今日は一日”万葉集”
①万葉文化館で開催中の「装いと意匠からひもとく 万葉日本画」展
『万葉集に詠まれた和歌をモチーフに当代一流の日本画家が制作した 日本画』(パンフ)
正倉院の御物・天寿国繍帳などの資料を参考にするなど、当時の服飾を研究して描かれている絵を見て、万葉歌を読んでいくと歌の意味も分かりやすい。
女性の衣装の説明・持ち物の名前の説明もあり良かった。
団扇(翳(さしば))・袍(表着 左前)・長紐・(褶(ひらみ))・裳(も)など・・
時代により、衣装も描き分けられている。
襟の形が違ったり、髪の結い方も朝鮮半島の影響を受けたり・・
奈良時代の女性のお化粧が面白かった・・
おしろいを塗り、額と口元に赤や緑色で、点や小さい模様を描くのが流行っていたらしい。
将来又、こんなお化粧が流行るかもしれないなあ。試してみる?
万葉集の歌の中の人物の心まで写したような日本画の数々。
見ごたえがあった。
②午後は万葉講座
6月の花は「はちす」
ハスの葉に溜まる水玉を詠んだものなど4首詠まれている。
その内の1首
「蓮葉はかくこそあるもの 意吉麻呂が 家なるものはうもの葉にあらし」とは、ユニークな歌人・長忌寸意吉麻呂さんの作。
宴会で蓮の葉に盛った料理が出た。
「蓮の葉はこんなものでしたか。それなら家のは里芋の葉だったようです」
自分の家をへりくだって、宴会の主催者を持ち上げている。
この人の歌はとんちがきいていて面白い。
別の歌「今日、遊びに行った勝間田の池では、蓮の花が満開で感動しましたよ」と新田部親王が言われたのに対して「勝間田の池はよく存じていますが、蓮などありませんよ。あなたの顔におヒゲがないようにね」とご婦人がぴしゃりと戯歌。
蓮の花・・これは可愛い女性のことだった?
大伴家持が奥さんの1人を亡くし、悲しんで作った挽歌がたくさん詠まれている。
その中の長歌は、家持22歳の時、最初に作った長歌だそうだ。
柿本人麿が、赴任先の石見の国から大和へ戻る際に、石見の国に残してきた現地妻を思って詠んだ歌 長歌と反歌もある。
相聞歌・挽歌・雑歌。 歌は生活と共に、心と共にあるんですね。