春の関西ワンデイキップを地元駅から使って行こうとすると、近鉄で行くよりも1時間早く出ることになる。交通費を倹約しようとしたら仕方ない。朝6時前に家を出た。雨に備えて雨靴で。
大阪の2人と合流して10:30中池見人と自然のふれあいの里の入口に着く。
カモシカ出没中の看板 カモシカなら会いたいなあ。クマもいるらしい。
イカリソウが歓迎してくれた。トキワイカリソウとのこと。白・薄いピンク~濃い紅色
何これ? 見たこともないスミレ。キョがすご~く長い。「ナガハシスミレ」と頭に浮かぶ。
それで正解だった。名前は聞いたことがあるけれど初めて見た。変わったスミレがあるものだ。
入り口から見た湿原 右手にウェットランドミュージアム 左手に敦賀の農家(移築したもの)がある。木道が湿原の中をジグザグと走っている。
ウェットランドミュージアムに寄ってから湿原の木道を歩きかけたら、ここで活動しておられるSさんが来られ、後ろ谷手前まで案内してくださった。
湿原にはサワオグルマが咲いていた。「今年は約1カ月遅れてます。例年なら一面まっ黄色です」とのこと。ミツガシワも咲いていた。今日も少し寒い。
中池見湿原は周りを山に囲まれた山間盆地で、谷底部分には泥炭や粘土質の砂礫が堆積しているとのことで、山からの湧水と雨水以外に流れ込む川はないそうだ。
広さは26ha。堆積した泥炭層は40mを超えるといわれ、古いものは5~7万年前のものであることがわかっている。
江戸時代にはこの沼地を開拓して田んぼが開かれたが、泥深く大変な苦労だったようだ。
環境省の「日本の重要湿地500」にも選定され、貴重な動植物が生息する。
後ろ谷はOさんの案内で回る。昔は棚田になっていたらしい。
イワナシ オオタチツボスミレ
セイタカタンポポというのもあった。今は普通のタンポポと変わらないように見えるが、もう少しすると茎が長く伸びるのだそうだ。見てみたいなあ。
帰ってきて、小屋でお弁当を食べた。Sさんが湧き水を沸かしてコーヒーを入れてくださった。
午後は中池見へは18回とか19回目だとかいうOさんの案内で回る。
私は4回目かな?
深い泥沼のため沈まない工夫がしてある。
木道の基礎部分には三方から斜めに長さ4mのジュラルミンの?杭を入れて沈下を防いでいる。
道の下にはシートを敷いて沈まないようにしてあるとのことだが、水に浸かって通れないところもあった。木の板を渡したう回路を通る。
山沿いには土を取った跡がある。田んぼへ入れたそうだ。稲の株も耕してしまわず、田の中へ踏み込んだり・・それでも農機が沈んでしまったりしたのだそうだ。
田んぼの作業には田舟・田下駄といった深田独特の農具を使って工夫したという。
水溜まりの中には木の株が見える。根木といい、最終氷期 7万年ぐらい前に林をなしていたスギなどの根が腐らずに残っていて、農業するには機械に引っかかって邪魔だが、根木を残さないと底なし沼のようになるので残してあるとのこと。 昔の人の苦労がしのばれる。
深さ40mの泥炭層・・想像できない。
湿原は手を入れることで維持されてきた。一部田んぼにしてある所もある。ヨシを刈ることでいろんな植物も出てくる。
いくつものグループが湿原の保全に関わっておられ、「持ち込まない。持ち出さない」方針で
多様な生物が棲む貴重な場所を守っておられる。
チュウサギやアオサギ、他にも何種かの鳥がいた。ヨシに止まった鳥はセンターに帰って調べたらノビタキの♂と♀だった。
絶滅危惧種のオオアカウキクサ(左)やデンジソウ(右)
所で・・平地の池や湿地などにはびこる「アゾラ」と絶滅危惧種の「オオアカウキクサ」はどこが違うのかな?
湿地をボーリングしたという湧き水「くもくも仙人の泉」で水を飲んだ。こんな平地で飲める水が湧くと言うのも不思議。
途中雷がなり雨も一時降ったがすぐ止んで、ゆっくり回ることができた。
帰りには駅の近くでOさんおすすめの浜焼きサバをお土産に帰路に着く。