ライプツィヒの夏(別題:怠け者の美学)

映画、旅、その他について語らせていただきます。
タイトルの由来は、ライプツィヒが私の1番好きな街だからです。

一人旅がだいぶ世間でも一般的になってきたらしい(新型コロナや旅行者気質の変化ばかりでなく、LCCほか交通手段やスマートフォンの発達も大きく影響しているのではないか)

2023-09-26 00:00:00 | 旅(海外旅行一般 あるいは上以外の国々 旅行全般)

朝日新聞の記事より。

人気高まる一人旅、「行き着くスタイル」 世代問わず旅は個人化傾向
大村美香2023年5月20日 12時00分

 一人旅の人気が高まっている。

 リクルート「じゃらんリサーチセンター」による2021年度の「じゃらん宿泊旅行調査」で、宿泊旅行の同行形態を尋ねると、一人旅は、トップの「夫婦2人」(27・4%)に次いで2位の20・1%。過去18回の調査で最高値だった。

 同センターの森戸香奈子・主席研究員は「長期的にみて旅行のグループサイズは縮小の傾向で、個人化が進んできた」と指摘する。この傾向は世代を問わず全世代にみられるという。

 「旅行はどこに行って何をし、何を食べるか合意形成の連続。人と合わせるのはわずらわしく自分の好きにしたい思いから、夫婦旅、さらには一人旅へと向かっている」と森戸さん。

 コロナ禍は、この個人化の流れを後押ししたという。

 「一人旅プランを積極的に組む宿泊施設も増えた。今後コロナ禍からの揺り戻しで複数での旅行がいったん盛り返すだろうが、長い目で見れば一人旅はさらに広がり定着していくだろう」

 JTBパブリッシングの「ノジュール」は50代からの旅と暮らしをテーマにした年間定期購読誌だ。廣井友一編集長によると、一人旅は最も人気のあるテーマという。

 「読者は旅への関心が特に高い方。自分の興味に合わせて、旅を最大限楽しむ旅慣れた人にとって、行き着くスタイルが一人旅なのでは」と話す。ムック「大人のひとり旅」も手がけ、3月には2冊目を出した。

 料理研究家の山脇りこさんは、この7年ほど、1人で旅を楽しむようになった。3月に旅のエッセー「50歳からのごきげんひとり旅」(だいわ文庫)を刊行すると、発売1カ月半で5万部を超えるヒットになった。

 山脇さんは「旅は夫とすることが多く、それはそれで楽しい。ですが、1人で日常から切り離されると、自分自身とじっくり向き合える。自分にとって大切な人は誰か、何が大事かを考え、見直す機会」と魅力を話している。(大村美香)

これからの時代おひりさまも増えてくるし、また、旅慣れた人間がどんどん増えてくると思われますので、そうなると「一人旅」への志向(思考、試行、指向、嗜好、いろいろな漢字を当てられそうです)はおそらくとどまるところがないのではないかと思います。

旅というのは、している人間が製作者(プロデューサー)であり、脚本家(シナリオライター)であり、監督(演出・ディレクター)であり、役者(俳優・アクター)であると何かの本で書いてありまして、確かにそれはそうなわけです。旅行に行くという計画を立てる、資金をどう調達する、金の支払い方法をどうする(クレジットカードで払うか現金で払うかとか)といったようなことはプロデューサーの役割であり、旅の細かな計画は脚本家がすることであり、実際の行動は監督のような立場で決定し、そして旅するのは、アクターであり、それらをすべてご当人がするわけです。まさにチャップリンのようなものです。やはりこういった楽しさは格別です。

そう考えてみると、やはり修学旅行はまだしも、職場旅行の衰退が、一人旅の人気上昇とパラレルのような気がしますね。修学旅行は、教育の一環ですからなかなかなくならないかもしれませんが、職場旅行はきわめて衰退している。私の勤め先も、ずいぶん以前にそういったことはやめているかと思います。典型的な団体旅行である職場旅行と対極に位置する一人旅というのがどんどん旅行の世界で大きな役割となりつつあるというのは、きわめて自然ではないかいなと個人的には思うわけです。

あと個人旅行の大きな追い風になっているのが、格安航空会社(LCC)の台頭ですね。飛行機の価格というのが非常に高く、そう容易に買えるものでもありませんでしたが、東京⇔札幌、東京⇔大阪、東京⇔福岡、東京⇔那覇(申し訳ない。拙居住地の関係で、東京中心の話になります)などは、昔はとても運賃が高く、容易に個人では買えませんでしたが、最近はかなり気楽に買えるようになっています。これもLCCのおかげです。会社の金で移動する人は、JALやANAなどのメジャーなキャリアを使えばいいですが、各社も自社傘下のLCCを持つようになっているので、共存も可能です。もちろんLCC専科の会社もある。また、これも夜行列車の廃止とパラレルですが、高速バスの発達も、安い運賃で利用できるというありがたいことではあります。もちろん過酷な労働や経営環境の問題はあることは前提です。

そしてこれはたぶんそうではないかと私が想像するところでは、やはりスマートフォンの発達が大きいのではないか。旅行のさまざまな予約や交通手段の手配、悪い状況での連絡といったものが、非常に容易になった。これもけっこう決定的な部分ではないかと思います。ほかにも、ガイドブックがなくてもこれがあればいいという側面もある。実利だけでなく、暇つぶしの手段や、LINEなどで容易に友人などと連絡がとれるようになったことも、旅のしやすさにそうとう寄与したはず。

上の記事でもあるように、旅行で、たとえば乗っていないローカル線に青春18きっぷで乗りたいとか、宮崎地鶏を徹底的に食べたいとか、そういうマニアックなことは、人に付き合ってもらうより独自でやった方がスムーズです。旅慣れてくれば、そういうことを個々の老若男女が容易にできるようになる。これはなかなかよさそうです。

ところで上の記事で紹介されている本は未読ですが、地元の図書館に入っていました。

「50歳からのごきげんひとり旅」(だいわ文庫)

面白そうですから読んでみることとしますが、ただ私に言わせれば、50歳になる前からどんどん一人旅にはチャレンジしてほしいなです。子育ての関係ほかいろいろあるのはわかりますが、そういったことも調整すれば機会をひねり出せないものでもないでしょう。こちらに上の本の著者の方へのインタビューが掲載されていますので興味のある方はお読みになってください。

というわけで、読者の皆さまも一人旅をどんどん楽しんでください。もちろん私もそうします。


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