日本でも、「刑事コロンボ」の主演俳優として知名度の高いピーター・フォーク氏(以下敬称を省略)が認知症になったらしいという報道がありました。1927年生まれで今年81歳のフォークですので、年齢的には仕方ないところもありましょうが、しかし彼が認知症ですか…。とても残念です。
「刑事コロンボ」ではイタリア系の警官という設定でしたが、実際の彼は東欧系ユダヤ人です。コートと葉巻(これも、昔はともかく今は時代錯誤なものですよね)にもじゃもじゃ頭という独特の風貌が印象的ですが、一番最初の作品である「殺人処方箋」ではきれいなコートと整った髪形をしています。あの個性的な風貌になったのは、71年にNBCでシリーズ化されてからです。
なお、ご存知の方も多いと思いますけど、フォークの声は故・小池朝雄氏が担当していましたが、小池氏の声は、フォークの声とあまり似ていません。小池氏の美声とフォークのハスキーな声はかなり違いがあるのですが、しかし小池氏でないとコロンボの声はだめだという方も多いと思います。その後石田太郎氏や銀河万丈氏といった方々が声をあてていますが、少々割があわない後継かなと思います。
NBCでの放送は、78年までの計45本にて終了。が、そのころから「ブリンクス」などコロンボシリーズにとらわれない映画出演につとめた感があります。が、予想通りというかやはりコロンボを上回るインパクトのある俳優活動をするにいたりませんでした。個人的には、「カリフォルニア・ドールズ」が好きな映画です。
89年から、NBCのライバル局ABCで刑事コロンボの新シリーズが始まりました。このシリーズは03年まで続きましたが、もう新しい「刑事コロンボ」が製作されることはなさそうです。
IMDbによると、09年(公開秒読みなのですかね)まで彼の出演作品は製作されていますが、あるいはカメオ出演なのかな。「ベルリン・天使の詩」にも、彼は出演しています。
渥美清と同様、フォークも「刑事コロンボ」があまりにはまりすぎて、正直役者の幅がひどく狭くなってしまったように思います。もっともっといろいろな映画に出演してほしかったし活躍してほしかったのですが、もう彼にまともな映画出演ができるとは考えにくいものがあります。
このブログで、フォーク氏やコロンボの話も書きたかったのですが(そして書くつもりですが)、ちょっと彼の俳優活動について前向きな話を書くことができそうにありません。認知症ですので、治るとか改善するということも考えにくいのですが、ともかくフォーク氏が安らかな生活を送られることを希望したいと思います。
2011年6月26日追記:ピーター・フォーク氏が2011年6月23日にお亡くなりになったので、この記事にも大量にアクセスをいただきました。ありがとうございます。氏の追悼記事をこちらに書きましたので、よろしかったらご参照ください。
コロンボには思い出深い作品が多くて挙げたらキリないですが、作家二人のコンビ解消にまつわる「構想の死角」はやはり抜群に面白かったです。映画では「ベルリン~」と、豪華キャストの個性が愉快な「名探偵登場」が印象深いです。
ポール・ニューマンは幸福だったのかな。
もっともなにがいいのかはよくわからないところではありますが。
私はピーター・フォークの作品では「こわれゆく女」が好きですね。
私も「構想の死角」は好きな作品です。スピルバーグが監督してました。あと第一作の「殺人処方箋」ではデイヴ・グルーシンが音楽をやっています。これには驚きました。
ほかにも書けばきりがありません。また記事にしたいと思います。
この作品は未見です。こんど見てみたいと思います。ogatさんがお書きになっていた」名探偵登場」なんてのも印象深いものがあります。
>ポール・ニューマン
そうですね、ニューマンとフォークは2歳しか年が違わないんですよね。一方は亡くなり、もう一方は認知症ですか。年齢を重ねるのも残酷なところがありますよね。