい天気が続いています。

気温は昨年より低めで、それほど暑くはありません。
それでも。
ご注意ください

足の湿度が上がっています。

雨の日が多く、長靴を履く日もあります。
また、靴下に靴を履くので、真夏のようにサンダルという日は少ないです。
そのため。
靴の中の足の湿度が上がっています。

つまり。
足が湿っぽいわけです。

こういう季節に、ミズムシは活発になります。
実際、ミズムシの患者さんは急増しています

ミズムシと診断すると、悲鳴をあげたり、がっかりしてショックを受ける患者さんが少なくありません。
どうも、治らない病気という誤解があるようです。

ミズムシは、きちんと治療をすれば、治る病気です。
ただし。
きちんと薬をぬり続けないと、中途半端になり、再発しやすい病気です。
ですから。
治りきるまで、しっかり、長期間薬をぬりましょう

家族内感染もしやすい病気ですから、診断を受けたらしっかり治しましょう。
でも、ご心配はありません。
きちんと治療を開始すれば、家族にうつす可能性はほとんどなくなりますよ

足の指がぴったりくっついていると、むれやすいので、綿や絹の五本指の靴下も有効ですね。

じめじめした梅雨の季節は、気温がそれほど高くなくとも、ミズムシにかかりやすい時期と言えます。
もし、ミズムシにかかっても、症状に合わせた薬で治療をすれば、ちゃんと治ります。

まずは、正しく診断ですね


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最近多い皮膚病(その15)

2011年05月16日 16時34分33秒 | 水虫
今日は湿度も低く、爽やかな五月晴れという感じで、過ごしやすい一日です。

風も涼しく、久々に気持ちよい日ですね

さて。

このところ、急にミズムシのご心配をされて来院する方が多くなりました。

ミズムシとは、もちろん虫ではありません。
白癬菌(真菌)というカビです。
カビですから、湿度が多くなると増殖しやすくなります。

5月になると、足の汗の量が増加します。
つまり、むれる・・・ということです。
すると、当然、カビは繁殖しやすい状況になります。
つまり、ミズムシになりやすい季節に入ったということです。

ミズムシは、水疱ができることもありますが、かわがむけるだけの場合もあります。
かゆい場合と、全然かゆみを感じない方もいます。
水疱やかわを検査すると真菌が見つかる場合があり、そこでミズムシという診断がつきます。
しかし。
ミズムシに似ていても、真菌が陰性のこともあり、ミズムシでない場合もあります。
汗でむれて湿疹やかぶれを起こしている場合です。

時々、手の汗による湿疹を、ミズムシと思って心配される方がいますが。
手にミズムシができることは、あまり多くはありません。
足のミズムシをさわっても、手にうつることはほとんどないのです。

今年は、節電で、電車や建物の中など、暑いと思います。
足の汗もかきやすいでしょう。
なるべく、むれないように工夫しましょう

昨年、若い女の子が、猛暑なのにブーツを履くのが流行っていましたね。
今年は、やめましょう。
ブーツは・・・危険ですね


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この時期多くなる皮膚病(その2)

2011年05月07日 22時55分22秒 | 水虫
今日は昨日の続きです。

足のトラブル・・その二つ目のもの。

それは、ミズムシです。

ミズムシはとても有名な皮膚病です。
聞いたことがない・・と言う方はほとんどいないでしょう。

足の裏や指の間にできる皮膚病です。
多くは暖かくなるこの時期から患者さんが急増します。
ミズムシといっても、原因は虫ではなく、カビです。

カビなので、湿度の高い部位にできます。
つまり、汗でむれている足にできやすいですね。

仕事で一日中靴を履いている方や、職業柄長靴などを履く方、女性ではストッキングもむれるので原因になりやすいです。
意外なところでは、冷え性で夏も一日中靴下をはいている方などにも見られます。
最近は若い女性でも珍しくなくなりました。
ファッションの影響もありそうです。
例えば、最近の流行のサマーブーツなどは、ミズムシになりやすいように思います。

ミズムシは、水ぶくれが出来る水疱型と、カサカサする角化型があります。
かゆみが強い方と、ぜんぜんかゆみを感じない方がいます。

ミズムシは、やはり早めに診断をつけて、早めに治療した方がよいです

今年は、節電の影響がでるのでは・・とも思います。
クーラーを控えるので、足の汗が増加する可能性が高いのです。
結果、ミズムシはひどくなる危険性があります

では、どうしたら、よいでしょうか。

それは。
なるべく足がむれないように工夫すること。
きつい靴や、ブーツなどは避けましょう。
薄手の綿の靴下をはいて、汗を吸わせましょう。
靴は、たびたび脱いで、足を乾かしましょう。
同じ靴を連続して履かないようにしましょう。

そして、適切な塗り薬をつけましょう。

ミズムシは、きちんと治療すれば、治ります
あきらめずに、真面目に薬をつけましょうね



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夏の皮膚病(ミズムシは市販薬で治る?)

2009年07月24日 19時46分24秒 | 水虫
このところ、雨が多いですね
本当に梅雨明けしたの??と疑っちゃいますね・・・

今日は、このところ患者さんが増加しているミズムシのお話です。

じめじめと暑いこの季節は、ミズムシになりやすい足を作ります。
汗でむれて角層がやわらかくなり、ミズムシのカビが侵入して、やがて繁殖します。

ミズムシは以前はおじさんの病気という印象がありましたが、最近は若い女性や子供にも見られます。
つまり、いまや、だれでもなりうる皮膚病と言えますね。
ですから、ミズムシかな・・と思ったら、気軽に薬局で薬を買って自分で治療する事も多いと思います。

さて、では、ミズムシは市販薬で治るでしょうか?。

答えは、イエスでもありノーとも言えます。

つまり、治るミズムシと治らないミズムシがあるという事です。
それはどうしてかというと、タイプによって違うのですね。

ミズムシには、皮がむけるタイプと、水疱ができるじゅくじゅくタイプと、角化して固くなるタイプと爪にできるものなどがあります。

単に皮がむけているだけのミズムシは、比較的治りやすいものです。
市販薬でもきれいになおるものがあります

しかし、水疱ができてぐじゅぐじゅするタイプは、ミズムシに加え湿疹化しているものや、さらに細菌が感染している複雑な症状のものがあり、市販薬をつけても治らないばかりか、むしろ悪化してしまうことすらあります

角化して固くなるタイプは塗り薬が効きにくいものがあり、市販薬のみでは歯がたたない場合があります。
また、爪に菌が入った爪ミズムシは、塗り薬が効きにくく、のみ薬が必要な場合があります。

一口にミズムシと言っても、実はバラエティに富んでいます。
症状に合わせた治療が必要なんですね


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